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第1章 

第1-3-3話 ルグアはフルダイブ復帰勢

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 キラービー戦か。蜂系の敵だと言うことはわかるけど、第一層でのバトルはカウントされないし。身のこなしも下手だし。
 いくらアクロバットが上手くても、このバトルで活かせるかわからないし。それでも、戦わないとだから。

「着いたぞ!」
「「うわぁ~」」

 ――ジジジジジジジジジジジジジジ……。

 そこには50匹くらいのいや、それ以上のキラービーの群れがあった。ここで戦うのか……。俺は剣を装備する。

「キラービーはさっきも言ったように至近距離攻撃と中距離攻撃を巧みに使い分ける。だから気をつけて戦ってくれ」
「「はい!」」

 俺は、サクヤさんアヤメさんと一緒にキラービーの群れへと突っ込む。しかし、キラービーはそう簡単には近寄らせてくれなかった。

 ――ジジジジジジジジジジ……。
 ――ブシュ!

「きゃっ!? 毒噴射喰らっちゃった……」
「アヤメさん毒デバフは?」
「それは何とか回避出来たけど。怖い……。ベータテストにもあったけど。それよりも強く感じるんだおーーーー」
「ルグア団長!」

 俺は、アヤメさんを安全な場所に移動させるために、ルグア団長を呼ぶ。すると、ルグアは遠距離魔法を使ったのか、アヤメさんのHPを回復させた。
 どうやって把握したのだろうか? 対応が早すぎてびっくりしてしまった。そんな中でも、戦っているのがサクヤだった。
 見事な体重移動で敵を回避し、大きめの鉄槌でぶん殴る。俺とは戦闘スタイルが違う豪快な戦い方だ。

「サクヤ行きすぎだ! もう少し控えめにしろ!」
「ルグアさん!? どうして?」
「今私はは遠距離攻撃しかできないが……」
「なら手伝って下さいよ」
「そうっすよ」

 ルグア団長戦闘参戦できるんじゃん。でもなんでダメなんだろう? 普通に戦えばいいのに遠距離攻撃しかできないって。

「フルダイブゲーム自体久しぶりだからだよ。理由は後で説明する」
「そういえば、3年ほど活動休止してましたもんね」
「つまりそういうことだ」
「なるほどっす」

 そういうことだったのか……。少し納得できた。たしかに復帰で下手になる人もいれば、得意になる人もいる。
 だから、ルグアは支援にまわっているのだろう。至近距離戦も見たいけど、今は控えめにしておこう。

「ルグア団長。支援任せやした」
「おう!」

 すると、後方から赤い球体が複数飛んできた。ファイヤーボールだ。しかも、無詠唱で。30個も。どう考えてもフルダイブ復帰勢とは思えない攻撃だった。

「ルグア団長。俺達が倒す敵がいなくなるっすよ!」
「すまんすまん。手加減忘れてた。次は調整するよ。おっと。ここからはかなり危険になりそうだ。ここのキラービーは大人しいが、キラービークイーンとエンペラーの気配がしてきた」
「ビークイーン? エンペラー?」
「見ればわかるって。ほら近付いて来てるぞ!」
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