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ラビリンス・ランデブー

人よ、愛せよ、恋せよ。

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愛とは、なんだと思う?

恋とは、なんだと思う?


どちらの方が気持ちが強くて、
どちらの方が美しいものなのだろうか。


一般的には、
好きよりも愛してるの方が、
気持ちが強いものであるとされているのだが、
僕はどうも、逆のように感じて仕方がない。


愛する事は誰にでもできる。
なぜなら、愛とは確かな概念がないからだ。

愛とは、様々な捉え方が存在する。

恋愛としての愛。

友情としての愛。

隣人としての愛。

家族としての愛。

慈しみとしての愛。

尊敬としての愛。


どれも、等しく愛なのだ。

優劣など、つけられるはずもない。


「僕はあなたを愛している。」


簡単なことだ。

相手を、ただ、
認識するだけで成り立ってしまうのだから。


僕があなたを認識するだけで、
隣人愛が生まれる。

あなたが、僕を慕ってくれるだけで、友愛が生まれる。


愛は、何にも変えがたいものであり、
同時に、何にでも変わることが出来てしまうものなのだ。


それに比べて、恋とはなんだ?

本人にも自覚が難しいそれは、
愛よりもまた厄介なものであるに違いない。


恋もまた、境目がないのだ。


何処から何処までが、
愛で、恋なのだろうか。

考え出したらきりがない。

恋は、一般的にいうと、
相手を欲しいと思うかどうかなのではないかと僕は思う。

相手に対して、
収まりきらない欲求があるかどうかだ。


手を繋ぎたい。

触れたい。

誰にも渡したくない。


そう思うかどうかなのではないか。

つまり、独占欲だ。

出来ないと分かっていても、
相手の全てを自分のものにしたい。


あまり美しい感情ではないかもしれないが、人間のその貪欲さは、悪くない。

求めることは、
決して悪いことではないのだ。


それで自分に気づくこともある。

変われることだってある。


恋をすると、
女の子は可愛くなると聞くだろう。

まさに、その通りだ。

相手に好かれたくて、自分を見て欲しくて、女の子は可愛くなるのだ。

変わろうとする、もしくは、
自分をもっと極めようとするその姿が、
可愛らしく見えるのだろう。

男の子だってそうだ。

自分を高めて、気になる女性を落とそうと、なんとか口説き文句を考える。

相手とのきっかけを作ろうと必死になる。

その姿が真剣だからこそ、
格好よく見えるのだろう。


人よ、恋をせよ。

愛を持て。


自分を愛し、誰かに恋せよ。


どんな相手だったとしても、
あなたは好きになったのだから、
恐れることはない。


突き進め。

当たって砕けよ。

砕け散れ。

そしてまた、恋をせよ。


恥じることはない。

その醜い感情があるからこその、
人なのだから。


人として、恋をせよ。


愛を知れ。


でも、それが簡単にできたら、
苦労はしないのだろう。


愛する事はこんなにも簡単なのに、
どうして恋をするのはこんなにも難しいのだろう。


嗚呼、苦しい。


なにかの魔法がかかったかのように、
ぽろっと恋に落ちれたのなら、
どれだけ幸福なことだろう。


僕の持っているこの愛は、
いつになったら恋に変わるのだろうか。


僕はこの愛がいつか、
小さくとも確かな恋に変わることを
密かに待ち望んでいる。




ご、よん、


さん、



に、




いち。
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