290 / 341
第3章 ダークファンタジー編
第3-EX話 暗闇の中で
しおりを挟む
◇◇◇明理目線◇◇◇
(思い切って言ってみたけど……)
これまでの経験から考えて、私の実力なら、この大人数相手でも防衛はできる。フォルテが目視で確認した想定人数は60万人。
そもそも、アルヴェリアはそこまで人口が多くない。むしろ、周りの国が大きすぎる。フォルテがいた時代があるとしても、アルヴェリアは一番新しい。
***昔のアルヴェリア***
『明理。そしてフォルテ。二人と別れる前に一つ伝えたいことがある』
『ユーラスさん? この世界には、アルヴェリアとは別に、ここよりも発展している国が4国ほど存在する』
『4国……ですか?』
『そんなにあったんかよ……』
『アルヴェリアはまだ誕生して間もない。いつかまたここに訪れた時は、ぜひそちらにも足を運ぶといい。
中でも我が懐かしき故郷。西国のアルスト。いずれ娘がそこの者とお見合いを予定していてな……』
***現在***
「アルスト……。アルスト……。アレストロ……。それと、レシフィナ・ライナス」
――ザシュン‼
「うッ⁉」
敵が私の身体を肉薄する。飛び散る赤い飛沫。これくらいなら、下級の回復魔法で治癒が可能。
しかし、注目は私一人に向けられているため、全部の攻撃が回ってくる。不死身であっても、瞬時に治癒できない。
持つとして残り180分。それまでに敵軍の侵攻を遅らせて、作戦会議の時間を延ばす。私は思考を巡らせる。サブマッピングはもう使えない。
「使えるのは勘だけ……。大型魔法を使えば、逆効果になる可能性が高い。アルストとの交友関係も……」
――マジックガトリング‼ マルチスタンバイ‼ 疾風‼ ラピッドフルファイア‼
――追加詠唱‼ Z+魔法 フィールドアイソレイ‼ マルチアクティベート‼
フィールドアイソレイ。私が範囲指定した場所を中心に、ドーム型の隔離エリアを生成する魔法。これで身動きを取れなくさせて、ガトリングで片付ける。
ドームの耐久度は私のコンディション次第。今は治癒と侵攻の抑制に力を入れるしかない。
「ちゃんと。ここで食い止めて見せるから。アレン。みんな……‼」
(思い切って言ってみたけど……)
これまでの経験から考えて、私の実力なら、この大人数相手でも防衛はできる。フォルテが目視で確認した想定人数は60万人。
そもそも、アルヴェリアはそこまで人口が多くない。むしろ、周りの国が大きすぎる。フォルテがいた時代があるとしても、アルヴェリアは一番新しい。
***昔のアルヴェリア***
『明理。そしてフォルテ。二人と別れる前に一つ伝えたいことがある』
『ユーラスさん? この世界には、アルヴェリアとは別に、ここよりも発展している国が4国ほど存在する』
『4国……ですか?』
『そんなにあったんかよ……』
『アルヴェリアはまだ誕生して間もない。いつかまたここに訪れた時は、ぜひそちらにも足を運ぶといい。
中でも我が懐かしき故郷。西国のアルスト。いずれ娘がそこの者とお見合いを予定していてな……』
***現在***
「アルスト……。アルスト……。アレストロ……。それと、レシフィナ・ライナス」
――ザシュン‼
「うッ⁉」
敵が私の身体を肉薄する。飛び散る赤い飛沫。これくらいなら、下級の回復魔法で治癒が可能。
しかし、注目は私一人に向けられているため、全部の攻撃が回ってくる。不死身であっても、瞬時に治癒できない。
持つとして残り180分。それまでに敵軍の侵攻を遅らせて、作戦会議の時間を延ばす。私は思考を巡らせる。サブマッピングはもう使えない。
「使えるのは勘だけ……。大型魔法を使えば、逆効果になる可能性が高い。アルストとの交友関係も……」
――マジックガトリング‼ マルチスタンバイ‼ 疾風‼ ラピッドフルファイア‼
――追加詠唱‼ Z+魔法 フィールドアイソレイ‼ マルチアクティベート‼
フィールドアイソレイ。私が範囲指定した場所を中心に、ドーム型の隔離エリアを生成する魔法。これで身動きを取れなくさせて、ガトリングで片付ける。
ドームの耐久度は私のコンディション次第。今は治癒と侵攻の抑制に力を入れるしかない。
「ちゃんと。ここで食い止めて見せるから。アレン。みんな……‼」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
データワールド(DataWorld)
大斗ダイソン
SF
あらすじ
現代日本、高校生の神夜蒼麻は、親友の玄芳暁斗と共に日常を送っていた。しかし、ある日、不可解な現象に遭遇し、二人は突如として仮想世界(データワールド)に転送されてしまう。
その仮想世界は、かつて禁止された「人体粒子化」実験の結果として生まれた場所だった。そこでは、現実世界から転送された人々がNPC化し、記憶を失った状態で存在していた。
一方、霧咲祇那という少女は、長らくNPCとして機能していたが、謎の白髪の男によって記憶を取り戻す。彼女は自分が仮想世界にいることを再認識し、過去の出来事を思い出す。白髪の男は彼女に協力を求めるが、その真意は不明瞭なままだ。
物語は、現実世界での「人体粒子化」実験の真相、仮想世界の本質、そして登場人物たちの過去と未来が絡み合う。神夜と暁斗は新たな環境に適応しながら、この世界の謎を解き明かそうとする。一方、霧咲祇那は復讐の念に駆られながらも、白髪の男の提案に悩む。
仮想世界では200年もの時が流れ、独特の文化や秩序が形成されていた。発光する星空や、現実とは異なる物理法則など、幻想的な要素が日常に溶け込んでいる。
登場人物たちは、自分たちの存在意義や、現実世界との関係性を模索しながら、仮想世界を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。果たして彼らは真実にたどり着き、自由を手に入れることができるのか。そして、現実世界と仮想世界の境界線は、どのように変化していくのか。
この物語は、SFとファンタジーの要素を融合させながら、人間の記憶、感情、そしてアイデンティティの本質に迫る壮大な冒険譚である。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
春空VRオンライン ~島から出ない採取生産職ののんびり体験記~
滝川 海老郎
SF
新作のフルダイブVRMMOが発売になる。 最初の舞台は「チュートリ島」という小島で正式リリースまではこの島で過ごすことになっていた。
島で釣りをしたり、スライム狩りをしたり、探険したり、干物のアルバイトをしたり、宝探しトレジャーハントをしたり、のんびり、のほほんと、過ごしていく。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
CombatWorldOnline~落ちこぼれ空手青年のアオハルがここに~
ゆる弥
SF
ある空手少年は周りに期待されながらもなかなか試合に勝てない日々が続いていた。
そんな時に親友から進められフルダイブ型のVRMMOゲームに誘われる。
そのゲームを通して知り合ったお爺さんから指導を受けるようになり、現実での成績も向上していく成り上がりストーリー!
これはある空手少年の成長していく青春の一ページ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる