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追跡
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「音楽が好きな精霊が、集まってきました。精霊は一緒に音楽を楽しみます。赤や青、黄色や緑の色に光って、周りが明るくなりました」
「精霊のお祭りで、お星様みたいって、お父さんが言ってた」
「嘘だー、精霊は見えないんだぞ!」
「見えたって、言ってたもん!」
絵札で物語を聞かせていると、子供たちが精霊について話しはじめた。たまには本を読んであげるのもいいかと思い、簡単な絵を書いて物語調にしたのだが、これがウケがいい。
子供たちは、真剣にフィリィの持つ木札の絵を見つめて、話に夢中になった。
精霊が大切であること、見えなくても共存していること。そんなことを子供の頃から知ってほしい。精霊については親から聞くだろうが、実際見ることはないので、存在があるかないかと言われれば、街の人間は闇の精霊しか思い付かない。しかし、闇の精霊はその形態から、虫とか魔獣扱いである。
それでも、精霊の力を信じるのは、魔鉱石や魔導の雫が不思議なものだからだ。そして、天にはマリオンネがある。浮島を見たことのある者たちにとって、精霊は見えなくとも、マリオンネの浮島は、神に近しいものだった。
「精霊が見えることもあるでしょう。闇の精霊は、見たことない?」
「ないー。窓閉めちゃうから」
それもそうか。街の家の窓は木でできており、ガラス張りの窓は、平民でも上級の生活をしている者たちぐらいからしか使用しない。貧民街では皆無だ。旧市街はガラスを使用していないので、渡りの夜中に闇の精霊を見ることもできない。
精霊は生活に密接しているが、実感することはないと思うと、残念な気がしてならない。人混みが好きな精霊は、案外その辺をうろついている。この旧市街でも見ることはあった。水辺で水浴びをしている子供たちの傍で、羽を濡らしている精霊もいるのだが。
「精霊に、色があることは、知ってるよね?」
「知ってるー。黒」
「たくさんだよ」
「赤、青、黄色」
うむ。あまりよく分かっていないのが分かった。これは精霊の色図鑑でも作った方がいい気がする。絵本でも作って、場所によってどんな精霊がいるか描こうか。
新しい商品を考えながら、フィリィは指を一本立ててみる。そこの、ほんの少しだけ日があたっている土壁で、日光浴をしている子に協力を願おう。
「土の精霊が何色か、知っている子はいるかな?」
「分かんない」
「俺、知ってるよ。茶色だよ!」
「土が茶色いから?」
わいのわいのと、子供たちが色を言いはじめる。その色の微妙な違いが、精霊の属性であることは知らない。これは商品化だな。
「茶は茶でも、薄くもなく、濃くもない、赤みのある茶色だよ。ちょっと、呼んでみましょうか」
「呼ぶ?」
子供たちがきょとんとした顔を見せた。周囲を見回しつつ、大人がいないことを確認して、フィリィはすぐ側の土壁の上で転がっている精霊を、指で手招きする。
おいでおいでと呼ぶと、一匹の精霊がふわふわと近付いてきた。精霊の光は魔導だが、力の弱い魔導士では見ることができない、特別な魔導だ。色があっても、力のない魔導士からすれば、不思議な魔導があると感じるだけ。
しかし、手伝ってやれば、精霊はその姿を現すことができた。前の祀典の時のように、魔導に乗って精霊たちを呼んだ時がそれだ。
ふわふわ近付いた精霊は、フィリィの指にピタリと止まる。その子にゆっくりと魔導を流すと、ほんわりと赤茶色に灯った。
「う、わあ」
「茶色いー」
「土の精霊は、この赤茶。綺麗な赤茶色でしょう」
鮮やかな赤茶に発光したその光が、子供たちの瞳に映った。
「きれいだねー」
「精霊なの?」
流石に色しか見られないか、子供たちは色のことしか言わない。フィリィから見ると、精霊は手足があって人型だが、丸い羽がくっついている。エレディナのように羽がなくても飛べるわけではないのだ。
「この子は土の精霊だから、外に行く時にたまにいるんだよ。今日は特別姿を見せてくれました。精霊は自然も好きだけど、音楽や賑やかなところも好きで、嫌いなことは汚されること。あと乱暴にされるのも嫌い。みんなに見えなくても、精霊は近くにいるから、大事にしてね。精霊がいなくなると、たくさんの生き物が弱くなって、死んじゃうから」
「死んじゃうの?」
「精霊がいなくなったら、私たちも生きていけないよ。お野菜ができなくなったら、食べるものがなくなっちゃう。お水が汚れたら、飲むことができなくなっちゃう。精霊が綺麗にしようとしても、みんながもっと汚くしちゃったら、精霊も嫌になっちゃうでしょう? そうやってみんなが大切にしないと、精霊も私たちも、生きていけなくなるからね」
子供たちは目をしっかりと見開いて、フィリィの話に頷いた。精霊がそれに賛同するように瞬いている。
「はい、ありがとうね。来てくれて。みんな、お礼を言おうか」
「ありがとう!」
「ありがとおー!」
見えた? 見えた?
「見えたよ。ありがとう」
ふわりと浮いた精霊は、フィリィの指を離れると、その光を潜めた。もう子供たちには見えないだろう。子供たちは光が消えたことに残念がったが、精霊は子供の周りをふわふわ浮いている。見えなくて辛いのは、子供たちだけはないのだが。
精霊が目に見えれば、皆はもっと大切にしようと思うだろうが、ままならない。
『あいつ、来た』
ふいにヨシュアの声が響いて、フィリィは顔を上げた。
「はい、じゃあ、今日はここまでね。みんなでこれ分けて食べて」
持ってきたお菓子を子供たちに渡して、その場を後にすると、フィリィは旧市街から出た。
ロジェーニの情報によると、ニュアオーマは七日に一度だけ、同じ店に立ち寄ることが分かった。食べ物屋で肉を扱うのだが、焼いている間に良く店の前でのんびり世間話をしているらしい。昼頃を過ぎて、空いている店を狙っているらしく、時間は遅めだ。
ヨシュアの急かす声を聞きながら、フィリィはその店の近くへ進んだ。外向けに作られた店の前に、男が猫背気味に立っている。警備騎士の服は着ていたが、やけに皺だらけで、お尻から裾にかけてよれていた。上着の袖を肘上まで捲り上げる騎士なんて見たことない。
警備騎士は、街を守る者として、身なりもきちんとしなければならないのだが、何日も同じ服を着ているように見える。
あれで警備騎士総括局長と言われても、にわかに信じられない格好をしていた。だらしなさすぎる。ロジェーニが怒るわけだ。あれでは下の者に示しがつかない。
バルノルジがロジェーニにニュアオーマの話をしたところ、ロジェーニはかなり難色を示したそうだ。フィリィから聞いてほしいと言ったにも関わらず、ニュアオーマについては勧めたくないという態度をしたらしい。フィルリーネに対して、まともな対応をすると思えなかったのだろう。
確かに、あの格好はひどいな。ロジェーニは嫌いそう。
ニュアオーマはずっと店の前で立ったままだ。フィリィは近くの広場からその様子を窺った。腰掛けた場所から、ニュアオーマの横顔が見える。年は四十代前半。ぼさぼさの黒髪が後ろで跳ねたままで、寝起きのようだ。店主の焼いている肉に視線が釘付けだが、何かを話している。
「エレディナ、彼らの会話を聞ける?」
『分かったわ』
昼の時間ではないので、売り切れて焼いている肉がないのかもしれないが、屋台に持ってくる前に、大抵半分くらいは焼いておくものだ。夏の日差しもあるため、肉がすぐに悪くなってしまう。その割に、焼き時間が長いように思える。いくつも頼んでいるのだろうか。
「精霊のお祭りで、お星様みたいって、お父さんが言ってた」
「嘘だー、精霊は見えないんだぞ!」
「見えたって、言ってたもん!」
絵札で物語を聞かせていると、子供たちが精霊について話しはじめた。たまには本を読んであげるのもいいかと思い、簡単な絵を書いて物語調にしたのだが、これがウケがいい。
子供たちは、真剣にフィリィの持つ木札の絵を見つめて、話に夢中になった。
精霊が大切であること、見えなくても共存していること。そんなことを子供の頃から知ってほしい。精霊については親から聞くだろうが、実際見ることはないので、存在があるかないかと言われれば、街の人間は闇の精霊しか思い付かない。しかし、闇の精霊はその形態から、虫とか魔獣扱いである。
それでも、精霊の力を信じるのは、魔鉱石や魔導の雫が不思議なものだからだ。そして、天にはマリオンネがある。浮島を見たことのある者たちにとって、精霊は見えなくとも、マリオンネの浮島は、神に近しいものだった。
「精霊が見えることもあるでしょう。闇の精霊は、見たことない?」
「ないー。窓閉めちゃうから」
それもそうか。街の家の窓は木でできており、ガラス張りの窓は、平民でも上級の生活をしている者たちぐらいからしか使用しない。貧民街では皆無だ。旧市街はガラスを使用していないので、渡りの夜中に闇の精霊を見ることもできない。
精霊は生活に密接しているが、実感することはないと思うと、残念な気がしてならない。人混みが好きな精霊は、案外その辺をうろついている。この旧市街でも見ることはあった。水辺で水浴びをしている子供たちの傍で、羽を濡らしている精霊もいるのだが。
「精霊に、色があることは、知ってるよね?」
「知ってるー。黒」
「たくさんだよ」
「赤、青、黄色」
うむ。あまりよく分かっていないのが分かった。これは精霊の色図鑑でも作った方がいい気がする。絵本でも作って、場所によってどんな精霊がいるか描こうか。
新しい商品を考えながら、フィリィは指を一本立ててみる。そこの、ほんの少しだけ日があたっている土壁で、日光浴をしている子に協力を願おう。
「土の精霊が何色か、知っている子はいるかな?」
「分かんない」
「俺、知ってるよ。茶色だよ!」
「土が茶色いから?」
わいのわいのと、子供たちが色を言いはじめる。その色の微妙な違いが、精霊の属性であることは知らない。これは商品化だな。
「茶は茶でも、薄くもなく、濃くもない、赤みのある茶色だよ。ちょっと、呼んでみましょうか」
「呼ぶ?」
子供たちがきょとんとした顔を見せた。周囲を見回しつつ、大人がいないことを確認して、フィリィはすぐ側の土壁の上で転がっている精霊を、指で手招きする。
おいでおいでと呼ぶと、一匹の精霊がふわふわと近付いてきた。精霊の光は魔導だが、力の弱い魔導士では見ることができない、特別な魔導だ。色があっても、力のない魔導士からすれば、不思議な魔導があると感じるだけ。
しかし、手伝ってやれば、精霊はその姿を現すことができた。前の祀典の時のように、魔導に乗って精霊たちを呼んだ時がそれだ。
ふわふわ近付いた精霊は、フィリィの指にピタリと止まる。その子にゆっくりと魔導を流すと、ほんわりと赤茶色に灯った。
「う、わあ」
「茶色いー」
「土の精霊は、この赤茶。綺麗な赤茶色でしょう」
鮮やかな赤茶に発光したその光が、子供たちの瞳に映った。
「きれいだねー」
「精霊なの?」
流石に色しか見られないか、子供たちは色のことしか言わない。フィリィから見ると、精霊は手足があって人型だが、丸い羽がくっついている。エレディナのように羽がなくても飛べるわけではないのだ。
「この子は土の精霊だから、外に行く時にたまにいるんだよ。今日は特別姿を見せてくれました。精霊は自然も好きだけど、音楽や賑やかなところも好きで、嫌いなことは汚されること。あと乱暴にされるのも嫌い。みんなに見えなくても、精霊は近くにいるから、大事にしてね。精霊がいなくなると、たくさんの生き物が弱くなって、死んじゃうから」
「死んじゃうの?」
「精霊がいなくなったら、私たちも生きていけないよ。お野菜ができなくなったら、食べるものがなくなっちゃう。お水が汚れたら、飲むことができなくなっちゃう。精霊が綺麗にしようとしても、みんながもっと汚くしちゃったら、精霊も嫌になっちゃうでしょう? そうやってみんなが大切にしないと、精霊も私たちも、生きていけなくなるからね」
子供たちは目をしっかりと見開いて、フィリィの話に頷いた。精霊がそれに賛同するように瞬いている。
「はい、ありがとうね。来てくれて。みんな、お礼を言おうか」
「ありがとう!」
「ありがとおー!」
見えた? 見えた?
「見えたよ。ありがとう」
ふわりと浮いた精霊は、フィリィの指を離れると、その光を潜めた。もう子供たちには見えないだろう。子供たちは光が消えたことに残念がったが、精霊は子供の周りをふわふわ浮いている。見えなくて辛いのは、子供たちだけはないのだが。
精霊が目に見えれば、皆はもっと大切にしようと思うだろうが、ままならない。
『あいつ、来た』
ふいにヨシュアの声が響いて、フィリィは顔を上げた。
「はい、じゃあ、今日はここまでね。みんなでこれ分けて食べて」
持ってきたお菓子を子供たちに渡して、その場を後にすると、フィリィは旧市街から出た。
ロジェーニの情報によると、ニュアオーマは七日に一度だけ、同じ店に立ち寄ることが分かった。食べ物屋で肉を扱うのだが、焼いている間に良く店の前でのんびり世間話をしているらしい。昼頃を過ぎて、空いている店を狙っているらしく、時間は遅めだ。
ヨシュアの急かす声を聞きながら、フィリィはその店の近くへ進んだ。外向けに作られた店の前に、男が猫背気味に立っている。警備騎士の服は着ていたが、やけに皺だらけで、お尻から裾にかけてよれていた。上着の袖を肘上まで捲り上げる騎士なんて見たことない。
警備騎士は、街を守る者として、身なりもきちんとしなければならないのだが、何日も同じ服を着ているように見える。
あれで警備騎士総括局長と言われても、にわかに信じられない格好をしていた。だらしなさすぎる。ロジェーニが怒るわけだ。あれでは下の者に示しがつかない。
バルノルジがロジェーニにニュアオーマの話をしたところ、ロジェーニはかなり難色を示したそうだ。フィリィから聞いてほしいと言ったにも関わらず、ニュアオーマについては勧めたくないという態度をしたらしい。フィルリーネに対して、まともな対応をすると思えなかったのだろう。
確かに、あの格好はひどいな。ロジェーニは嫌いそう。
ニュアオーマはずっと店の前で立ったままだ。フィリィは近くの広場からその様子を窺った。腰掛けた場所から、ニュアオーマの横顔が見える。年は四十代前半。ぼさぼさの黒髪が後ろで跳ねたままで、寝起きのようだ。店主の焼いている肉に視線が釘付けだが、何かを話している。
「エレディナ、彼らの会話を聞ける?」
『分かったわ』
昼の時間ではないので、売り切れて焼いている肉がないのかもしれないが、屋台に持ってくる前に、大抵半分くらいは焼いておくものだ。夏の日差しもあるため、肉がすぐに悪くなってしまう。その割に、焼き時間が長いように思える。いくつも頼んでいるのだろうか。
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