とある神社の神事情～恋愛に闇落ちに趣味落ちに大忙し～

第1章 堕神

第5話 堕神

私は神だ。
解決策は提示しなければならないだろう。
別に提示しなくても放置して今まで通りにしていることもできる。
しかし、ここまで知ってしまったからには感情も移入する。
むしろこいつらの幸せを願ってしまう。
私は神だ。
すべての住民に平等である必要がある。
いやないな。
少なくとも誰かを助けていたのは私の欲を満たすため。今風でいうと自己顕示欲、承認欲求を満たしたかったのだ。
そうか。
私は神ではない。


「悪霊になればいいのだ。」


私は今日から悪霊だ。人民の願を興味本位、自身の都合で叶え、混乱の中に陥れても構わない。いままで我慢してきた分、ここらで一旦欲を開放してやる。もっと正直になろう














一週間後・・・2人を神社に呼び出した。なあに、2人の耳元で悪霊の如く喋っただけだ。驚いた顔も愉快であった。

私の要求を伝えた。
この神社の整備を3日に1回すること。
しなければ貴様らの秘密を暴露すること。
この神社の中は好き使っていいこと。


私の怒り声はそれはそれはこの2人を怖がらせただろう。1人笑っているが演技しろあほ。


神社で2人だけの時間を味あわせてやろう。何者にも邪魔されず。欲望のかぎり。その姿をみて私はニヤニヤする。あーこんな娯楽があるとは・・・この世の中捨てたものではないのぅ。


「百合」というジャンルがあることは、今後この2人が持ち込んだ漫画で知ることになるのはまた先の話。