98 / 341
第1章
第90話 その質問お答えします
しおりを挟む
「それで、私にどのような疑問があるんですか?」
ようやくプールの入口に到着。俺とガデルは、その手前で横並びになる。実はまだ質問内容が決まっていない。
いや、内容は決まっている。話す順番が決まっていないのだ。ガデルがなぜログインしたのか……。
どうして、ログアウトできなくなった
のか……。ルグアがあの状態になってしまったのかの理由。二面少女という意味。
校庭を彩る広葉樹は優しくさわさわと揺れているのに、俺の頭はどんどんかさばり時間だけが過ぎていく。
「大丈夫ですか? アレンさん?」
「へっ? いや、その……」
「わかりました。そういえば十七層での話。途中でしたね」
「そういえば」
******
――「改めまして、作者のディガルです。ペンネーム変えましたけど。ガデルでログインしています」
――「ま、マジっすか……」
――(作者ほんとに来ちゃったよぉー。どうするん。ヤバいじゃん。物語終わる‼ 終わるって‼)
――「大丈夫ですよ。ちょっと興奮しすぎだと思います。ここからは私も同行するので……」
――同行すると言っているが、危ういに違いない。あくまでも、作者は神の存在。これなんでもありの状態になってしまう。絶対にログアウトした方がいいと思う。しかし、
――「実は、ノーマルアカウントなので、ログアウト不可能なんですよね。マスターアカウントなら、自由に出入りできるけど……」
――「ガデルったら何やってんのよ。こうしているのもあれね。さっさと敵を片付けましょ」
******
たしかに、チェリスの一言で話が途切れていた。ログアウトの理由を知りたくなったのはこの時だった。
「えーと、その〝ノーマルアカウント〟と〝ユニークアカウント〟。あと〝マスターアカウント〟の違いってなんすか?」
「違い……、ですか……。一応、ルグアさんに確認して、教えてもらったんですが……」
(えっ⁉ ガデル知らないのかよ? 無知な作者キャラって、あまりいないよね? 普通は全能キャラで排除されてるし……)
「それで、ルグアから聞いた内容は?」
「……あ、はい。えーとたしか、ノーマルは一般製品版。ユニークが全般設定がノーマルと一緒で、ステータス設定が特殊。マスターアカウントは、運営限定パスワードを通してログインできるアカウント。だったと思います」
なんかわからない、ガデルのうろ覚え感。なんとか覚えたのだろうか? それでも、意味を知ることができて良かった。
意味を知ることが……。あれ? なにか忘れてる。そうだ、ガデルがなぜノーマルでログインしたのか。俺はまだ聞いていない。
「ガデルさん。なぜノーマルだったんすか?」
「私がノーマルアカウントの理由ですね……。私のおっちょこちょいが原因なんですけど。運営側に、マスターアカウント作成申請を忘れてしまいました」
作成の申請忘れ……。どうすれば忘れるのか……。俺もよく学校の宿題とか、課題を忘れて先生に怒られるけど……。
それより俺、ログアウトできないせいで、夏休みの課題が全く進んでねぇじゃん‼ 絶対先生に怒られる。早くこのゲームから離脱したい。
けど、デスゲームだから、きっと強制離脱で俺死んじゃうよね?
「どうしてくれるんだよ、作者様ァァァァァァァァァァァァァァァーーー‼」
「……アレン……さん?」
『いい加減早く来なさいよ。この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼』
「いや、チェリスそれヤバいって」
「『冷静になるのはや……』」
ようやくプールの入口に到着。俺とガデルは、その手前で横並びになる。実はまだ質問内容が決まっていない。
いや、内容は決まっている。話す順番が決まっていないのだ。ガデルがなぜログインしたのか……。
どうして、ログアウトできなくなった
のか……。ルグアがあの状態になってしまったのかの理由。二面少女という意味。
校庭を彩る広葉樹は優しくさわさわと揺れているのに、俺の頭はどんどんかさばり時間だけが過ぎていく。
「大丈夫ですか? アレンさん?」
「へっ? いや、その……」
「わかりました。そういえば十七層での話。途中でしたね」
「そういえば」
******
――「改めまして、作者のディガルです。ペンネーム変えましたけど。ガデルでログインしています」
――「ま、マジっすか……」
――(作者ほんとに来ちゃったよぉー。どうするん。ヤバいじゃん。物語終わる‼ 終わるって‼)
――「大丈夫ですよ。ちょっと興奮しすぎだと思います。ここからは私も同行するので……」
――同行すると言っているが、危ういに違いない。あくまでも、作者は神の存在。これなんでもありの状態になってしまう。絶対にログアウトした方がいいと思う。しかし、
――「実は、ノーマルアカウントなので、ログアウト不可能なんですよね。マスターアカウントなら、自由に出入りできるけど……」
――「ガデルったら何やってんのよ。こうしているのもあれね。さっさと敵を片付けましょ」
******
たしかに、チェリスの一言で話が途切れていた。ログアウトの理由を知りたくなったのはこの時だった。
「えーと、その〝ノーマルアカウント〟と〝ユニークアカウント〟。あと〝マスターアカウント〟の違いってなんすか?」
「違い……、ですか……。一応、ルグアさんに確認して、教えてもらったんですが……」
(えっ⁉ ガデル知らないのかよ? 無知な作者キャラって、あまりいないよね? 普通は全能キャラで排除されてるし……)
「それで、ルグアから聞いた内容は?」
「……あ、はい。えーとたしか、ノーマルは一般製品版。ユニークが全般設定がノーマルと一緒で、ステータス設定が特殊。マスターアカウントは、運営限定パスワードを通してログインできるアカウント。だったと思います」
なんかわからない、ガデルのうろ覚え感。なんとか覚えたのだろうか? それでも、意味を知ることができて良かった。
意味を知ることが……。あれ? なにか忘れてる。そうだ、ガデルがなぜノーマルでログインしたのか。俺はまだ聞いていない。
「ガデルさん。なぜノーマルだったんすか?」
「私がノーマルアカウントの理由ですね……。私のおっちょこちょいが原因なんですけど。運営側に、マスターアカウント作成申請を忘れてしまいました」
作成の申請忘れ……。どうすれば忘れるのか……。俺もよく学校の宿題とか、課題を忘れて先生に怒られるけど……。
それより俺、ログアウトできないせいで、夏休みの課題が全く進んでねぇじゃん‼ 絶対先生に怒られる。早くこのゲームから離脱したい。
けど、デスゲームだから、きっと強制離脱で俺死んじゃうよね?
「どうしてくれるんだよ、作者様ァァァァァァァァァァァァァァァーーー‼」
「……アレン……さん?」
『いい加減早く来なさいよ。この無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・発狂イケメン馬鹿犬アレン‼』
「いや、チェリスそれヤバいって」
「『冷静になるのはや……』」
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

びるどあっぷ ふり〜と!
高鉢 健太
SF
オンライン海戦ゲームをやっていて自称神さまを名乗る老人に過去へと飛ばされてしまった。
どうやらふと頭に浮かんだとおりに戦前海軍の艦艇設計に関わることになってしまったらしい。
ライバルはあの譲らない有名人。そんな場所で満足いく艦艇ツリーを構築して現世へと戻ることが今の使命となった訳だが、歴史を弄ると予期せぬアクシデントも起こるもので、史実に存在しなかった事態が起こって歴史自体も大幅改変不可避の情勢。これ、本当に帰れるんだよね?
※すでになろうで完結済みの小説です。
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる