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第2章 WWM 〜世界魔法大戦〜
第24話 ルグアと仲間
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「なあ、クリム。敵増えてねぇか?」
敵が密集するところの中心で、全ての攻撃を受けながら、ルグアは立ち止まっていた。
レベル1000垓が多い外国人プレイヤーだが、彼女が受けるダメージは、とても少ない。
けれども、それは1人平均なだけであって、実際は減りが早く、1対1000万という相手するには難しい状態だ。
自らも剣でダメージを与える。やはり、HPが高い人もいて、倒すのに手間がかかる。
隣で火を吹き援護するクリムは、
〖もしや、裏切られたとはな。きっとそれが原因かもしれぬ〗
と言って、次々と焼き焦がす。色とりどりのポリゴンとして消える敵。
なぜか分からないが、藤色のポリゴンもあった。裏切りとはこのことだろう。人が多く顔をよく見れないため、日本人か外国人かの判断が難しい。
でも、基本的な戦い方が空中戦のクリムが言うなら、長年ボスとしての経験を考えると、受け入れたくないが、そうなのかもしれない。
いくらダメージが少なくても、棒立ちでは駄目だ。私は剣で薙ぐ。
勘を使うには、まず剣の重さに馴れなければ、味方を傷つけてしまう。
そんな中、裏切る行為をしなかった唯一の仲間。ルクス、ガイア、セレス、ガロン、クリム、努、彰、藍。この8人だけでも、心強い。
ルグアは、全てを背負う大将の地位にいると考え、世界ランキング最下位の日本を押し上げることにした。
◇◇◇◇◇◇
――バサッ!!
弓を構える彰に誰かがぶつかった。ほんの少しの痛みを感じ、近くを探すと、
「狙いを定めているところ、申し訳ないです。前をしっかり見るのを忘れていたので、わたしが悪いです」
ガロンが頭を下げる。彼女は、背中に重そうな銃を背負っていた。そんなガロンに最初の疑問。
「ガロンさん、どうしてボクのところに?」
「ルグアさんの命令です。『大まかな武器種が同じ、または、攻撃と回復役の組み合わせが良い』と言っているので来たんです」
確かに、ボクとガロンは同じ遠距離武器。そして同じエルフ。他の人に内緒にしていたが、彰の背中に羽根がある。
ルグアさんはそこまで計算し答えを導き出して…………。感心しながら、弓に矢をセット、弦を引き絞って放つ。
ガロンも銃弾を装填すると、乱れ打ちで加勢する。
◇◇◇◇◇◇
広い荒れ地に1つだけある湖のほとりで、反対側から飛んでくる槍を避けながら、藍は魔法で応戦中。
槍は一直線で地面に突き刺さり、それを引き抜くと特殊毒を付与させて、投げる。
「日本……。毎回負けてるから、本当にだいじょうぶなのかなぁ~。りんりんが考えた作戦、成功すればいいなぁ~」
半信半疑で的にヒットさせていく藍。リアルとの違いに今でも戸惑いながら、全力で戦うことにした。
◇◇◇◇◇◇
「ガイアさん、回復は任せてください!!」
「はい、お願いします。私もセレスさんに攻撃が当たらないよう、頑張ります。作戦通りにいきましょう」
2人は、湖から10km離れた草原で、地上と空中に別れて多くの敵を抑制していた。
押し寄せる相手を弾き、打撃攻撃で、一時的に行動不能にしていくガイア。
そして、彼を回復でアシストするセレス。これも全て、ルグアの勘とゲーマーとしての知識で決まったチーム。
確かに効率がいい。ルクスの妹は、セレスが使う回復魔法の平均回復量まで見破っていたのだから、勘の鋭さに唖然とした。
「ガイアさん!! 次が来ます!!」
セレスの言葉で現状を思い出し、斧を構える。
(敵は、たくさんいる。少しでもルグアの方に…………)
なだれ込む人を一掃するため、彼は勢いよく振りかぶった。
◇◇◇◇◇◇
ルクスは、妹がいる場所から100km北に位置する山嶺で、努とともに、トラップ作戦を決行していた。
この場所の奥には、敵の本拠地――つまり、臨時リスポーン地点がある。
妹が言うには、拠点から移動する際、必ず通る道に仕掛ければ、遅延させる確率が上がるとのこと。
トラップを設置する注意点の1つに、自分が引っかかってはならない。
エルフのルクスは、少しだけ宙に浮き、慎重に道具を置いていく。記憶力の高い努の的確な指示で、作業は着々と進む。
「ルクスさん、さっきルグアさんから、通信魔法で連絡が来ました」
通信魔法とは、名前からわかるように、報告手段として使うものだ。
彼女は、たったの1日でこの魔法を発声せずに、唱えることができるようになった。
藍に聞いたことよると、妹は世界で唯一どんな難しいゲームでも、最短3日で攻略してしまうのだとか。
【アンゲームブラスター】または、無敵のプレイヤー。彼女の実力が計り知れないのは、纏うオーラから気づいていた。
兄なのに、ゲームでは頼りない俺。いつまでも、怖がってモタモタしているわけにはいかない。
もうすぐ、リスポーンプレイヤーが、近づいてくる。
ルクスは、速くなる鼓動と大きくなる恐怖を片隅に押しやり、トラップの内側で努と待ち伏せる。
妹が、俺と努の相性を伝えた時は驚いたが、きっと優勢に戦える理由がある。
――ドドドドドォォォ…………!!
山の裏手から聴こえる足音。ルクスたちの戦いは、まだ始まったばかりだ。
敵が密集するところの中心で、全ての攻撃を受けながら、ルグアは立ち止まっていた。
レベル1000垓が多い外国人プレイヤーだが、彼女が受けるダメージは、とても少ない。
けれども、それは1人平均なだけであって、実際は減りが早く、1対1000万という相手するには難しい状態だ。
自らも剣でダメージを与える。やはり、HPが高い人もいて、倒すのに手間がかかる。
隣で火を吹き援護するクリムは、
〖もしや、裏切られたとはな。きっとそれが原因かもしれぬ〗
と言って、次々と焼き焦がす。色とりどりのポリゴンとして消える敵。
なぜか分からないが、藤色のポリゴンもあった。裏切りとはこのことだろう。人が多く顔をよく見れないため、日本人か外国人かの判断が難しい。
でも、基本的な戦い方が空中戦のクリムが言うなら、長年ボスとしての経験を考えると、受け入れたくないが、そうなのかもしれない。
いくらダメージが少なくても、棒立ちでは駄目だ。私は剣で薙ぐ。
勘を使うには、まず剣の重さに馴れなければ、味方を傷つけてしまう。
そんな中、裏切る行為をしなかった唯一の仲間。ルクス、ガイア、セレス、ガロン、クリム、努、彰、藍。この8人だけでも、心強い。
ルグアは、全てを背負う大将の地位にいると考え、世界ランキング最下位の日本を押し上げることにした。
◇◇◇◇◇◇
――バサッ!!
弓を構える彰に誰かがぶつかった。ほんの少しの痛みを感じ、近くを探すと、
「狙いを定めているところ、申し訳ないです。前をしっかり見るのを忘れていたので、わたしが悪いです」
ガロンが頭を下げる。彼女は、背中に重そうな銃を背負っていた。そんなガロンに最初の疑問。
「ガロンさん、どうしてボクのところに?」
「ルグアさんの命令です。『大まかな武器種が同じ、または、攻撃と回復役の組み合わせが良い』と言っているので来たんです」
確かに、ボクとガロンは同じ遠距離武器。そして同じエルフ。他の人に内緒にしていたが、彰の背中に羽根がある。
ルグアさんはそこまで計算し答えを導き出して…………。感心しながら、弓に矢をセット、弦を引き絞って放つ。
ガロンも銃弾を装填すると、乱れ打ちで加勢する。
◇◇◇◇◇◇
広い荒れ地に1つだけある湖のほとりで、反対側から飛んでくる槍を避けながら、藍は魔法で応戦中。
槍は一直線で地面に突き刺さり、それを引き抜くと特殊毒を付与させて、投げる。
「日本……。毎回負けてるから、本当にだいじょうぶなのかなぁ~。りんりんが考えた作戦、成功すればいいなぁ~」
半信半疑で的にヒットさせていく藍。リアルとの違いに今でも戸惑いながら、全力で戦うことにした。
◇◇◇◇◇◇
「ガイアさん、回復は任せてください!!」
「はい、お願いします。私もセレスさんに攻撃が当たらないよう、頑張ります。作戦通りにいきましょう」
2人は、湖から10km離れた草原で、地上と空中に別れて多くの敵を抑制していた。
押し寄せる相手を弾き、打撃攻撃で、一時的に行動不能にしていくガイア。
そして、彼を回復でアシストするセレス。これも全て、ルグアの勘とゲーマーとしての知識で決まったチーム。
確かに効率がいい。ルクスの妹は、セレスが使う回復魔法の平均回復量まで見破っていたのだから、勘の鋭さに唖然とした。
「ガイアさん!! 次が来ます!!」
セレスの言葉で現状を思い出し、斧を構える。
(敵は、たくさんいる。少しでもルグアの方に…………)
なだれ込む人を一掃するため、彼は勢いよく振りかぶった。
◇◇◇◇◇◇
ルクスは、妹がいる場所から100km北に位置する山嶺で、努とともに、トラップ作戦を決行していた。
この場所の奥には、敵の本拠地――つまり、臨時リスポーン地点がある。
妹が言うには、拠点から移動する際、必ず通る道に仕掛ければ、遅延させる確率が上がるとのこと。
トラップを設置する注意点の1つに、自分が引っかかってはならない。
エルフのルクスは、少しだけ宙に浮き、慎重に道具を置いていく。記憶力の高い努の的確な指示で、作業は着々と進む。
「ルクスさん、さっきルグアさんから、通信魔法で連絡が来ました」
通信魔法とは、名前からわかるように、報告手段として使うものだ。
彼女は、たったの1日でこの魔法を発声せずに、唱えることができるようになった。
藍に聞いたことよると、妹は世界で唯一どんな難しいゲームでも、最短3日で攻略してしまうのだとか。
【アンゲームブラスター】または、無敵のプレイヤー。彼女の実力が計り知れないのは、纏うオーラから気づいていた。
兄なのに、ゲームでは頼りない俺。いつまでも、怖がってモタモタしているわけにはいかない。
もうすぐ、リスポーンプレイヤーが、近づいてくる。
ルクスは、速くなる鼓動と大きくなる恐怖を片隅に押しやり、トラップの内側で努と待ち伏せる。
妹が、俺と努の相性を伝えた時は驚いたが、きっと優勢に戦える理由がある。
――ドドドドドォォォ…………!!
山の裏手から聴こえる足音。ルクスたちの戦いは、まだ始まったばかりだ。
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