リアゼノン・オンライン ~プレイ中のゲームから異世界に連行された俺は、多くの人に学ぶ中で最強を目指す。現在地球は大変だそうです

八ッ坂千鶴

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第3章 ダークファンタジー編

第57話 アレンはAランク、リィファンはBランク冒険者

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 ◇◇◇それから数ヶ月後 アレン目線◇◇◇

『おめでとうございます‼ アレンさんは本日よりAランクに。リィファンさんはBランクに昇格となります‼』

 満面の笑みで昇格祝いをする受付嬢。ルグアと一緒に来たメンバーは、それぞれSSランクに、ロムやレネル達もSランクに昇格している。
 歓喜に湧くギルド内。〝A〟以上の冒険者はとても希少のようで、大勢の人がジョッキを掲げる。

「おめっす‼ リィファン‼」
「先輩も……おめでとう……ございます」

 とても長いようで短かったランク上げ。壊滅状態だった都市も、チェリス達のおかげもあり急ピッチで進められた。

「酒ダチのやつ……。いったいどこに消えたんだよ……」
「フォルテ……。そうだよね……。あれからバレンの姿がないから……」
「そうなんだよ……。アグラスとも連絡つかねぇし。毎晩一人酒は飽きてきた……」
「うん……。保管していた〈レイベル酒〉も、全部燃料行きだったしね……」
「ああ……。5億本〈レイベル酒〉……」

 バレンに会えないことで、完全に落ち込んだフォルテ。結局のところ。彼は酒目当てだから、無視していいかもしれない。
 というか、ほんとお酒好きすぎじゃん‼ どんだけお酒飲めば気が済むん? ってか、5億本ってマジやばなんだけど‼
 何日かけて飲む気なの? 絶対1日じゃ飲みきれないよね? いや、フォルテお得意の〝わんこ酒〟なら……。って問題じゃない‼

 ――神器起動レジェンド・アクティベート シャドウゲート アクセスエリアシュトラウト‼

「この声って」

 どこかで聞いた懐かしい声。床がどんどん黒ずんでいくと、そこの中から出てきたのは……。

「……来てやった」
「『バレン‼』」
「フン。ロムも調子馬鹿も元気みたいだな」

 アレストロの王となったバレン、否。バレン・アレストロ王だった。全身に黒の鎧や漆黒のマント。その表情はとてもかっこいい。

 ――神器起動レジェンド・アクティベート ルミナスゲート アクセスエリアシュトラウト

「兄貴も来たか……」
「ジルグさんと約束してたんすか?」
「約束して何が悪ぃんだよ‼ 調子馬鹿‼」
「い、いやあ……。ナンモワルクハアリマセン……」

 鏡のようなワープゲートから、純白の羽衣を纏う男性。それは、ルナジェインを引き継いだバレンの兄。ジルグ・アレストロ。地位は〝皇帝〟。
 お偉いさん揃いじゃん‼ バレンもジルグさんも天の人だよ。誰も追いつけないって‼ 最強すぎじゃん‼

「あらら。お似合いじゃない。バレン王……」
「んだよメルフィ……。そういや。メルフィもシュトラウト女王になっ……」
「ええ、そうよ。お父様が引退されたから。けど、これで結婚はお預けね……」
「最初からするつもりねーよ‼」

 メルフィナさんも女王になったんだ……。なんか代替わりが激しい。ってか、よくすぐに決まるよね。マジで‼

「そうだ‼ 先輩‼ 今度自分リアグリフの補佐になることになって……」
「り、リィファン⁉」
「その……。パパの……お手伝いをすることに……」
「リーちゃんは?」

 リーちゃんというのは。リィファンのお姉さん。本名は、リナ・セシリア。彼女は闇の国エルフィレンナで、指導担当者だったけど……。

「ルーアさんの所在が不明で王がいなくなったので、お姉ちゃんが統一者になりました。お姉ちゃんとは、離れ離れで寂しいけど……」
「そうだったんすね……」
「きっとお姉ちゃんなら大丈夫。自分も頑張らないと‼」

 しばらく前よりも、ポジティブ思考になったリィファン。俺もずっと見てきたけど、対人恐怖症完全克服が近くなっていた。
 最初は、初めての人と話すのが苦手だった彼。それが今では積極的に話しかけている。ビールを要求する人に、酒を注げるほどに。

街人A『リィファン。随分顔色良くなったじゃねぇか』

「えへへっ……。おかわりどうですか?」

街人A『じゃ、お言葉に甘えて1杯‼』
街人B『リィファン君。こっちにも1杯頼めるかね?』

「了解しました。ちょっと待っててください‼」

 酒を組んでは運び。酒瓶持っては注ぎに行く。この変貌っぷりは想定外だった。だって、復興作業で一番働いてたのリィファンだし。
 その間にめちゃくちゃ友達作ってたし。どんどん実力つけていったからね……。もう、俺嬉しい。リィファンがここまでフレンドリーなって嬉しい。最高‼

「先輩? どうしたんですか?」
「り、リィファンいつの間に⁉」
「せっかく昇格したんですから。先輩‼ ルグアさんも一緒にクエスト行きたいです‼」
「それいいね‼ 私賛成‼」
「ルグアさん。便乗してる……」

 クエスト行く気満々のリィファンとルグア。俺はどうすればいいのやら。それに、リィファンとルグアが一緒に戦うのは、これが初めて。
 それなら、行った方がいいよね。その方がいいよね‼ ってか、誰がクエスト選ぶん? 先そっちじゃね?

『ねぇリィファン君は何がいい?』
『えーと……えーーーーと……』
『即決は無理か……。なら、このクエストはあどうかな?』

 いや、勝手にクエスト決めないでもらえません? ルグアもリィファンも、勝手んい決めないでもらえませんか?

「受付嬢さん。このクエストでお願いします‼ 参加者は私とリィファン。アレンの三人で」
『了解しました。こちらが控えになります』
「ありがとうございます‼ アレン‼ リィファン‼ 行くよ‼」
「先輩‼」
「は、はい‼ 今いきゃーーっす‼」
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