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4章
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私が泣いている間、彼は先ほどの強引さとは打って変わって、優しい手つきで私の髪を撫でていた。
そんな風にするなら離して!と何度声をあげようかと思ったが、きっとそれをしても彼は私を離してくれない事は想像がついた。
しばらくして、私が落ち着いたのを見計らって、ようやく彼が身体を離した。
ようやく解放されるのかと、思った矢先。両肩を掴まれて彼の向かい合う形になる。
彼の真剣な、どこか思い詰めた瞳が、強い光を放って私を見ていた。
「俺と結婚してくれアーシャ、今度こそ俺は君を離したくない」
信じられない言葉。
遥か昔には聞きたかった言葉
そして今は聞きたく無かった言葉。
あぁ神様は、どこまでも私もお許しにならないのね。
「ダメだわ!」
すぐに首を大きく横に振って拒絶する。
「大丈夫だ」
離れようとする私を、彼は自分の身体に縫いとめるように巻き込む。
今すぐ離れたいのに
やはりその力にはかなわなくて、それでも彼の胸に抱かれていることが切なくて我慢ならなかった。
「お願い」
懇願するように見上げると、彼は傷ついた瞳のまま
「何故なのか教えてくれ」
逆に懇願するように言われてしまった。
何故なのか、それは分かっているはずだ!と言いかけて、そこで私はある事に気がつく。
彼はどこまで叔母夫妻から話を聞いたのだろうか?
「どこまで?どこまで貴方は聞いたの?」
気がつけば、掴みかかるように彼を見上げていた。
「どこ?」
彼が訝し気に眉を寄せた。
「いえ、、その、叔母達からどういう説明を受けたの?」
言葉を変えてみれば
今度は困惑したように彼が口籠る。
「嫌なことを思い出さないか?」
「大丈夫よ、そんな事じゃあ発作は起こさないから」
彼の手が優しく私の背中をさすりだした。
私の変化にすぐ気づけるようにしているのだろう。
そんな優しさが、また切なくて、この人の胸に飛び込んでしまえたらどんなに良かったのかと、胸の奥がジクジクと痛んだ。
「君が、あの親子から虐待を受けていたと。保護された時には痩せて身体に無数のアザや鞭傷があったと」
「そう、聞いたのはそこまで?」
安堵する。良かった、流石に叔母達も一番話して欲しくない事は伏せてくれたらしい。
しかし、そこで私は気の緩みから失敗した事に気づく
「まだ何かあるのか、、、まさか!」
鋭い怒気を含んだ声と共に、ぎゅっと彼の拳が強く握られたのが分かった。
彼が思い至ってしまったことに、あわてて首を振る
「それはないわ!流石にその分別はあったの!本当よ!」
懇願するように見上げて、再度しまった!と思った。
これでは、彼に勘違いをして欲しくないと、必死になっているようにしか見えないではないか。
私を見下ろす彼が、心の底からホッとしたように表情を緩めて、再度私を抱き込む
「良かった。そんな事があったなら、俺は今すぐアイツを殺しに行こうと思っていたんだ」
チラッと私の頬を包む彼の手のひらにいくつもの爪の食い込んだ鬱血の跡があって、またしても私は泣き出しそうになる。
昔からそうなのだ。この人は、自分の事より私の事に心を痛めてくれるのだ。
だからこそ、この人の妻になれる事が嬉しくて、伯爵家をいずれ独立する彼に少しでも役に立てるようにと、父について外交を兄と共に領地運営を学んだ。
しかしそれも全て水の泡と消えた。
彼の胸を押す。
今度はすんなりと彼が離してくれた。
「ありがとう。色々と心配してくれて。」
彼の顔を見るのは辛くて、でもこれで最後だと自分に言い聞かせる。
「結婚の話だけど、ごめんなさい。私はもう誰とも結婚する気はないの」
彼の瞳が見開かれ、そして落胆の色に変わる。
「それに、貴方に私は相応しくない。私は貴方の足をひっぱることしかしないわ」
ブラッドは先の戦争で武功を挙げており、その功績から、婚姻とともに伯爵の位を叙爵することになっているのだ。そんな彼と結婚したらあの親子が黙っている訳がない。何かと手を出してくるに違いない。
妻になる者の実家も大切な後ろ盾の一つだ。
力になる以前に彼の足かせになるような事はできない。
彼の私の肩を掴む力が強くなる
「そんなの必要ない。俺は王太子殿下の特任騎士だ。それに君は殿下からも妃殿下からも信頼があるそれだけでも十分な後ろ盾だ」
「でもまだ、勤めて日が浅いわ。これからどうなるかも分からないのよ。そんな地盤の浅いものは十分な後ろ盾とはいえないわ」
「君の後見は、ノードルフ侯爵だろう。ウェルシモンズ家ではない」
「そんなの身元引受人でしかないわ」
叔父も叔母も、弱っているわたしを見かねて引き取ってくれたのだ。その上後ろ盾など頼むわけにはいかない。
「お願い離して、、これ以上こうしているのが辛い」
涙が頬を伝うのがわかるが拭う気力も起きない。
彼を拒絶しながら、どこかで彼をまだ諦めらない自分にもう後戻りは出来ないのよと鞭を打つ。
そんな私を見下ろしながら、彼はまだ諦めてないとでも言うように手に力が入ったままだ。
「辛くなんてならなくていいんだ」
「ごめんなさい」
「アーシャ!」
「お願い!諦めて!」
「なぜだ、」
最後に絞り出した彼の言葉は、苦し気で私はもう一度消え入りそうな声で「ごめんなさい」と詫びた。
彼の手が一瞬、ギュッと力を入れて、そしてゆっくりと私を離した。
「分かった。君がそこまで言うのなら、ただ一つ教えてほしい。」
そう言って私から離れた彼は、先程の結婚を申し込んだ時と同じように緊張しているように見えた。
「本当の事を教えてほしい。もし、兄上が生きておられて、あのまま俺が士官学校を卒業して、君に結婚を申し込んでいたのなら、君はうなずいてくれていたか?」
何を今更そんな話をと思ったが、彼の瞳の真剣な色が戯れではない事を物語っていて、これは真剣に答えるべきだと、唾を飲み込んだ。
私にウェルシモンズ家の後ろ盾があって、彼の知っている綺麗なままの私であったなら迷う事なく、彼の手を取っていた事は明白だ。
地獄のような日々の中で、これが夢で起きたら全が元通りで、彼が迎えに来てくれたのならと、救いのように夢にまで見ていたそれは、今ではもう取り返しがつかないところまで来てしまったのだ。
けれど、この気持ちだけには嘘はつきたく無かった。
「えぇ、きっと頷いていたわ。もしそんな幸福な運命であったらね」
しっかりと彼の瞳を見つめてうなずく。
また涙が流れたが、それを拭おうと伸ばした彼の手が途中で止まる。
そしてきつく拳を握り込んだ。
きっとまたあの大きな手のひらに、傷ができている。
話は終わりと言わんばかりの私に、彼も根負けしたのか、ノロノロと立ち上がる。
窓辺までついていくと、最後に彼が振り返り、強引に腕を掴まれ引き寄せられた。
抵抗する間も無く、彼の唇が、重ねられ、そしてすぐに離れた。
「初恋の餞別にこれくらいはいただかないとな」
そう笑った彼は、あっけに取られる私を残して、一気にバルコニーに出ると。
軽い足取りで手すりを乗り越えて、消えた。
あっと思ってバルコニーに出ると。
軽くかすかな着地の音と、そのまま走り去る足音が暗闇の中で微かに聞こえた。
バルコニーの扉を閉め、カーテンを引くと、そのままズルズルとその場に崩れ落ちる。
これで本当に終わってしまったのだ。
暖かくて愛おしかったわたしの場所はもう過去のものになって戻っては来ない。随分前に諦めたはずだったのに、実際に彼に結婚を申し込まれて、心の奥で少し揺らいだ。
それでも彼を不幸にしてしまうと分かっていてその手をとる事はできない。
それに
先ほどの口付けのせいか、まだ熱っている唇に手を当てる。
彼に愛される事を知ってしまったら、わたしは益々自分が許せなくなるに決まっているのだ。
そんな風にするなら離して!と何度声をあげようかと思ったが、きっとそれをしても彼は私を離してくれない事は想像がついた。
しばらくして、私が落ち着いたのを見計らって、ようやく彼が身体を離した。
ようやく解放されるのかと、思った矢先。両肩を掴まれて彼の向かい合う形になる。
彼の真剣な、どこか思い詰めた瞳が、強い光を放って私を見ていた。
「俺と結婚してくれアーシャ、今度こそ俺は君を離したくない」
信じられない言葉。
遥か昔には聞きたかった言葉
そして今は聞きたく無かった言葉。
あぁ神様は、どこまでも私もお許しにならないのね。
「ダメだわ!」
すぐに首を大きく横に振って拒絶する。
「大丈夫だ」
離れようとする私を、彼は自分の身体に縫いとめるように巻き込む。
今すぐ離れたいのに
やはりその力にはかなわなくて、それでも彼の胸に抱かれていることが切なくて我慢ならなかった。
「お願い」
懇願するように見上げると、彼は傷ついた瞳のまま
「何故なのか教えてくれ」
逆に懇願するように言われてしまった。
何故なのか、それは分かっているはずだ!と言いかけて、そこで私はある事に気がつく。
彼はどこまで叔母夫妻から話を聞いたのだろうか?
「どこまで?どこまで貴方は聞いたの?」
気がつけば、掴みかかるように彼を見上げていた。
「どこ?」
彼が訝し気に眉を寄せた。
「いえ、、その、叔母達からどういう説明を受けたの?」
言葉を変えてみれば
今度は困惑したように彼が口籠る。
「嫌なことを思い出さないか?」
「大丈夫よ、そんな事じゃあ発作は起こさないから」
彼の手が優しく私の背中をさすりだした。
私の変化にすぐ気づけるようにしているのだろう。
そんな優しさが、また切なくて、この人の胸に飛び込んでしまえたらどんなに良かったのかと、胸の奥がジクジクと痛んだ。
「君が、あの親子から虐待を受けていたと。保護された時には痩せて身体に無数のアザや鞭傷があったと」
「そう、聞いたのはそこまで?」
安堵する。良かった、流石に叔母達も一番話して欲しくない事は伏せてくれたらしい。
しかし、そこで私は気の緩みから失敗した事に気づく
「まだ何かあるのか、、、まさか!」
鋭い怒気を含んだ声と共に、ぎゅっと彼の拳が強く握られたのが分かった。
彼が思い至ってしまったことに、あわてて首を振る
「それはないわ!流石にその分別はあったの!本当よ!」
懇願するように見上げて、再度しまった!と思った。
これでは、彼に勘違いをして欲しくないと、必死になっているようにしか見えないではないか。
私を見下ろす彼が、心の底からホッとしたように表情を緩めて、再度私を抱き込む
「良かった。そんな事があったなら、俺は今すぐアイツを殺しに行こうと思っていたんだ」
チラッと私の頬を包む彼の手のひらにいくつもの爪の食い込んだ鬱血の跡があって、またしても私は泣き出しそうになる。
昔からそうなのだ。この人は、自分の事より私の事に心を痛めてくれるのだ。
だからこそ、この人の妻になれる事が嬉しくて、伯爵家をいずれ独立する彼に少しでも役に立てるようにと、父について外交を兄と共に領地運営を学んだ。
しかしそれも全て水の泡と消えた。
彼の胸を押す。
今度はすんなりと彼が離してくれた。
「ありがとう。色々と心配してくれて。」
彼の顔を見るのは辛くて、でもこれで最後だと自分に言い聞かせる。
「結婚の話だけど、ごめんなさい。私はもう誰とも結婚する気はないの」
彼の瞳が見開かれ、そして落胆の色に変わる。
「それに、貴方に私は相応しくない。私は貴方の足をひっぱることしかしないわ」
ブラッドは先の戦争で武功を挙げており、その功績から、婚姻とともに伯爵の位を叙爵することになっているのだ。そんな彼と結婚したらあの親子が黙っている訳がない。何かと手を出してくるに違いない。
妻になる者の実家も大切な後ろ盾の一つだ。
力になる以前に彼の足かせになるような事はできない。
彼の私の肩を掴む力が強くなる
「そんなの必要ない。俺は王太子殿下の特任騎士だ。それに君は殿下からも妃殿下からも信頼があるそれだけでも十分な後ろ盾だ」
「でもまだ、勤めて日が浅いわ。これからどうなるかも分からないのよ。そんな地盤の浅いものは十分な後ろ盾とはいえないわ」
「君の後見は、ノードルフ侯爵だろう。ウェルシモンズ家ではない」
「そんなの身元引受人でしかないわ」
叔父も叔母も、弱っているわたしを見かねて引き取ってくれたのだ。その上後ろ盾など頼むわけにはいかない。
「お願い離して、、これ以上こうしているのが辛い」
涙が頬を伝うのがわかるが拭う気力も起きない。
彼を拒絶しながら、どこかで彼をまだ諦めらない自分にもう後戻りは出来ないのよと鞭を打つ。
そんな私を見下ろしながら、彼はまだ諦めてないとでも言うように手に力が入ったままだ。
「辛くなんてならなくていいんだ」
「ごめんなさい」
「アーシャ!」
「お願い!諦めて!」
「なぜだ、」
最後に絞り出した彼の言葉は、苦し気で私はもう一度消え入りそうな声で「ごめんなさい」と詫びた。
彼の手が一瞬、ギュッと力を入れて、そしてゆっくりと私を離した。
「分かった。君がそこまで言うのなら、ただ一つ教えてほしい。」
そう言って私から離れた彼は、先程の結婚を申し込んだ時と同じように緊張しているように見えた。
「本当の事を教えてほしい。もし、兄上が生きておられて、あのまま俺が士官学校を卒業して、君に結婚を申し込んでいたのなら、君はうなずいてくれていたか?」
何を今更そんな話をと思ったが、彼の瞳の真剣な色が戯れではない事を物語っていて、これは真剣に答えるべきだと、唾を飲み込んだ。
私にウェルシモンズ家の後ろ盾があって、彼の知っている綺麗なままの私であったなら迷う事なく、彼の手を取っていた事は明白だ。
地獄のような日々の中で、これが夢で起きたら全が元通りで、彼が迎えに来てくれたのならと、救いのように夢にまで見ていたそれは、今ではもう取り返しがつかないところまで来てしまったのだ。
けれど、この気持ちだけには嘘はつきたく無かった。
「えぇ、きっと頷いていたわ。もしそんな幸福な運命であったらね」
しっかりと彼の瞳を見つめてうなずく。
また涙が流れたが、それを拭おうと伸ばした彼の手が途中で止まる。
そしてきつく拳を握り込んだ。
きっとまたあの大きな手のひらに、傷ができている。
話は終わりと言わんばかりの私に、彼も根負けしたのか、ノロノロと立ち上がる。
窓辺までついていくと、最後に彼が振り返り、強引に腕を掴まれ引き寄せられた。
抵抗する間も無く、彼の唇が、重ねられ、そしてすぐに離れた。
「初恋の餞別にこれくらいはいただかないとな」
そう笑った彼は、あっけに取られる私を残して、一気にバルコニーに出ると。
軽い足取りで手すりを乗り越えて、消えた。
あっと思ってバルコニーに出ると。
軽くかすかな着地の音と、そのまま走り去る足音が暗闇の中で微かに聞こえた。
バルコニーの扉を閉め、カーテンを引くと、そのままズルズルとその場に崩れ落ちる。
これで本当に終わってしまったのだ。
暖かくて愛おしかったわたしの場所はもう過去のものになって戻っては来ない。随分前に諦めたはずだったのに、実際に彼に結婚を申し込まれて、心の奥で少し揺らいだ。
それでも彼を不幸にしてしまうと分かっていてその手をとる事はできない。
それに
先ほどの口付けのせいか、まだ熱っている唇に手を当てる。
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