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第3章
第31話 都市復興作業
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◇◇◇アレン目線◇◇◇
「おはよう……。昨日はお疲れした……」
「おはようアレン」
「ルグアさん。そのくまは?」
「ちょっとね……。なかなか寝付けなくて……。普段寝ないことが多いから」
「そうなんすね……」
昨日は激しいバトルが展開されていた。寝る時は寝るというルグアでも、身体が言うことを効かなかったりするようだ。
対して俺はというと、いびきをしないで寝返りばかりうってたらしい。記憶にないから、実際どうなのか分からないけど。
「今日からは復興作業しないとだね……。それにしても、疲労が……」
「ルグアは休んでていいっすよ‼」
「そう? 私がいた方が早く済むと思うけど……」
「疲れてる時が一番危険っすから。休んでてください。どっちにしても建材集めしないとっすから‼」
「そうだよね……。じゃあそうするよ。アレンも無理しないでね」
「もちっす‼」
俺は、エルフィレンナの街から出る。入口にはリィファンやアグラスの姿があった。彼らは、真っ先に避難していたことで、怪我はなかったとの事。
俺とルグア、バレンの三人は全身切り傷やら、打撲やら負傷が酷かったけど、ルグアの治癒魔法で回復している。精神疲労は治らないが……。
「さて、建材集め行くっすよ‼」
「あの……。先輩大丈夫なんですか?」
「平気っすよ。リィファンも昨日は危ない目に遭わせてすんません……」
「いいですよ。今はパパが近くにいるから」
「パパ? もしかしてアグラスさん。リィファンに秘密を」
「悪ぃか? ガハハ。おれ様自慢の息子だからなぁ。リアグリフも復興せねば‼」
そうだった。リアグリフも陥落してたんだ。建物を直さないとだけど、必要な材料ってなんだろう?
俺達は、最初に水の都シュトラウトへ。そこには、メルフィナも駆けつけていた。メルフィナはシュトラウトの令嬢だ。
「メルフィナさん‼」
「あら、お久しぶりね。アレン君。それにリィファン君も、アグラスさんもご無沙汰してます」
「いやはや、令嬢さんは今日もお綺麗ですなぁ。ガハハハハハ‼」
「そう? 嬉しいわね……。バレンが暴れたと聞いたけど……」
「そうなんすよね……」
王家の魔法という、古代魔法とは違う特殊魔法を酷使したバレン。獣のような動きは、俺でも抑制するのが難しかった。
そして、ルグアにも影響を与えて、彼女の戦法を大きく変えた。そのレベルまで達したルグアは、直視もできなかった。光が強すぎた。
女神であればいい。それが魔女となれば俺でも対処できないから。めっちゃ強かったなぁ、団長も、バレンも。
「アレン君。こっち来て。明理ちゃんからの提案なんだけど」
「ルグアから?」
「そう」
メルフィナに呼ばれた。なんでメルフィナが俺を? なんかよくわかんないけど、オレはメルフィナのあとに続く。
シュトラウトの街は、多くの建物が倒壊していた。住めるような建築物が見当たらない。陥落して難が去り、メルフィナが来た時はこの有様とのこと。
普及には木材と、コンクリートの原料が必要。それらはこの近辺で入手可能で、うごける住民総勢で採集に勤しんでいた。
「酷いっすね……」
「そうね……。今回の災害で……、厄災と言った方がいいかしら。シュトラウト城を含めたほとんどの家屋が、襲撃の被害に遭ったわ」
「ほ、ほとんどの家屋っすか⁉」
「そうなの。住民の大半が避難生活を余儀なくされたわ。作物を育てていた畑も荒らされた。予備の食糧がいつまで持つかも、時間の問題よ……」
「大変っすね……」
食糧難に陥っていたのは、俺としても最悪だ……。成長期だし。いや待って、エルフィレンナから調達すれば‼
けど、エルフィレンナは俺の生活拠点だけど、他の都市に力を貸してくれるとは、到底思えない。食糧の在庫は山ほどあるけど……。
盗み食いはダメだよね。俺はしないよ盗み食い。よくお母さんが作った夕食、つまみ食いしてるけど‼ 意味ないじゃん俺‼ つまみ食い‼
「ちゃんと許可とってる?」
「すんません。勝手にやってました……」
「あとで謝っておくといいわ」
「了解しやした……」
それよりも、俺に用があるってどういうこと? まだ本題入ってないよね? なんのために俺を呼んだんだろう?
「もう少しで復興拠点に着くわ、そこで話しましょ」
「いや、今お願いしやす」
「今? わかったわ。さっき明理ちゃんから連絡が来たの。あたしとバレンを結ばせるために、アレンにも協力して欲しいってね」
「メルフィナさんとバレンをっすか?」
「ええ、少し前にバレンのキスを、明理ちゃんが貰ってしまったの。だから、しばらく明理ちゃんはバレンと行動するそうよ」
「ふぇ?」
「明理ちゃんが、バレンとあたしの距離を縮める。アレン君は、あたしと行動してもらえないかしら?」
いやいやいや、俺はルグア一筋だし。他の女性は興味ないし。俺に連絡くれればいいのに……。でも、これはキューピットになるチャンス⁉
ルグアのことだから、俺との挙式予約してくれてるだろうし。気にする必要はないかも‼ それなら協力する。俺キューピットなる‼
「メルフィナさん。いいっすよ‼ ルグアが決めたんだから。俺手伝うっす‼ そして、ルグアと結婚します‼
メルフィナの恋人代行するっすけど、俺。ルグアが好きなんで‼ ルグアが大好きなんで‼」
「ありがとう。その前に整備を進めないとだわ……。材料の場所まで同行するから、あたしに着いてきなさい」
「お願いしやす‼」
「おはよう……。昨日はお疲れした……」
「おはようアレン」
「ルグアさん。そのくまは?」
「ちょっとね……。なかなか寝付けなくて……。普段寝ないことが多いから」
「そうなんすね……」
昨日は激しいバトルが展開されていた。寝る時は寝るというルグアでも、身体が言うことを効かなかったりするようだ。
対して俺はというと、いびきをしないで寝返りばかりうってたらしい。記憶にないから、実際どうなのか分からないけど。
「今日からは復興作業しないとだね……。それにしても、疲労が……」
「ルグアは休んでていいっすよ‼」
「そう? 私がいた方が早く済むと思うけど……」
「疲れてる時が一番危険っすから。休んでてください。どっちにしても建材集めしないとっすから‼」
「そうだよね……。じゃあそうするよ。アレンも無理しないでね」
「もちっす‼」
俺は、エルフィレンナの街から出る。入口にはリィファンやアグラスの姿があった。彼らは、真っ先に避難していたことで、怪我はなかったとの事。
俺とルグア、バレンの三人は全身切り傷やら、打撲やら負傷が酷かったけど、ルグアの治癒魔法で回復している。精神疲労は治らないが……。
「さて、建材集め行くっすよ‼」
「あの……。先輩大丈夫なんですか?」
「平気っすよ。リィファンも昨日は危ない目に遭わせてすんません……」
「いいですよ。今はパパが近くにいるから」
「パパ? もしかしてアグラスさん。リィファンに秘密を」
「悪ぃか? ガハハ。おれ様自慢の息子だからなぁ。リアグリフも復興せねば‼」
そうだった。リアグリフも陥落してたんだ。建物を直さないとだけど、必要な材料ってなんだろう?
俺達は、最初に水の都シュトラウトへ。そこには、メルフィナも駆けつけていた。メルフィナはシュトラウトの令嬢だ。
「メルフィナさん‼」
「あら、お久しぶりね。アレン君。それにリィファン君も、アグラスさんもご無沙汰してます」
「いやはや、令嬢さんは今日もお綺麗ですなぁ。ガハハハハハ‼」
「そう? 嬉しいわね……。バレンが暴れたと聞いたけど……」
「そうなんすよね……」
王家の魔法という、古代魔法とは違う特殊魔法を酷使したバレン。獣のような動きは、俺でも抑制するのが難しかった。
そして、ルグアにも影響を与えて、彼女の戦法を大きく変えた。そのレベルまで達したルグアは、直視もできなかった。光が強すぎた。
女神であればいい。それが魔女となれば俺でも対処できないから。めっちゃ強かったなぁ、団長も、バレンも。
「アレン君。こっち来て。明理ちゃんからの提案なんだけど」
「ルグアから?」
「そう」
メルフィナに呼ばれた。なんでメルフィナが俺を? なんかよくわかんないけど、オレはメルフィナのあとに続く。
シュトラウトの街は、多くの建物が倒壊していた。住めるような建築物が見当たらない。陥落して難が去り、メルフィナが来た時はこの有様とのこと。
普及には木材と、コンクリートの原料が必要。それらはこの近辺で入手可能で、うごける住民総勢で採集に勤しんでいた。
「酷いっすね……」
「そうね……。今回の災害で……、厄災と言った方がいいかしら。シュトラウト城を含めたほとんどの家屋が、襲撃の被害に遭ったわ」
「ほ、ほとんどの家屋っすか⁉」
「そうなの。住民の大半が避難生活を余儀なくされたわ。作物を育てていた畑も荒らされた。予備の食糧がいつまで持つかも、時間の問題よ……」
「大変っすね……」
食糧難に陥っていたのは、俺としても最悪だ……。成長期だし。いや待って、エルフィレンナから調達すれば‼
けど、エルフィレンナは俺の生活拠点だけど、他の都市に力を貸してくれるとは、到底思えない。食糧の在庫は山ほどあるけど……。
盗み食いはダメだよね。俺はしないよ盗み食い。よくお母さんが作った夕食、つまみ食いしてるけど‼ 意味ないじゃん俺‼ つまみ食い‼
「ちゃんと許可とってる?」
「すんません。勝手にやってました……」
「あとで謝っておくといいわ」
「了解しやした……」
それよりも、俺に用があるってどういうこと? まだ本題入ってないよね? なんのために俺を呼んだんだろう?
「もう少しで復興拠点に着くわ、そこで話しましょ」
「いや、今お願いしやす」
「今? わかったわ。さっき明理ちゃんから連絡が来たの。あたしとバレンを結ばせるために、アレンにも協力して欲しいってね」
「メルフィナさんとバレンをっすか?」
「ええ、少し前にバレンのキスを、明理ちゃんが貰ってしまったの。だから、しばらく明理ちゃんはバレンと行動するそうよ」
「ふぇ?」
「明理ちゃんが、バレンとあたしの距離を縮める。アレン君は、あたしと行動してもらえないかしら?」
いやいやいや、俺はルグア一筋だし。他の女性は興味ないし。俺に連絡くれればいいのに……。でも、これはキューピットになるチャンス⁉
ルグアのことだから、俺との挙式予約してくれてるだろうし。気にする必要はないかも‼ それなら協力する。俺キューピットなる‼
「メルフィナさん。いいっすよ‼ ルグアが決めたんだから。俺手伝うっす‼ そして、ルグアと結婚します‼
メルフィナの恋人代行するっすけど、俺。ルグアが好きなんで‼ ルグアが大好きなんで‼」
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