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第4章
第6話 レストランにて②
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「ドリアです。ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
ガロンが帰って少しした時に俺たちところへドリアが届いた。中央にミートソースがかかっていて、手をかざすと熱を感じる。スプーンですくうと下から米、クリームソース、ミートソースの順で三層になっていた。
「アレン食べないの?」
「いや、俺猫舌なんすよ。熱いの苦手で……」
「そうなんだ。だけど、このドリア熱い方が美味しいんだよ。私も熱いのはあまり得意じゃないけど、冷めると纏まりがなくなるから」
そう言ってルグアはハフハフしながら、順調に食べ進めていく。頬を膨らませて食べる彼女はとても可愛かった。
俺も少し冷ましては口へ運ぶ。思った以上に熱くて火傷しそうになったが、たしかにその方が美味しかった。
だけど、これだけでは少し足りない。それはルグアも同じだったようで、メニュー表を見始めている。俺も遅れて食べ終わらせ、メニュー表を開く。
エスカルゴのオーブン焼き……。エスカルゴって食用カタツムリだったはず。食べたことがないけど、ちょっと気になる。
「気になるなら頼んでいいよ?」
「エスカルゴのオーブン焼きっすか?」
「あ、それ私の好きなやつ」
「明理ってこういうの好きなんすね」
俺は注文用紙に数字を書き込む。ルグアもガロンが食べたショコラケーキの切り分けたものを一つ頼んだ。
料理は15分程で届いた。何故か小さいパンのようなものが2つ。ルグアはそれを一つ取ると半分に割って穴を空け始める。
そして、小さなスプーンでエスカルゴをすくうと、穴の中に入れて一口で食べた。からのドヤ顔。やっぱり可愛い。
「ほらアレンもやってみて」
「あ、はい。わかりやした」
俺はルグアが半分にして残った方を手に取り、穴を作る。それからスプーンでエスカルゴを一つ取って中へ。だけどそれが意外と難しく、細かく刻まれた野菜がポロポロ落ちていった。
それを見たルグアが手を出してきたので、パンを渡す。このパンはフォッカというらしい。だけど、エスカルゴ一つが限界の大きさだった。
少ししてルグアが俺に渡した時には、しっかりと具材が乗っかっていた。俺は軽く頭を下げて、一口で食べてみる。
食感は肉厚でほんのちょっと硬く、だけど噛めば噛むほど味が出てくる不思議な感じだった。パンも美味しくて、追加で頼みたいくらいだ。
「美味しいっすね……」
「でしょ」
「だけど、数合わなくないっすか?」
「ま、まあたしかに」
運ばれてきた容器に入ってるエスカルゴは7つ。フォッカは2つ。半分に分けるので4つ。3つ余る。
「そのまま食べてみる?」
「あ、はい……」
「スプーンはアレンが使っていいから」
「あざっす……」
その後俺はエスカルゴの乗せ方のコツを教わりながら食べた。ここの料理はとても美味しい。支払いはルグアがやってくれた。
思ったよりもお手頃価格で、また予想を裏切られてしまった。大金持ちとはいえ、庶民的な生活をしているようだ。
もっと散財しているかと思ったけど正反対で、お金を節約しているらしい。つまり、この後行くサバゲーでお金を使うのか?
店を出た俺たちはサバゲーのプレイスポットへと歩き始めた。電車とバスを乗り継ぎ、東京の広いエリアへ。
そこには、ルグアの家ほどではないが敷地面積が大きい場所だった。その敷地を囲うようにフェンスが置かれている。そして、弾丸が外に出ないように透明なビニールシートがかかっている。
「受付はこっちだよ。今日は5対5で予定してるから。あ、銃はレンタルしてるよ」
「ありがとうございます……」
(ここで俺がいいとこ見せないと。足引っ張ってる……)
俺たちは受付に移動する。そこにはレンタル用の銃がズラリと並んでいた。銃弾は自然由来のものを使用しており、時間が経つと土になるらしい。
サバゲーで遊ぶのはこれが初めて。だけど、これが混乱が始まるきっかけとなった。それは、遊び始めて30分後の出来事だった。
「ありがとうございます」
ガロンが帰って少しした時に俺たちところへドリアが届いた。中央にミートソースがかかっていて、手をかざすと熱を感じる。スプーンですくうと下から米、クリームソース、ミートソースの順で三層になっていた。
「アレン食べないの?」
「いや、俺猫舌なんすよ。熱いの苦手で……」
「そうなんだ。だけど、このドリア熱い方が美味しいんだよ。私も熱いのはあまり得意じゃないけど、冷めると纏まりがなくなるから」
そう言ってルグアはハフハフしながら、順調に食べ進めていく。頬を膨らませて食べる彼女はとても可愛かった。
俺も少し冷ましては口へ運ぶ。思った以上に熱くて火傷しそうになったが、たしかにその方が美味しかった。
だけど、これだけでは少し足りない。それはルグアも同じだったようで、メニュー表を見始めている。俺も遅れて食べ終わらせ、メニュー表を開く。
エスカルゴのオーブン焼き……。エスカルゴって食用カタツムリだったはず。食べたことがないけど、ちょっと気になる。
「気になるなら頼んでいいよ?」
「エスカルゴのオーブン焼きっすか?」
「あ、それ私の好きなやつ」
「明理ってこういうの好きなんすね」
俺は注文用紙に数字を書き込む。ルグアもガロンが食べたショコラケーキの切り分けたものを一つ頼んだ。
料理は15分程で届いた。何故か小さいパンのようなものが2つ。ルグアはそれを一つ取ると半分に割って穴を空け始める。
そして、小さなスプーンでエスカルゴをすくうと、穴の中に入れて一口で食べた。からのドヤ顔。やっぱり可愛い。
「ほらアレンもやってみて」
「あ、はい。わかりやした」
俺はルグアが半分にして残った方を手に取り、穴を作る。それからスプーンでエスカルゴを一つ取って中へ。だけどそれが意外と難しく、細かく刻まれた野菜がポロポロ落ちていった。
それを見たルグアが手を出してきたので、パンを渡す。このパンはフォッカというらしい。だけど、エスカルゴ一つが限界の大きさだった。
少ししてルグアが俺に渡した時には、しっかりと具材が乗っかっていた。俺は軽く頭を下げて、一口で食べてみる。
食感は肉厚でほんのちょっと硬く、だけど噛めば噛むほど味が出てくる不思議な感じだった。パンも美味しくて、追加で頼みたいくらいだ。
「美味しいっすね……」
「でしょ」
「だけど、数合わなくないっすか?」
「ま、まあたしかに」
運ばれてきた容器に入ってるエスカルゴは7つ。フォッカは2つ。半分に分けるので4つ。3つ余る。
「そのまま食べてみる?」
「あ、はい……」
「スプーンはアレンが使っていいから」
「あざっす……」
その後俺はエスカルゴの乗せ方のコツを教わりながら食べた。ここの料理はとても美味しい。支払いはルグアがやってくれた。
思ったよりもお手頃価格で、また予想を裏切られてしまった。大金持ちとはいえ、庶民的な生活をしているようだ。
もっと散財しているかと思ったけど正反対で、お金を節約しているらしい。つまり、この後行くサバゲーでお金を使うのか?
店を出た俺たちはサバゲーのプレイスポットへと歩き始めた。電車とバスを乗り継ぎ、東京の広いエリアへ。
そこには、ルグアの家ほどではないが敷地面積が大きい場所だった。その敷地を囲うようにフェンスが置かれている。そして、弾丸が外に出ないように透明なビニールシートがかかっている。
「受付はこっちだよ。今日は5対5で予定してるから。あ、銃はレンタルしてるよ」
「ありがとうございます……」
(ここで俺がいいとこ見せないと。足引っ張ってる……)
俺たちは受付に移動する。そこにはレンタル用の銃がズラリと並んでいた。銃弾は自然由来のものを使用しており、時間が経つと土になるらしい。
サバゲーで遊ぶのはこれが初めて。だけど、これが混乱が始まるきっかけとなった。それは、遊び始めて30分後の出来事だった。
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