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第1章
第1話 vsゴブリン
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なんでレベルアップするとステータスの数値が下がるんだよ⁉ 全然レベルアップしてないじゃんか‼
本当は口に出して怒鳴りたい。けれどもゴブリンは集まるのが早く、倒しても減る気配がないばかりか無限に増え続けている。
――レベルアップしました。
聞こえてくるシステムアナウンス。もうステータスを見る余裕がなくなり、一心不乱に倒していく。
――レベルアップしました。
「……にしてもレベルアップするの速くね? これじゃあ、あっという間に最弱確定だろ⁉」
俺はボヤきながら剣を振り続ける。もう、レベルアップしたくない。こう思っている人も多いよね?
そういえば、このゲームはタワーダンジョンだったはず……。フロアが縦に重なるダンジョンのことで、上層へ行くほど敵も強くなっていく。
だんだんめんどさくなって、ゴブリンの群れを振り切り走って逃げる。着いた先は行き止まり……。ではなく、巨大な球体だった。
「これ使えんじゃん‼ ラッキー‼」
壁との隙間から反対側へ。球体の中央に立つと身体全体で押す。ゴロゴロと大きな音を響かせ、ゴブリンの群れへ接近。五百体近くの敵を一掃した。
――レベルアップしました。
――レベルアップしました。
――レベルアップしました。
「通知うるさいなぁ~。こうなったらミュートにしとこ。後で見ればいいだけだし……」
耳にタコができるくらい、長い音声が終わるまで待つ。二十分後に音がようやく消えたのでステータスを表示させる。
プレイヤー名:アレン
レベル:9999 ジョブ:剣士
HP:4,500
攻撃力:2,900
防御力:2,500
魔法攻撃力:2,200
魔法防御力:3,980
「完全に最弱確定だなこりゃ‼ ヤバすぎじゃん‼ このゲームぶっ壊れてる‼ あぁ~。笑いが止まんねぇ‼」
球体をビシバシ叩き大笑いしながら転がり回る。こんなゲームはゲームじゃねぇ。けど、面白い‼
もう夢中になっていた。弱くなるのは、困るけど……。そろそろログアウトして、ベッドでゆっくり寝よう。
そう思った俺はオプションメニューからログアウトボタンを探すが、目的の項目が見つからない。
――『これより、本ゲームは〝デスゲーム〟として運営されます。いずれかのプレイヤーが全エリアを攻略後、この設定は解除されます』
「おいおい殺し合いかよ⁉ 最弱だらけじゃ、話にもならねぇ……。ってことは、みんな狙われ確定? 高レベルほどワンパンの即死で即退場ってマジ⁈ ヤベぇじゃん‼ ログインしない方が安全なんかよ‼」
――『挑戦、お待ちしております』
アナウンスが終了。こうして始まる最弱だらけの"デスゲーム"。俺は偶然見つけた階段から、次のフロアへ向かうことにした。
◇◇◇◇◇◇
「遊び始めて早々、ログアウトが出来なくなるわ、レベルアップ早すぎだわ、一瞬で最弱だわ……。おまけに〝デスゲーム〟。面白いけどあんまりだ……」
一体運営は。どういう頭でサービスをしているのやら。部外者が考えることではないけど気にしてしまう。俺はそんなことを考えながらフロアを進む。
道行く可愛い女性プレイヤー。がっしりとした体格の良い男性プレイヤーに、幼い子供プレイヤー。様々な人達で溢れていた。
「割とプレイ人口多いんだなぁ~」
中世ヨーロッパ風の建て物が立ち並び、道がはっきりしていて、歩きやすい第二層の街。すれ違う人も様々で、とても賑わっていた。
建ち並ぶ店も多種に渡り、装備のレパートリーも街行く人を見ればよくわかる。
全体的に〝剣士〟が多数派か? 俺も含めて、剣を身につけたプレイヤーが、その大半を占めている気がした
『ただいま、三代目【アーサーラウンダー】メンバー募集中です‼』
少し離れた場所から聞こえた声。主を探すと、目に入ったのは小柄な明るい茶髪の少女。身長は小学生サイズで幼く見えるが、多分俺より歳上だと思う。
『あ‼ そこのお兄さんどうですか?』
その少女から飛んできたのは、勧誘の言葉だった。
本当は口に出して怒鳴りたい。けれどもゴブリンは集まるのが早く、倒しても減る気配がないばかりか無限に増え続けている。
――レベルアップしました。
聞こえてくるシステムアナウンス。もうステータスを見る余裕がなくなり、一心不乱に倒していく。
――レベルアップしました。
「……にしてもレベルアップするの速くね? これじゃあ、あっという間に最弱確定だろ⁉」
俺はボヤきながら剣を振り続ける。もう、レベルアップしたくない。こう思っている人も多いよね?
そういえば、このゲームはタワーダンジョンだったはず……。フロアが縦に重なるダンジョンのことで、上層へ行くほど敵も強くなっていく。
だんだんめんどさくなって、ゴブリンの群れを振り切り走って逃げる。着いた先は行き止まり……。ではなく、巨大な球体だった。
「これ使えんじゃん‼ ラッキー‼」
壁との隙間から反対側へ。球体の中央に立つと身体全体で押す。ゴロゴロと大きな音を響かせ、ゴブリンの群れへ接近。五百体近くの敵を一掃した。
――レベルアップしました。
――レベルアップしました。
――レベルアップしました。
「通知うるさいなぁ~。こうなったらミュートにしとこ。後で見ればいいだけだし……」
耳にタコができるくらい、長い音声が終わるまで待つ。二十分後に音がようやく消えたのでステータスを表示させる。
プレイヤー名:アレン
レベル:9999 ジョブ:剣士
HP:4,500
攻撃力:2,900
防御力:2,500
魔法攻撃力:2,200
魔法防御力:3,980
「完全に最弱確定だなこりゃ‼ ヤバすぎじゃん‼ このゲームぶっ壊れてる‼ あぁ~。笑いが止まんねぇ‼」
球体をビシバシ叩き大笑いしながら転がり回る。こんなゲームはゲームじゃねぇ。けど、面白い‼
もう夢中になっていた。弱くなるのは、困るけど……。そろそろログアウトして、ベッドでゆっくり寝よう。
そう思った俺はオプションメニューからログアウトボタンを探すが、目的の項目が見つからない。
――『これより、本ゲームは〝デスゲーム〟として運営されます。いずれかのプレイヤーが全エリアを攻略後、この設定は解除されます』
「おいおい殺し合いかよ⁉ 最弱だらけじゃ、話にもならねぇ……。ってことは、みんな狙われ確定? 高レベルほどワンパンの即死で即退場ってマジ⁈ ヤベぇじゃん‼ ログインしない方が安全なんかよ‼」
――『挑戦、お待ちしております』
アナウンスが終了。こうして始まる最弱だらけの"デスゲーム"。俺は偶然見つけた階段から、次のフロアへ向かうことにした。
◇◇◇◇◇◇
「遊び始めて早々、ログアウトが出来なくなるわ、レベルアップ早すぎだわ、一瞬で最弱だわ……。おまけに〝デスゲーム〟。面白いけどあんまりだ……」
一体運営は。どういう頭でサービスをしているのやら。部外者が考えることではないけど気にしてしまう。俺はそんなことを考えながらフロアを進む。
道行く可愛い女性プレイヤー。がっしりとした体格の良い男性プレイヤーに、幼い子供プレイヤー。様々な人達で溢れていた。
「割とプレイ人口多いんだなぁ~」
中世ヨーロッパ風の建て物が立ち並び、道がはっきりしていて、歩きやすい第二層の街。すれ違う人も様々で、とても賑わっていた。
建ち並ぶ店も多種に渡り、装備のレパートリーも街行く人を見ればよくわかる。
全体的に〝剣士〟が多数派か? 俺も含めて、剣を身につけたプレイヤーが、その大半を占めている気がした
『ただいま、三代目【アーサーラウンダー】メンバー募集中です‼』
少し離れた場所から聞こえた声。主を探すと、目に入ったのは小柄な明るい茶髪の少女。身長は小学生サイズで幼く見えるが、多分俺より歳上だと思う。
『あ‼ そこのお兄さんどうですか?』
その少女から飛んできたのは、勧誘の言葉だった。
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