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第2章前編
第34話 ディスり女とディスられ犬
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「……あれ? ここは?」
「起きたようね。アレン。心配したわよ? 安心なさい。他の仲間達も戦車に乗せているから」
「チェリス……さん? 帰っていたんじゃ……」
俺が目を覚ました場所は、レノンが手配したという戦車の中。機械や操縦席。備え付けの備品で狭いのではと思っていたが、ゲームでは不要なため、とても広々としていた。
けれども、騒音はリアリティを求めて作ったのか、耳を押さえたくなるほど。振動も激しいため、バランスをとるのも大変だ。
体幹鍛えるには向いていると思うが、そういう問題ではない。俺はメニュー画面を出して日付を確認。
遊園地跡に長時間滞在していたことで、二十二日から二十四日に変わっていた。
「あの……」
「そういえば、明日だったわよね? クレーマーと戦うの」
「そ、そうなんすけど、間に合うのか心配で……」
――ピーンポーンパーんぽーん‼ みんな聞こえるかしら? 特に女性陣に朗報よ‼ 明日ギルド【アーサーラウンダー】と【ヴィランオートマター】が激突する、一大イベントが開催されるの!!
「チェリス⁉ なんで急に……」
「別にいいじゃない? この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・スキルぼったくり・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼」
「進化しているんすけど……」
というのも……。
***一回目***
「要領悪すぎ…………。俺って…………」
「いつも弱気ね。助けられてばかりのプリンスは誰かしら? できないなら聞けばいいのに……」
「ですよね…………」
「『ですよね』じゃないわよ。この無能ナマケモノ・ヘタレ・イケメン馬鹿‼」
***二回目***
『いい加減早く来なさいよ。この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼』
「いや、チェリスそれヤバいって」
「『冷静になるのはや……』」
***今回***
『この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・スキルぼったくり・発狂イケメン・馬鹿犬アレン‼』
これはただのディスりではない。っていうより、ディスられてばかりじゃん‼ そんなに俺をディスりやすいのかな?
あと、チェリスのディスりレベルアップしすぎ‼ ラップするんかよ⁉ 俺をネタにしてでのラップもおかしくないって‼
俺は絶対無理だけど‼ いや絶対はない。練習すれば、できるかもしれないし。思い切って練習しようかな?
「何考えてるのよ? まあいいわ。もう少しで市街地に到着するから」
――みんな‼ 全速前進‼ さっさと帰るわよ‼
「ほんとすみません。いつも頼りなくて……」
「その言葉。しっかり覚えておきなさい。い~~~~~~~~~~~~~ぬ♡」
「それもう聞き飽きているんすけ……」
「ハウス‼」
「起きたようね。アレン。心配したわよ? 安心なさい。他の仲間達も戦車に乗せているから」
「チェリス……さん? 帰っていたんじゃ……」
俺が目を覚ました場所は、レノンが手配したという戦車の中。機械や操縦席。備え付けの備品で狭いのではと思っていたが、ゲームでは不要なため、とても広々としていた。
けれども、騒音はリアリティを求めて作ったのか、耳を押さえたくなるほど。振動も激しいため、バランスをとるのも大変だ。
体幹鍛えるには向いていると思うが、そういう問題ではない。俺はメニュー画面を出して日付を確認。
遊園地跡に長時間滞在していたことで、二十二日から二十四日に変わっていた。
「あの……」
「そういえば、明日だったわよね? クレーマーと戦うの」
「そ、そうなんすけど、間に合うのか心配で……」
――ピーンポーンパーんぽーん‼ みんな聞こえるかしら? 特に女性陣に朗報よ‼ 明日ギルド【アーサーラウンダー】と【ヴィランオートマター】が激突する、一大イベントが開催されるの!!
「チェリス⁉ なんで急に……」
「別にいいじゃない? この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・スキルぼったくり・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼」
「進化しているんすけど……」
というのも……。
***一回目***
「要領悪すぎ…………。俺って…………」
「いつも弱気ね。助けられてばかりのプリンスは誰かしら? できないなら聞けばいいのに……」
「ですよね…………」
「『ですよね』じゃないわよ。この無能ナマケモノ・ヘタレ・イケメン馬鹿‼」
***二回目***
『いい加減早く来なさいよ。この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼』
「いや、チェリスそれヤバいって」
「『冷静になるのはや……』」
***今回***
『この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・スキルぼったくり・発狂イケメン・馬鹿犬アレン‼』
これはただのディスりではない。っていうより、ディスられてばかりじゃん‼ そんなに俺をディスりやすいのかな?
あと、チェリスのディスりレベルアップしすぎ‼ ラップするんかよ⁉ 俺をネタにしてでのラップもおかしくないって‼
俺は絶対無理だけど‼ いや絶対はない。練習すれば、できるかもしれないし。思い切って練習しようかな?
「何考えてるのよ? まあいいわ。もう少しで市街地に到着するから」
――みんな‼ 全速前進‼ さっさと帰るわよ‼
「ほんとすみません。いつも頼りなくて……」
「その言葉。しっかり覚えておきなさい。い~~~~~~~~~~~~~ぬ♡」
「それもう聞き飽きているんすけ……」
「ハウス‼」
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