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第1章
第100話 意識の狭間と大盾のかがみ
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「うぅ……。ここは?」
俺が目覚めた場所は、一面真っ白な空間。前にも来たことがある風景。置かれている障害物はない。完全に何もない世界。
――脳に異常を確認しました。このまま続けた場合、損傷が大きくなる恐れがあります。強制ログアウトを実行しますか?
「きょ、強制ログアウト⁉」
突然聞こえたシステムアナウンス。リアルの俺に何が起きているのかわからない。俺はここに来る前、Z+魔法を唱えた。覚えているのはただそれだけ。
頭が少し痛い。何かから刺激を受けている感覚。ルグア団長は、いつもこの痛みよりも数倍以上強い負荷をかけているのだろう。
きっと、俺が今受けている負荷は、ルグア団長にとっては序の口レベルに違いない。痛みはだんだん強くなる。耐えようにも、威力が高い。
Z+魔法の多大なる負荷を侮っていた。興味本位で発動したから。強制ログアウトで仲間を見捨てるか。脳死覚悟で痛みを受け止め続けるか。
――『アレン、大丈夫か?』
「あ、ルグアさん‼」
――『だから、急な〝さん〟付けはやめろって、元気そうでよかった。精神状態は大丈夫か?』
「ま、まあ、なんとかっすけど」
――『そうか』
今のルグアはやけに優しい。俺のことが心配なのだろうか? 本当は精神状態が怪しくなっている。状況が掴めないから。
――『今お前がいるのはセーフティエリアだな』
セーフティエリア……。それより仲間はどうしているのだろう? 早く助けたい。ガデルやチェリス達を助けたい‼
――『お前もやけに勇ましくなっているじゃないか。けど、Z+魔法はまだはや……』
「そ、そんなことないっすよ‼ ここで諦めたら、きっとチェリスが『情けないプリンス』みたいなこと言うから、このまま情けない姿で逃げ出したくない」
――強制ログアウトを実行しますか?
――〈Yes/No〉
「助けたいなら強制ログアウトをしない‼ 今助けるために帰還しやーーーーす‼」
――『そうでなくちゃな……』
◇◇◇◇◇◇
「宮鳥亜蓮‼ ただいま戻りました‼」
――・・・・・・。
リゲル『本名ですか?』
ゼアン「本名では?」
ウェンドラ「身バレ確定ですね」
ルグア『だな』
俺「あ……」
やってしまった。本名バラしてしまった。親に怒られる。絶対怒られる。ってか身内関係のこと考える暇ねぇじゃん‼ ボスは? ボスはどこ?
「いや、深く考えるなよ俺‼ ンオォォッ‼」
――Z+魔法 エレメンタル・バースト‼
即興で考えて唱えた魔法。負荷で脳が悲鳴をあげ始める。とてつもないくらいの激痛。しかし、痛みを感じるよりも、敵を倒すことが最優先になっていた。
戦うことに集中した分、痛みが気にならなくなっていく。見えない敵を倒す。その事をいまは考える。それしか考えないようにする。
直後、大きな地響きで液体になったのかのように、地面が揺れる。液状化現象が起こったようだ。足を持って行かれそうになる。
詳しい原理は知らない。でも、液状化現象が起こったのだから、これは地震だ。それも、俺の魔法で起こした事象に違いない。
「こ、これが〝世界破壊〟なのですか……。あまりにも規模が大きいように見受けられます」
「多分、もっと本気になればこの塔壊せるかもしれないっすね……」
「となると、今は本気ではないと仰るのですか?」
「そうっすね」
――パシャーーン……。
ポリゴンが弾ける音。結局敵の姿は見えなかった。けれども、敵を倒したことは変わりない。そして、その奥にはひっそりと設置された墓。
「旅の冒険者様。ここまで連れて来てくれてありがとうございます。皆様のおかげで、彼氏のお墓に辿り着くことが出来ました。心より感謝申し上げます。粗品ではありますが、この鏡を……」
小高い丘に建てられた墓、ダレネスは俺に大盾の鏡を渡してその傍へと向かう。この大盾の鏡は何を意味しているのか?
悩みながら、チェリス達のいるプールに向かった。
俺が目覚めた場所は、一面真っ白な空間。前にも来たことがある風景。置かれている障害物はない。完全に何もない世界。
――脳に異常を確認しました。このまま続けた場合、損傷が大きくなる恐れがあります。強制ログアウトを実行しますか?
「きょ、強制ログアウト⁉」
突然聞こえたシステムアナウンス。リアルの俺に何が起きているのかわからない。俺はここに来る前、Z+魔法を唱えた。覚えているのはただそれだけ。
頭が少し痛い。何かから刺激を受けている感覚。ルグア団長は、いつもこの痛みよりも数倍以上強い負荷をかけているのだろう。
きっと、俺が今受けている負荷は、ルグア団長にとっては序の口レベルに違いない。痛みはだんだん強くなる。耐えようにも、威力が高い。
Z+魔法の多大なる負荷を侮っていた。興味本位で発動したから。強制ログアウトで仲間を見捨てるか。脳死覚悟で痛みを受け止め続けるか。
――『アレン、大丈夫か?』
「あ、ルグアさん‼」
――『だから、急な〝さん〟付けはやめろって、元気そうでよかった。精神状態は大丈夫か?』
「ま、まあ、なんとかっすけど」
――『そうか』
今のルグアはやけに優しい。俺のことが心配なのだろうか? 本当は精神状態が怪しくなっている。状況が掴めないから。
――『今お前がいるのはセーフティエリアだな』
セーフティエリア……。それより仲間はどうしているのだろう? 早く助けたい。ガデルやチェリス達を助けたい‼
――『お前もやけに勇ましくなっているじゃないか。けど、Z+魔法はまだはや……』
「そ、そんなことないっすよ‼ ここで諦めたら、きっとチェリスが『情けないプリンス』みたいなこと言うから、このまま情けない姿で逃げ出したくない」
――強制ログアウトを実行しますか?
――〈Yes/No〉
「助けたいなら強制ログアウトをしない‼ 今助けるために帰還しやーーーーす‼」
――『そうでなくちゃな……』
◇◇◇◇◇◇
「宮鳥亜蓮‼ ただいま戻りました‼」
――・・・・・・。
リゲル『本名ですか?』
ゼアン「本名では?」
ウェンドラ「身バレ確定ですね」
ルグア『だな』
俺「あ……」
やってしまった。本名バラしてしまった。親に怒られる。絶対怒られる。ってか身内関係のこと考える暇ねぇじゃん‼ ボスは? ボスはどこ?
「いや、深く考えるなよ俺‼ ンオォォッ‼」
――Z+魔法 エレメンタル・バースト‼
即興で考えて唱えた魔法。負荷で脳が悲鳴をあげ始める。とてつもないくらいの激痛。しかし、痛みを感じるよりも、敵を倒すことが最優先になっていた。
戦うことに集中した分、痛みが気にならなくなっていく。見えない敵を倒す。その事をいまは考える。それしか考えないようにする。
直後、大きな地響きで液体になったのかのように、地面が揺れる。液状化現象が起こったようだ。足を持って行かれそうになる。
詳しい原理は知らない。でも、液状化現象が起こったのだから、これは地震だ。それも、俺の魔法で起こした事象に違いない。
「こ、これが〝世界破壊〟なのですか……。あまりにも規模が大きいように見受けられます」
「多分、もっと本気になればこの塔壊せるかもしれないっすね……」
「となると、今は本気ではないと仰るのですか?」
「そうっすね」
――パシャーーン……。
ポリゴンが弾ける音。結局敵の姿は見えなかった。けれども、敵を倒したことは変わりない。そして、その奥にはひっそりと設置された墓。
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小高い丘に建てられた墓、ダレネスは俺に大盾の鏡を渡してその傍へと向かう。この大盾の鏡は何を意味しているのか?
悩みながら、チェリス達のいるプールに向かった。
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