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第2章前編
第6話 不可解な異変
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◇◇◇リアゼノン運営◇◇◇
「おーい‼ 寺山さん‼ 聞こえて……」
「ゲーム画面に何叫んでいるんですかぁ~。マスターアカウントだから、とっくの昔にログアウトしているよぉ?」
「さすがは、上層指令部の第一人者。行動が素早いこと。尊敬します。とはいえ、こちとら貴方様の子会社であるもんですから、お力添えしていただけると聞き、とても嬉しく感じている次第で……」
広いオフィスでカタカタと響くパソコンのクリック音。所狭しとと設置された複数のパソコン台。ここは〝リアゼノン〟を運営している会社【アルファレノス】事務局兼監視室。
ゲーム審査やゲーム開発も行っている大手企業、【アルファセントリア株式会社】直属のゲーム子会社だ。
「それでぇ~、ねぇ室田くん? 新天地はどう? 慣れたかな? 相当頑張っているみたいだけど」
「さすがに設立から5ヵ月経ちましたから、慣れましたよ。〝リアゼノン〟もしっかり機能していますし。なんといってもまだ実験段階のプログラム言語を採用した〝アマルフィシステム〟の不具合がないのは、寺山さんのおかげです」
「いやぁ。実は明理ちゃんが組んでるんだよぉ~。このアマルスちゃんは」
パソコンの前に座る二人の男性。ほわんと光る画面には、英字や記号、数字といった複雑な文字列が並んでいる。時間が進むごとに新しく生成される羅列。これらはゲームの中心核を表しているようだ。
「それにしても、寺山さん。フォントカラーコマンドにサイズコマンドのコード……。これってサイト作成用のコードですよね? なにか工夫でも……」
「うんうん、詳しい意味は明理ちゃんに聞かないとだけど、サイト作成コードなのはそうだね。まさかゲームシステムに使うとはね……。しばらく前まではもっと複雑なコードが必要だったけど、今は違うもんねぇ~。おかげで審査も休み無しだよぉ~。明理ちゃんがいないから尚更ね」
「それは言えます。今までも巣籠さんの、巣籠明理さんのお手伝いがあったから、子会社が誕生できたので……」
――システムエラー、システムエラー。
「し、システム……。寺山さん‼」
「わかってるよ。監視部指揮担当。ゲーム内部の状況をスクリーンに映して。それとチャラ顔佐久間くんエラーコードナンバーは? 明理ちゃんが作ってくれたマニュアルと照合確認するから」
『ラジャー‼』
急に騒がしく、そして慌ただしく動き始めたゲーム運営。コールセンターのようなオフィスフロアに上から降りてくるのは、一つの壁を覆うほど巨大なスクリーン。
プロジェクターからはゲーム内の様子が投影され、そこには三つの球体が表示される。どれも、地球に見える模様をしていた。
『寺山パイセン‼』
「なぁに? 佐久間くん?」
一番眺めがいいのだろう、スクリーンの反対側に立つ寺山に、右奥で作業する後輩の佐久間が言葉を投げかける。
『システムエラーなのは確かですが、エラーコードナンバーが表示されません‼』
「表示されないってほんとになんだよねぇ~?」
『今見た限りでは……』
「明理ちゃん……。一体何が……」
これから起きる現象。この時はまだ誰も知らなかった。
「おーい‼ 寺山さん‼ 聞こえて……」
「ゲーム画面に何叫んでいるんですかぁ~。マスターアカウントだから、とっくの昔にログアウトしているよぉ?」
「さすがは、上層指令部の第一人者。行動が素早いこと。尊敬します。とはいえ、こちとら貴方様の子会社であるもんですから、お力添えしていただけると聞き、とても嬉しく感じている次第で……」
広いオフィスでカタカタと響くパソコンのクリック音。所狭しとと設置された複数のパソコン台。ここは〝リアゼノン〟を運営している会社【アルファレノス】事務局兼監視室。
ゲーム審査やゲーム開発も行っている大手企業、【アルファセントリア株式会社】直属のゲーム子会社だ。
「それでぇ~、ねぇ室田くん? 新天地はどう? 慣れたかな? 相当頑張っているみたいだけど」
「さすがに設立から5ヵ月経ちましたから、慣れましたよ。〝リアゼノン〟もしっかり機能していますし。なんといってもまだ実験段階のプログラム言語を採用した〝アマルフィシステム〟の不具合がないのは、寺山さんのおかげです」
「いやぁ。実は明理ちゃんが組んでるんだよぉ~。このアマルスちゃんは」
パソコンの前に座る二人の男性。ほわんと光る画面には、英字や記号、数字といった複雑な文字列が並んでいる。時間が進むごとに新しく生成される羅列。これらはゲームの中心核を表しているようだ。
「それにしても、寺山さん。フォントカラーコマンドにサイズコマンドのコード……。これってサイト作成用のコードですよね? なにか工夫でも……」
「うんうん、詳しい意味は明理ちゃんに聞かないとだけど、サイト作成コードなのはそうだね。まさかゲームシステムに使うとはね……。しばらく前まではもっと複雑なコードが必要だったけど、今は違うもんねぇ~。おかげで審査も休み無しだよぉ~。明理ちゃんがいないから尚更ね」
「それは言えます。今までも巣籠さんの、巣籠明理さんのお手伝いがあったから、子会社が誕生できたので……」
――システムエラー、システムエラー。
「し、システム……。寺山さん‼」
「わかってるよ。監視部指揮担当。ゲーム内部の状況をスクリーンに映して。それとチャラ顔佐久間くんエラーコードナンバーは? 明理ちゃんが作ってくれたマニュアルと照合確認するから」
『ラジャー‼』
急に騒がしく、そして慌ただしく動き始めたゲーム運営。コールセンターのようなオフィスフロアに上から降りてくるのは、一つの壁を覆うほど巨大なスクリーン。
プロジェクターからはゲーム内の様子が投影され、そこには三つの球体が表示される。どれも、地球に見える模様をしていた。
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一番眺めがいいのだろう、スクリーンの反対側に立つ寺山に、右奥で作業する後輩の佐久間が言葉を投げかける。
『システムエラーなのは確かですが、エラーコードナンバーが表示されません‼』
「表示されないってほんとになんだよねぇ~?」
『今見た限りでは……』
「明理ちゃん……。一体何が……」
これから起きる現象。この時はまだ誰も知らなかった。
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