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第13話
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祖母は週三回うちに通っていたけれど,週一回,毎週金曜日がお泊まりだった。お泊まりの日は,妹二人と交代で祖母と同じベッドで寝ていた。
寝る時間は早いのでまだ眠くない,まだ寝たくない時もあったが,祖母が寝入るまで手を強く握り、横で寝るのだった。
その時,私を困らせることが一つあった。祖母が寝て,自分も眠くなってくると祖母の手を離さないと,どうしても眠れないということだった。
困る理由はニつあった。一つ目は寝ても,祖母が私の手をしっかりと握っていて,手がなかなか抜けないことだった。ニつ目は,祖母とこうして手を繋いで寝れるのは今だけなのに、自分から手を離すのは嫌だということだった。
でも,手を抜かないといつまでも眠れないので,ごめんなさいと内心で呟きながらいつも手を抜いて寝たのだった。
息子が生まれてから、この祖母との思い出が蘇る瞬間が度々ある。授乳期間中は,寝ても乳首をくわえたままだったし,卒乳しても私のお腹の上に乗って寝たり,私の腕や服にしがみついたまま寝たりするのだ。昼間は,苦しい姿勢でも我慢しているけれど,夜はどう頑張ってもそのままでは眠れない。睡眠不足になると生活に支障が出るし,体調にも影響が出る。息子が深く寝入ったことを確かめてから,自分の体と息子の体を引き離し寝ている。
しかし,今もやっぱり思う。私の体にしがみついたまま寝てくれるのは今だけなのに,この天使のような笑顔を眺めながら眠れるのは今だけなのに,自分から離れたくないと。祖母のことがあるから,なおさら強くそう思うのかもしれない。
寝る時間は早いのでまだ眠くない,まだ寝たくない時もあったが,祖母が寝入るまで手を強く握り、横で寝るのだった。
その時,私を困らせることが一つあった。祖母が寝て,自分も眠くなってくると祖母の手を離さないと,どうしても眠れないということだった。
困る理由はニつあった。一つ目は寝ても,祖母が私の手をしっかりと握っていて,手がなかなか抜けないことだった。ニつ目は,祖母とこうして手を繋いで寝れるのは今だけなのに、自分から手を離すのは嫌だということだった。
でも,手を抜かないといつまでも眠れないので,ごめんなさいと内心で呟きながらいつも手を抜いて寝たのだった。
息子が生まれてから、この祖母との思い出が蘇る瞬間が度々ある。授乳期間中は,寝ても乳首をくわえたままだったし,卒乳しても私のお腹の上に乗って寝たり,私の腕や服にしがみついたまま寝たりするのだ。昼間は,苦しい姿勢でも我慢しているけれど,夜はどう頑張ってもそのままでは眠れない。睡眠不足になると生活に支障が出るし,体調にも影響が出る。息子が深く寝入ったことを確かめてから,自分の体と息子の体を引き離し寝ている。
しかし,今もやっぱり思う。私の体にしがみついたまま寝てくれるのは今だけなのに,この天使のような笑顔を眺めながら眠れるのは今だけなのに,自分から離れたくないと。祖母のことがあるから,なおさら強くそう思うのかもしれない。
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