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第3章
第5話 リィファン急成長⁉
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◇◇◇エルフィレンナ 正門◇◇◇
「揃ったな」
「ルグアおかえりっす‼ 素振りどんな感じっすか?」
「自分……気になる……」
「そうだな。実用にはちょうどいいくらいだし。重さも〈スカーレット・ブレード〉の4分の1に抑えておいた。リィファン見るか?」
「見たい……です」
「んじゃ早速」
俺とリィファンは、ルグアから武器を受け取るため正門へ。タイミングもバッチリで、ルグアが素振りから帰って来ていた。
武器の錬成は全て大成功で、大剣から片手剣。ランスを筆頭に、ハンマー、盾斧まで。まるでハンティングゲーム‼
「さ、好きなやつを選んでくれ。全部やるけどさ」
「ど、どう……しよう……」
「想像以上の数っすね……」
出るわ出るわ武器の数。全20種類が並べられ、遠距離から至近距離。ちょっと扱いが特殊なものまで……。
これにはリィファンも選ぶに困る。俺もも使ってみたくなるほどだ。ルグアのレパートリーは相変わらず多い。
「全部……。もらって……いいんです……よね?」
「そうだが……。ま、こんだけありゃ迷うよな」
「全部。ください」
「それが一番っすね。リィファン専用の武器っすから、大事に使うっすよ‼」
「んじゃ、私の方から1週間分の休養届け二人分提出しておく。アレンとリィファンは、シュトラウトで手続きしてくれ」
「いよいよ冒険者デビューっすよ。リィファン‼」
「自分。頑張る‼」
◇◇◇シュトラウト郊外◇◇◇
――『おーい。アレン‼ リィファン‼』
「ルグア‼ 今超特急で向かっているとこっす‼ 郊外付近まで来やした‼」
――『ってことは、ゼヴァン平原東部か。思ったより早いな』
「先輩……すごい……。かっこいい……」
「て、照れるっすよ……リィファン」
――『お墨付きだな』
「そうっすね」
こんなに、リィファンは俺のことを……。嬉しくてたまらない。武器全種受け取ったリィファンも、ほっこり顔でニコニコだ。
自分が冒険者になる。それが今実現するのだから。俺の場合は強制的だったけど。それでも、ルグアがいるから続けている。
いつかは現実世界に戻る。別れは必ずある。その時、リィファンがどのような判断をするか? きっと着いてくるだろう。
この前或斗は『最新型AIロボットを購入した』と言っていた。それはどこかで牙を剥く。ルグアじゃなくても、予測できる。
「ルグアからエネルギー関係を奪ってるっすから……。戦闘系だと、攻撃力やモーションもルグアと……」
「先輩?」
「い、いやなんでもないっすよ‼」
――グギャウ‼
「なにか……いる」
「え?」
もう少しでシュトラウト。そういう時に出現したゴブリン軍団。俺はいつもの武器を構えて、敵を見据える。
「リィファンは俺から離れるっす」
「で、でも……」
「リィファン?」
「自分も、戦いたい……です」
自ら戦うと言い出すリィファン。まだ正式な冒険者ではない彼を、戦場に出したくない。にも関わらず。彼の目は炎が燃えたぎってる。
戦闘に出すか否か。これは本人の意見。俺はそれを尊重したい。リィファンと前に出すぎないことを約束して、戦闘許可を出す。
「俺の言うことはしっかり守るっすよ」
「はい」
「の前に。どの武器使うんすか?」
「そう……だった。じゃあ。今日は大剣にしようかな?」
そう言って、リィファンは大剣を取り出す。透明度の高い緑。その剣はリィファンの身体と同じ大きさ。
彼の身長うはざっと155センチ。大剣の存在感がより際立つ。リィファンはその柄を強く持ち、ゴブリン軍団へ剣先を突き出す。
「先輩。行きます‼」
――ビュゴォォォン‼
猛進からの大胆な横薙ぎ。コミュ障とは思えない力強さ。俺の予想も見事に粉砕し、危険性は皆無と思える身のこなし。
小さい時から夢見てた。それがよくわかる映像だった。俺も負けていられない。先輩の意地を見せなければ。
「リィファンは右をお願いしやす‼ 俺は左を‼」
「わかりました‼」
仕事中では見られなかった、はっきりとした返答。戦いたかった。根強く抱いた思いが、彼のストッパーを解除した。
俺も気持ちが高まり、剣を振るい続けた。今のリィファンは輝いている。忘れられない思い出。
「リィファン‼」
「先輩‼」
――〝交代〟‼
「どんどん行くっすよ‼」
「自分も負けるもんか‼」
いつも以上に威勢のいい声。対抗意識なのだろうか? 俺めっちゃ嬉しい。こんなに元気になってくれて。
ドサドサと倒れるゴブリン。リィファンも汗びっしょり。敵を全滅すると、少し休んでから、シュトラウトへ向かう。
「もうすぐ到着っすね。手続きの推薦届けはルグアがやってくれたし。多分、このまま受注可能っす」
ほんとにルグアは仕事が早い。実はメルフィナとロムにも後輩がいて、てんやわんやの毎日。俺も例外ではないはず。
なのに、リィファンは仕事よりもクエスト。心身から強くなりたいと思ってる。俺は担当者だから、その責任は重い。
「よし到着。冒険者ギルドまで直行するっすよ‼」
「はい‼ そしたら登録ですよね」
「そうっす‼ なんか。リィファン勇ましいっすよ‼ 最高に」
「揃ったな」
「ルグアおかえりっす‼ 素振りどんな感じっすか?」
「自分……気になる……」
「そうだな。実用にはちょうどいいくらいだし。重さも〈スカーレット・ブレード〉の4分の1に抑えておいた。リィファン見るか?」
「見たい……です」
「んじゃ早速」
俺とリィファンは、ルグアから武器を受け取るため正門へ。タイミングもバッチリで、ルグアが素振りから帰って来ていた。
武器の錬成は全て大成功で、大剣から片手剣。ランスを筆頭に、ハンマー、盾斧まで。まるでハンティングゲーム‼
「さ、好きなやつを選んでくれ。全部やるけどさ」
「ど、どう……しよう……」
「想像以上の数っすね……」
出るわ出るわ武器の数。全20種類が並べられ、遠距離から至近距離。ちょっと扱いが特殊なものまで……。
これにはリィファンも選ぶに困る。俺もも使ってみたくなるほどだ。ルグアのレパートリーは相変わらず多い。
「全部……。もらって……いいんです……よね?」
「そうだが……。ま、こんだけありゃ迷うよな」
「全部。ください」
「それが一番っすね。リィファン専用の武器っすから、大事に使うっすよ‼」
「んじゃ、私の方から1週間分の休養届け二人分提出しておく。アレンとリィファンは、シュトラウトで手続きしてくれ」
「いよいよ冒険者デビューっすよ。リィファン‼」
「自分。頑張る‼」
◇◇◇シュトラウト郊外◇◇◇
――『おーい。アレン‼ リィファン‼』
「ルグア‼ 今超特急で向かっているとこっす‼ 郊外付近まで来やした‼」
――『ってことは、ゼヴァン平原東部か。思ったより早いな』
「先輩……すごい……。かっこいい……」
「て、照れるっすよ……リィファン」
――『お墨付きだな』
「そうっすね」
こんなに、リィファンは俺のことを……。嬉しくてたまらない。武器全種受け取ったリィファンも、ほっこり顔でニコニコだ。
自分が冒険者になる。それが今実現するのだから。俺の場合は強制的だったけど。それでも、ルグアがいるから続けている。
いつかは現実世界に戻る。別れは必ずある。その時、リィファンがどのような判断をするか? きっと着いてくるだろう。
この前或斗は『最新型AIロボットを購入した』と言っていた。それはどこかで牙を剥く。ルグアじゃなくても、予測できる。
「ルグアからエネルギー関係を奪ってるっすから……。戦闘系だと、攻撃力やモーションもルグアと……」
「先輩?」
「い、いやなんでもないっすよ‼」
――グギャウ‼
「なにか……いる」
「え?」
もう少しでシュトラウト。そういう時に出現したゴブリン軍団。俺はいつもの武器を構えて、敵を見据える。
「リィファンは俺から離れるっす」
「で、でも……」
「リィファン?」
「自分も、戦いたい……です」
自ら戦うと言い出すリィファン。まだ正式な冒険者ではない彼を、戦場に出したくない。にも関わらず。彼の目は炎が燃えたぎってる。
戦闘に出すか否か。これは本人の意見。俺はそれを尊重したい。リィファンと前に出すぎないことを約束して、戦闘許可を出す。
「俺の言うことはしっかり守るっすよ」
「はい」
「の前に。どの武器使うんすか?」
「そう……だった。じゃあ。今日は大剣にしようかな?」
そう言って、リィファンは大剣を取り出す。透明度の高い緑。その剣はリィファンの身体と同じ大きさ。
彼の身長うはざっと155センチ。大剣の存在感がより際立つ。リィファンはその柄を強く持ち、ゴブリン軍団へ剣先を突き出す。
「先輩。行きます‼」
――ビュゴォォォン‼
猛進からの大胆な横薙ぎ。コミュ障とは思えない力強さ。俺の予想も見事に粉砕し、危険性は皆無と思える身のこなし。
小さい時から夢見てた。それがよくわかる映像だった。俺も負けていられない。先輩の意地を見せなければ。
「リィファンは右をお願いしやす‼ 俺は左を‼」
「わかりました‼」
仕事中では見られなかった、はっきりとした返答。戦いたかった。根強く抱いた思いが、彼のストッパーを解除した。
俺も気持ちが高まり、剣を振るい続けた。今のリィファンは輝いている。忘れられない思い出。
「リィファン‼」
「先輩‼」
――〝交代〟‼
「どんどん行くっすよ‼」
「自分も負けるもんか‼」
いつも以上に威勢のいい声。対抗意識なのだろうか? 俺めっちゃ嬉しい。こんなに元気になってくれて。
ドサドサと倒れるゴブリン。リィファンも汗びっしょり。敵を全滅すると、少し休んでから、シュトラウトへ向かう。
「もうすぐ到着っすね。手続きの推薦届けはルグアがやってくれたし。多分、このまま受注可能っす」
ほんとにルグアは仕事が早い。実はメルフィナとロムにも後輩がいて、てんやわんやの毎日。俺も例外ではないはず。
なのに、リィファンは仕事よりもクエスト。心身から強くなりたいと思ってる。俺は担当者だから、その責任は重い。
「よし到着。冒険者ギルドまで直行するっすよ‼」
「はい‼ そしたら登録ですよね」
「そうっす‼ なんか。リィファン勇ましいっすよ‼ 最高に」
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