34 / 95
第二章〜セカンドフィル〜
第三十二話「ドワーフ来襲 下」
しおりを挟む
俺の家のダイニングは、三人のドワーフによって占領され、蹂躙されていた。彼らが俺の食料庫から勝手に持ち出した、ハム、ソーセージ、チーズ、パン、干物。そして、机に叩きつけられるジョッキからこぼれ落ちる雫。
その全てが豪快であり、食い汚くもあった。
リンランディア、俺の旧友よ。お前はどんな意図で、こいつらを俺に紹介してきたんだ? 俺の考えが異常なのか? それとも、こいつらのこのノリが、こちらの常識なのか? こんな時にアリエル、旧友の妹である君が居れば、簡潔に教えてくれただろうに。
まぁいい。ここは俺の家で、俺が法そのものだ。きっちり、文句は言わせてもらおう。
最初に動いたのは、ティナだった。赤毛の太り気味のドワーフが、ソーセージを口に運んだ刹那を、彼女のレイピアが射抜いた。
「ぬぉ?!」
赤毛のドワーフが、そのソーセージに噛み付くと、歯と金属がぶつかり合う音がした。太く長いソーセージの真ん中を、端から端まで貫いたレイピアを、彼は噛んでいるのだ。
「どうだ? 美味いか? 血の味がするだろう? そのソーセージは血のソーセージだからな」
ティナは、赤毛のドワーフの口の中に、レイピアを突きつけたまま、彼をその場に立たせた。赤毛のおっさんは、ティナにされるがままダイニングテーブルから引き剥がされた。
もちろん、他のドワーフ達が黙っているわけはなかった。
「な、何をする! このダークエルフ!! 今すぐ、ヴァジムを離さんか!!」
「そうだ! 友人が訪ねてきたら、酒と食事と暖かい暖炉でもてなすのが常識だわい!」
白髪のドワーフと紫色のドワーフが喚き始めた。彼らが、武器を手にしてしまう前に、俺がまず手前にいた白髪のドワーフに掴みかかる。
「ごちゃ、ごちゃうるせぇんだよ!! どこの世界に、友人の友人の債務保証者になるバカが、どこに居るんだゴラァ!? いつから、俺とお前らがお友達になったんですか?! ボケるのも大概にせぇよ! さぁ、まずは大人しく一回家出てもらおうか? 臭いんじゃ己らぁ!!」
「なぁ、ぁ……」
白髪ドワーフは、俺の剣幕を前に声を絞り出すのが精一杯だったようだ。仲間の一人を人質に取ったおかげで、他の二人も大人しく言うことを聞いてくれた。ドワーフの三人の身ぐるみを剥がし、家の軒先に裸で立たせた。そして俺は、彼らに家に備え付けられていた蛇口とホースで、水を放出した。
まだ夏ではあるが、地下水を汲み取っている我が家の水道水は、大変冷たくドワーフの三人は三者三様の反応を見せた。
まず赤髪の小太りドワーフ、その体は、脂肪で覆い隠されては居るものの、小柄な力士のように、岩のような筋肉が隠されているのがわかった。
「ひゃぅ ちゅめたい」
次に、白髪の歴戦の猛者感が出ているドワーフ、その体には生々しい古傷が無数に刻まれていた。そして、頭から冷水を被せると、まるで滝行をしている人みたいに堂々と叫び始めた。
「ハアアアアアア!!」
最後は、ミラと同じ紫色の毛髪をしているドワーフ。彼は、丸い片眼鏡を掛けているのだが、外すように促してもがんとして外さなかった。表情の変化が、最も乏しい人柄だったのだ。試しに、股間に冷水を浴びせた。
「ほっ!? ほ……ほぉぉぉ」
ミラちゃんは、家の玄関から顔を覆いながら、顔を赤らめていて、指の隙間から彼らの痴態を除いていた。ティナと俺に至っては、自分たちでやった事とはいえ、なんとも居た堪れない不快感を感じて、顔を青くしていた。
「一応、謝っておくよティナ。変なもの見せて、ごめん」
「う、うむ。今日は寝つきが悪そうだ」
こうして、とりあえず彼らの体を洗い、衣服を洗濯し、彼らに土足で汚した床を掃除させ、リビングの長机で向かい合うように寛ぐに至った。
「はぁ……疲れた」
俺が、椅子に座って一息ついていると、正面に座っているドワーフ三人が目に入った。最初見たときは、衣服や装備品は泥に塗れていて、肌も黒く髪は乱れ、いかにもシラミでもいそうな見た目だったのに、今では肌は艶々、髪はモフモフである。まるで、大型犬を三頭並べたような愛嬌があった。
「ブハハハ! 悪かったな! まさか、水浴びに服まで洗濯してもらえるとは思わなかったぞい! 人間の家など、入ったことが無かったからの、靴を脱がなければいけないなどとは思いもしなかったわい! すまんかった!」
なんとも剛気な喋り方だろうか。根っからの陽キャなんだろうなドワーフって。ただ、歌舞伎町の頃によく見かけた、底抜けて明るいチャラ男のような不快感はなく、田舎の漁師のような腕力で解決するタイプだ。好きな人種ではないが、憎めない人種であることも事実。
「あははは~とにかく、勝手に家に入り込まない。土足で家にあがらない。これだけ守ってもらえれば、私は結構ですので」
「「「承知した」」」
息ぴったりな返答をもらい。俺はとりあえず、溜飲を下げた。ミラとティナは、仲良く二人で入浴中である。ミラも汚れていたので、ティナがかいた汗を流すついでに一緒に入ったのだ。
「それでは改めまして、自己紹介しましょう。私は、この家の主人でこの地で酒造りをしているショウゴです。どうぞよろしく」
「これはご丁寧に感謝するぞい! ワシは、ウラヌス山脈のドワーフ王国から来た、杜氏のアントンだ!」
そうやって、自己紹介をしてくれたのは白髪のドワーフである。俺は、杜氏という言葉を、俺以外が使っている事に驚愕した。以前、アーネット子爵と馬車の中で会話した際に、俺が自己紹介で杜氏という言葉を使ったのだが、貴族でさえ馴染みのない言葉だったようで、説明しなければならなかった。
杜氏とは、一つの酒蔵に必ず一人はいる、酒造りの最高責任者の事を指している。
「えっ! 杜氏って酒造りの長のことを意味する、杜氏ですか?!」
「そうじゃ! ワシは、ドワーフ王国の酒造を一手に任されとる。人間のくせに、杜氏を知っているとは、さすがじゃな」
「うわーー!! 嬉しいです! ずっとお会いしてみたかったんですよ、この世界の酒職人に。と言うことは、ここへはリンランディアさんに聞いてと言うことですか?」
「この世界? 変なことを言う奴じゃのう。まぁ良いか。その通り、行商のあのエルフとは、長い付き合いでのう。もうかれこれ、百年になるかのぅ。あいつは、物珍しいものを各地から集めてくる数奇者でな。それが面白くて、よく取引し取ったのだが、とうとうあやつがワシの腰を抜かせる程の、品を持ってきよったんだわい」
「もしかして、それが俺の酒だったんですか?」
白髪のじいさんは、ニヤッと笑った。深いしわが、より一層深く嬉しそうにして、口を開いてくる。
「うむ、そうじゃ。長いこと生きたが、この歳で新しい酒に出会えるとは思いもよらなかった。そこで、普段は山を降りないワシだが、会いたいと思ったのじゃ。ワシの中で燻っていた、新たな酒への挑戦心が息を吹き返したのを強く感じたからのぅ!」
白髪の爺さんドワーフの瞳は、その隣に座っている赤毛のドワーフと同じ深い赤色をしていた。それは太陽が西の大地に沈みかける時のような、夕焼け色で、まだ沈みはしない! という強い決意を感じさせる程に赤かった。
「そうですか、すごい嬉しいです」
この世界でも、俺と同じく酒造りをしている人がいるんだな。ブルガのエール工場にも足を運んだが、あそこに酒造りの情念などは無かった。あったのは、金儲けへの執着。でも、この人を前にしたらわかる。俺と同じ、燃える目をしていて酒が好きだと言うだけで、遠い地からここまでやって来てくれたんだろう。
以前、シールズ侯爵家でみた地図にはドワーフ王国の記載もあった。それは、ここよりはるか北東で、国を一つ挟んだ向こう側だった。もちろん、ランバーグ王国もウラヌス山脈と接してはいるが、それはわずかな部分だ。
「アントンさん、あなた方との出会いは少々行き違いがありましたが、私はあなた方を歓迎します。僭越ですが、私のお酒で今日は飲み明かしましょう」
「おぉ! それは良い! やはり、良き出会いに酒は欠かせぬものよ!! 酒じゃ! 宴じゃ! 踊れや歌えや、飲み明かせ!!」
白髪のアントンが、その渋い声で歌い出し、テーブルに身を乗り出しながら踊り始めてしまった。そして、その流れに俺も釣られて右拳を上に突き出して、大声を出した。
「「「おおお!!」」」
「全く一体、何を盛り上がっているんだ?」
「あぁ、ティナ」
ティナとミラが、お風呂から上がってきた。二人とも楽な格好をしていた。
「とりあえず、彼らを歓迎する事にしたんだ。良いよね?」
「まぁ、ショウゴが良いなら私は構わないぞ。そうとなれば、酒宴の準備をしよう」
ティナが、キッチンに向かうと、ミラがアヒルの子供のようについて行った。どうやらティナを手伝ってくれるようだ。可愛らしい子だな。
その後も、宴の準備が進む中で自己紹介は進んだ。赤毛のドワーフは、名をヴァジムと言ってアントンの息子だった。彼も、父アントンの元で酒造りを勉強中、いずれは父の後を継いで次代の杜氏になるらしい。
ミラと同じ髪色をしたドワーフは、名をドナートと言って、ドワーフ王国の義肢装具士だそうだ。鉱山での採掘中の事故や戦争で、腕や足を失った仲間の為に、より強力な腕や足を作っているそうだ。そして、ミラの叔父である。
意外なことに、彼はミラの付き添いで、ドナートが俺に会いに来たわけではなく、ミラが俺に会いたがったそうだ。それこそ、彼女一人でも旅立つ勢いで、両親のいない彼女の為に、ドナートが保護者としてついてきたと言う事らしい。
ミラちゃんが、俺に会いたがった? どうしてだろうか。後で聞いてみようと思う。
その全てが豪快であり、食い汚くもあった。
リンランディア、俺の旧友よ。お前はどんな意図で、こいつらを俺に紹介してきたんだ? 俺の考えが異常なのか? それとも、こいつらのこのノリが、こちらの常識なのか? こんな時にアリエル、旧友の妹である君が居れば、簡潔に教えてくれただろうに。
まぁいい。ここは俺の家で、俺が法そのものだ。きっちり、文句は言わせてもらおう。
最初に動いたのは、ティナだった。赤毛の太り気味のドワーフが、ソーセージを口に運んだ刹那を、彼女のレイピアが射抜いた。
「ぬぉ?!」
赤毛のドワーフが、そのソーセージに噛み付くと、歯と金属がぶつかり合う音がした。太く長いソーセージの真ん中を、端から端まで貫いたレイピアを、彼は噛んでいるのだ。
「どうだ? 美味いか? 血の味がするだろう? そのソーセージは血のソーセージだからな」
ティナは、赤毛のドワーフの口の中に、レイピアを突きつけたまま、彼をその場に立たせた。赤毛のおっさんは、ティナにされるがままダイニングテーブルから引き剥がされた。
もちろん、他のドワーフ達が黙っているわけはなかった。
「な、何をする! このダークエルフ!! 今すぐ、ヴァジムを離さんか!!」
「そうだ! 友人が訪ねてきたら、酒と食事と暖かい暖炉でもてなすのが常識だわい!」
白髪のドワーフと紫色のドワーフが喚き始めた。彼らが、武器を手にしてしまう前に、俺がまず手前にいた白髪のドワーフに掴みかかる。
「ごちゃ、ごちゃうるせぇんだよ!! どこの世界に、友人の友人の債務保証者になるバカが、どこに居るんだゴラァ!? いつから、俺とお前らがお友達になったんですか?! ボケるのも大概にせぇよ! さぁ、まずは大人しく一回家出てもらおうか? 臭いんじゃ己らぁ!!」
「なぁ、ぁ……」
白髪ドワーフは、俺の剣幕を前に声を絞り出すのが精一杯だったようだ。仲間の一人を人質に取ったおかげで、他の二人も大人しく言うことを聞いてくれた。ドワーフの三人の身ぐるみを剥がし、家の軒先に裸で立たせた。そして俺は、彼らに家に備え付けられていた蛇口とホースで、水を放出した。
まだ夏ではあるが、地下水を汲み取っている我が家の水道水は、大変冷たくドワーフの三人は三者三様の反応を見せた。
まず赤髪の小太りドワーフ、その体は、脂肪で覆い隠されては居るものの、小柄な力士のように、岩のような筋肉が隠されているのがわかった。
「ひゃぅ ちゅめたい」
次に、白髪の歴戦の猛者感が出ているドワーフ、その体には生々しい古傷が無数に刻まれていた。そして、頭から冷水を被せると、まるで滝行をしている人みたいに堂々と叫び始めた。
「ハアアアアアア!!」
最後は、ミラと同じ紫色の毛髪をしているドワーフ。彼は、丸い片眼鏡を掛けているのだが、外すように促してもがんとして外さなかった。表情の変化が、最も乏しい人柄だったのだ。試しに、股間に冷水を浴びせた。
「ほっ!? ほ……ほぉぉぉ」
ミラちゃんは、家の玄関から顔を覆いながら、顔を赤らめていて、指の隙間から彼らの痴態を除いていた。ティナと俺に至っては、自分たちでやった事とはいえ、なんとも居た堪れない不快感を感じて、顔を青くしていた。
「一応、謝っておくよティナ。変なもの見せて、ごめん」
「う、うむ。今日は寝つきが悪そうだ」
こうして、とりあえず彼らの体を洗い、衣服を洗濯し、彼らに土足で汚した床を掃除させ、リビングの長机で向かい合うように寛ぐに至った。
「はぁ……疲れた」
俺が、椅子に座って一息ついていると、正面に座っているドワーフ三人が目に入った。最初見たときは、衣服や装備品は泥に塗れていて、肌も黒く髪は乱れ、いかにもシラミでもいそうな見た目だったのに、今では肌は艶々、髪はモフモフである。まるで、大型犬を三頭並べたような愛嬌があった。
「ブハハハ! 悪かったな! まさか、水浴びに服まで洗濯してもらえるとは思わなかったぞい! 人間の家など、入ったことが無かったからの、靴を脱がなければいけないなどとは思いもしなかったわい! すまんかった!」
なんとも剛気な喋り方だろうか。根っからの陽キャなんだろうなドワーフって。ただ、歌舞伎町の頃によく見かけた、底抜けて明るいチャラ男のような不快感はなく、田舎の漁師のような腕力で解決するタイプだ。好きな人種ではないが、憎めない人種であることも事実。
「あははは~とにかく、勝手に家に入り込まない。土足で家にあがらない。これだけ守ってもらえれば、私は結構ですので」
「「「承知した」」」
息ぴったりな返答をもらい。俺はとりあえず、溜飲を下げた。ミラとティナは、仲良く二人で入浴中である。ミラも汚れていたので、ティナがかいた汗を流すついでに一緒に入ったのだ。
「それでは改めまして、自己紹介しましょう。私は、この家の主人でこの地で酒造りをしているショウゴです。どうぞよろしく」
「これはご丁寧に感謝するぞい! ワシは、ウラヌス山脈のドワーフ王国から来た、杜氏のアントンだ!」
そうやって、自己紹介をしてくれたのは白髪のドワーフである。俺は、杜氏という言葉を、俺以外が使っている事に驚愕した。以前、アーネット子爵と馬車の中で会話した際に、俺が自己紹介で杜氏という言葉を使ったのだが、貴族でさえ馴染みのない言葉だったようで、説明しなければならなかった。
杜氏とは、一つの酒蔵に必ず一人はいる、酒造りの最高責任者の事を指している。
「えっ! 杜氏って酒造りの長のことを意味する、杜氏ですか?!」
「そうじゃ! ワシは、ドワーフ王国の酒造を一手に任されとる。人間のくせに、杜氏を知っているとは、さすがじゃな」
「うわーー!! 嬉しいです! ずっとお会いしてみたかったんですよ、この世界の酒職人に。と言うことは、ここへはリンランディアさんに聞いてと言うことですか?」
「この世界? 変なことを言う奴じゃのう。まぁ良いか。その通り、行商のあのエルフとは、長い付き合いでのう。もうかれこれ、百年になるかのぅ。あいつは、物珍しいものを各地から集めてくる数奇者でな。それが面白くて、よく取引し取ったのだが、とうとうあやつがワシの腰を抜かせる程の、品を持ってきよったんだわい」
「もしかして、それが俺の酒だったんですか?」
白髪のじいさんは、ニヤッと笑った。深いしわが、より一層深く嬉しそうにして、口を開いてくる。
「うむ、そうじゃ。長いこと生きたが、この歳で新しい酒に出会えるとは思いもよらなかった。そこで、普段は山を降りないワシだが、会いたいと思ったのじゃ。ワシの中で燻っていた、新たな酒への挑戦心が息を吹き返したのを強く感じたからのぅ!」
白髪の爺さんドワーフの瞳は、その隣に座っている赤毛のドワーフと同じ深い赤色をしていた。それは太陽が西の大地に沈みかける時のような、夕焼け色で、まだ沈みはしない! という強い決意を感じさせる程に赤かった。
「そうですか、すごい嬉しいです」
この世界でも、俺と同じく酒造りをしている人がいるんだな。ブルガのエール工場にも足を運んだが、あそこに酒造りの情念などは無かった。あったのは、金儲けへの執着。でも、この人を前にしたらわかる。俺と同じ、燃える目をしていて酒が好きだと言うだけで、遠い地からここまでやって来てくれたんだろう。
以前、シールズ侯爵家でみた地図にはドワーフ王国の記載もあった。それは、ここよりはるか北東で、国を一つ挟んだ向こう側だった。もちろん、ランバーグ王国もウラヌス山脈と接してはいるが、それはわずかな部分だ。
「アントンさん、あなた方との出会いは少々行き違いがありましたが、私はあなた方を歓迎します。僭越ですが、私のお酒で今日は飲み明かしましょう」
「おぉ! それは良い! やはり、良き出会いに酒は欠かせぬものよ!! 酒じゃ! 宴じゃ! 踊れや歌えや、飲み明かせ!!」
白髪のアントンが、その渋い声で歌い出し、テーブルに身を乗り出しながら踊り始めてしまった。そして、その流れに俺も釣られて右拳を上に突き出して、大声を出した。
「「「おおお!!」」」
「全く一体、何を盛り上がっているんだ?」
「あぁ、ティナ」
ティナとミラが、お風呂から上がってきた。二人とも楽な格好をしていた。
「とりあえず、彼らを歓迎する事にしたんだ。良いよね?」
「まぁ、ショウゴが良いなら私は構わないぞ。そうとなれば、酒宴の準備をしよう」
ティナが、キッチンに向かうと、ミラがアヒルの子供のようについて行った。どうやらティナを手伝ってくれるようだ。可愛らしい子だな。
その後も、宴の準備が進む中で自己紹介は進んだ。赤毛のドワーフは、名をヴァジムと言ってアントンの息子だった。彼も、父アントンの元で酒造りを勉強中、いずれは父の後を継いで次代の杜氏になるらしい。
ミラと同じ髪色をしたドワーフは、名をドナートと言って、ドワーフ王国の義肢装具士だそうだ。鉱山での採掘中の事故や戦争で、腕や足を失った仲間の為に、より強力な腕や足を作っているそうだ。そして、ミラの叔父である。
意外なことに、彼はミラの付き添いで、ドナートが俺に会いに来たわけではなく、ミラが俺に会いたがったそうだ。それこそ、彼女一人でも旅立つ勢いで、両親のいない彼女の為に、ドナートが保護者としてついてきたと言う事らしい。
ミラちゃんが、俺に会いたがった? どうしてだろうか。後で聞いてみようと思う。
0
お気に入りに追加
1,257
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
『番外編』イケメン彼氏は警察官!初めてのお酒に私の記憶はどこに!?
すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の身は持たない!?の番外編です。
ある日、美都の元に届いた『同窓会』のご案内。もう目が治ってる美都は参加することに決めた。
要「これ・・・酒が出ると思うけど飲むなよ?」
そう要に言われてたけど、渡されたグラスに口をつける美都。それが『酒』だと気づいたころにはもうだいぶ廻っていて・・・。
要「今日はやたら素直だな・・・。」
美都「早くっ・・入れて欲しいっ・・!あぁっ・・!」
いつもとは違う、乱れた夜に・・・・・。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんら関係ありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる