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婚約するようです
謁見
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ケヨンsideです!
ユリアが丁度ユーリとお茶会と言う名の腹の探り合い?をしていた時くらいです
ーーーーーーーーーーーーー
憂鬱なのは私とて同じだ…
そう思うのには勿論理由がある。
なぜ、可愛い愛娘を肉食な狼とわかっている、あの若僧にやらねばならんのだ…
ピクニックでの殿下の態度には大いに驚いたが、それがユリアに対するものだと考えてしまえば納得してしまうことにも怒りを覚える。
「はぁ…」
今回のユリアの呼び出しは十中八九、殿下のきまぐれ…いや、戯れと。それとアイツのロクでもない考えに違いない、
「…はぁ」
子が子なら親も親か…
親子揃って曲者揃いのラージェネ王家は敵に回すと本当に恐ろしい。だが、味方であっても、こうもきまぐれという奴で振り回されることに対してもいい気はしないのだが
何故だかわからんが
「…嫌な予感しかしないな」
これから謁見する陛下との会話内容を考えただけでも胃が痛い
っと言ってもこの前の襲撃の件が主な話し合いと考えてはいるが、何故だかそれだけでは無いと想定している。
いや、むしろ確信だな
だが、それでも曲がりなりにもこの国の王であり、あの王太子の親である
予感は確かにあるがあくまで予感だ…
…そう、予感だ…予感のはずだ…
だからこそ襲撃者の件だけでも空気を読んだ話し合いになればいいが…
そうこう考えながら歩いていると
豪華な扉が見えてきた。謁見の間だ
歩を止めると控えていた兵士に取り次ぎを促した
扉の中に入っていた兵士は数分もしないうちに戻ってきて
「お入りください!陛下がお待ちです」
扉を開けたことを確認すると頷いて
足を進めた
「おぉ、きたかきたか!」
あぁ…軽いな…息子狙われたのになんでこんなに軽いんだ…
「お呼びとの事で拝謁しに馳せ参じました」
あくまで職務的な会話をする気しか無いと態度で示すと、ガハハっと豪快に笑った陛下に冷めた目線を送ったのは仕方ない
「まぁ、そう硬くなるな。今日お前を呼んだのには確かに例の件もあるがもう一つ話があってな」
「例の件だけお聞きしたいですね。他の話など興味がございません」
不敬かって?これくらいの嫌味で崩れるほどの関係では無いと知ってるからこその反論だ
「さて、…娘はどうしたんだ?」
「王太子に貸してやってますよ、返品厳守ですがね」
「これは分厚い壁になりそうだな」
ポツリと漏らした王の声を無視してケヨンは問いかける
「ところで無駄話は置いておいて例の件について」
そう言うと先ほどまでの親として、友としての顔が無かったかのように顔を強張らせた、こいつはまさに王の威厳で満ち溢れていた
「あぁ…そうだな、結論から言おう。今回の襲撃者は帝国側の仕業だな」
帝国…それはここラージェネ王国と隣接したアガネア大陸に位置する軍事国家である
ラバルズ帝国、その帝国では裕福では無いが生活には困らない程度に国庫は潤っているが、ラージェネ王国とは違い魔法、魔術を駆使する者がほとんどいない。
それは国の地形からか、元素が枯渇しているからである
だからと言ってラージェネ王国に来れば魔法、魔術が扱えるわけではなく、永くに渡る時間が彼らの人体を構成する段階で魔術を不要とした成形になってしまい、扱える者が限りなく少ないのだ
だが、魔術を補うかのごとくこの国では化学的な生物実験、人体実験が行われており、今では魔法無くして人体だけで空を飛ぶことを始め、鉄の塊が空を飛ぶことすら出来るほどだ。
そして極め付けに帝国民はラージェネ国民を得体の知れない者と決めつけては、若い娘や子供を攫っては闇市で売るなど、ラージェネ王国としては目の上のたんこぶ的な存在である
そんな帝国がこの国の王太子であるユーリアス殿下のお命を狙う理由は一つ
それはユーリアス殿下はこの国の王太子ということもあるが、もう一つ大きな理由はその満ち溢れた魔力である
ユーリアス殿下の魔力はひとりで平均的な魔術師5.6人ほど持っている
つまりは王国の王太子として、また魔術師としては鏡のようなその存在を消すことによって帝国はこの国に戦争を仕掛けようと仮初めの和平状態の水面下で模索しているのだ
「帝国の…明確な証拠は見つかったのですか?」
「あぁ…ユーリが返り討ちにしたやつの持ち物から帝国の領土内でしか咲かないと言われているシナツメ草が見つかった」
「それだけでは明確な証拠とは言えないのでは?なんらかの方法で手に入れたという考えに至る者も居るかと」
「わかっている。もちろんそれだけではないんだ、研究所の連中が言うにはその襲撃者の衣類から帝国特有の化学実験で使用されたと思われる物質の反応が感知された」
「…それはまた…」
「だが、問題はここからでな、その感知された物質は魔法、魔術を使用する際に使われる魔力や元素に反応して消滅するらしくてな、報告された1.2時間後にはその反応もなくなった」
「なんとも姑息…いえ、大胆ともいえるやり方ですね」
「ユーリには全て伝えてあるがアイツはユリア嬢に真実を言うとは思えん、適当に流すだろう」
「当たり前です、あの子にこんな血生臭い話など聞かせたくもない…」
はぁ…と、どちらからか分からないため息が漏れた
「ユリア嬢はどうなんだ?」
陛下は口を開いたと思ったらそれは娘のことを心配して尋ねてきた
「あくまで気にしてない素振りを見せていますが本音は気になっているのでしょう、今日もここに来る途中、殿下の元へ送っていた時に王城の内観を見ながらも何か考える素振りでしたしね」
「そうか…」
さて、そろそろ頃合いか
そう思い口を開こうとすると
「そういえば、もう一つ話があったんだったな」
重い空気とは打って変わって、その声は明るくイタズラを仕掛ける子供のように楽しそうな顔をしていた
あぁ…嫌な予感ほど当たると言うが…
「…そろそろ失礼させていただく…「まぁまて、まだ話は終わってない」」
逃げろと脳が叫んでいるが身体が動かない、
これから何を言われるか考えたくもなく、キリキリと痛み感じた胃を抑えながら、
陛下と目を合わせた
ーーーーーーーーーーーーー
ケヨンは見事に自分でフラグを建て自分でフラグを回収しましたね笑
お気に入り登録がこんなに…!!
多くの方に見ていただいて光栄です!
感想お待ちしてます!
ユリアが丁度ユーリとお茶会と言う名の腹の探り合い?をしていた時くらいです
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そう思うのには勿論理由がある。
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ピクニックでの殿下の態度には大いに驚いたが、それがユリアに対するものだと考えてしまえば納得してしまうことにも怒りを覚える。
「はぁ…」
今回のユリアの呼び出しは十中八九、殿下のきまぐれ…いや、戯れと。それとアイツのロクでもない考えに違いない、
「…はぁ」
子が子なら親も親か…
親子揃って曲者揃いのラージェネ王家は敵に回すと本当に恐ろしい。だが、味方であっても、こうもきまぐれという奴で振り回されることに対してもいい気はしないのだが
何故だかわからんが
「…嫌な予感しかしないな」
これから謁見する陛下との会話内容を考えただけでも胃が痛い
っと言ってもこの前の襲撃の件が主な話し合いと考えてはいるが、何故だかそれだけでは無いと想定している。
いや、むしろ確信だな
だが、それでも曲がりなりにもこの国の王であり、あの王太子の親である
予感は確かにあるがあくまで予感だ…
…そう、予感だ…予感のはずだ…
だからこそ襲撃者の件だけでも空気を読んだ話し合いになればいいが…
そうこう考えながら歩いていると
豪華な扉が見えてきた。謁見の間だ
歩を止めると控えていた兵士に取り次ぎを促した
扉の中に入っていた兵士は数分もしないうちに戻ってきて
「お入りください!陛下がお待ちです」
扉を開けたことを確認すると頷いて
足を進めた
「おぉ、きたかきたか!」
あぁ…軽いな…息子狙われたのになんでこんなに軽いんだ…
「お呼びとの事で拝謁しに馳せ参じました」
あくまで職務的な会話をする気しか無いと態度で示すと、ガハハっと豪快に笑った陛下に冷めた目線を送ったのは仕方ない
「まぁ、そう硬くなるな。今日お前を呼んだのには確かに例の件もあるがもう一つ話があってな」
「例の件だけお聞きしたいですね。他の話など興味がございません」
不敬かって?これくらいの嫌味で崩れるほどの関係では無いと知ってるからこその反論だ
「さて、…娘はどうしたんだ?」
「王太子に貸してやってますよ、返品厳守ですがね」
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ポツリと漏らした王の声を無視してケヨンは問いかける
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そう言うと先ほどまでの親として、友としての顔が無かったかのように顔を強張らせた、こいつはまさに王の威厳で満ち溢れていた
「あぁ…そうだな、結論から言おう。今回の襲撃者は帝国側の仕業だな」
帝国…それはここラージェネ王国と隣接したアガネア大陸に位置する軍事国家である
ラバルズ帝国、その帝国では裕福では無いが生活には困らない程度に国庫は潤っているが、ラージェネ王国とは違い魔法、魔術を駆使する者がほとんどいない。
それは国の地形からか、元素が枯渇しているからである
だからと言ってラージェネ王国に来れば魔法、魔術が扱えるわけではなく、永くに渡る時間が彼らの人体を構成する段階で魔術を不要とした成形になってしまい、扱える者が限りなく少ないのだ
だが、魔術を補うかのごとくこの国では化学的な生物実験、人体実験が行われており、今では魔法無くして人体だけで空を飛ぶことを始め、鉄の塊が空を飛ぶことすら出来るほどだ。
そして極め付けに帝国民はラージェネ国民を得体の知れない者と決めつけては、若い娘や子供を攫っては闇市で売るなど、ラージェネ王国としては目の上のたんこぶ的な存在である
そんな帝国がこの国の王太子であるユーリアス殿下のお命を狙う理由は一つ
それはユーリアス殿下はこの国の王太子ということもあるが、もう一つ大きな理由はその満ち溢れた魔力である
ユーリアス殿下の魔力はひとりで平均的な魔術師5.6人ほど持っている
つまりは王国の王太子として、また魔術師としては鏡のようなその存在を消すことによって帝国はこの国に戦争を仕掛けようと仮初めの和平状態の水面下で模索しているのだ
「帝国の…明確な証拠は見つかったのですか?」
「あぁ…ユーリが返り討ちにしたやつの持ち物から帝国の領土内でしか咲かないと言われているシナツメ草が見つかった」
「それだけでは明確な証拠とは言えないのでは?なんらかの方法で手に入れたという考えに至る者も居るかと」
「わかっている。もちろんそれだけではないんだ、研究所の連中が言うにはその襲撃者の衣類から帝国特有の化学実験で使用されたと思われる物質の反応が感知された」
「…それはまた…」
「だが、問題はここからでな、その感知された物質は魔法、魔術を使用する際に使われる魔力や元素に反応して消滅するらしくてな、報告された1.2時間後にはその反応もなくなった」
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「ユーリには全て伝えてあるがアイツはユリア嬢に真実を言うとは思えん、適当に流すだろう」
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はぁ…と、どちらからか分からないため息が漏れた
「ユリア嬢はどうなんだ?」
陛下は口を開いたと思ったらそれは娘のことを心配して尋ねてきた
「あくまで気にしてない素振りを見せていますが本音は気になっているのでしょう、今日もここに来る途中、殿下の元へ送っていた時に王城の内観を見ながらも何か考える素振りでしたしね」
「そうか…」
さて、そろそろ頃合いか
そう思い口を開こうとすると
「そういえば、もう一つ話があったんだったな」
重い空気とは打って変わって、その声は明るくイタズラを仕掛ける子供のように楽しそうな顔をしていた
あぁ…嫌な予感ほど当たると言うが…
「…そろそろ失礼させていただく…「まぁまて、まだ話は終わってない」」
逃げろと脳が叫んでいるが身体が動かない、
これから何を言われるか考えたくもなく、キリキリと痛み感じた胃を抑えながら、
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