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第二章

help me!-助けて-

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駄目だ、震えが止まらない。
こんなこと初めて。
どうしよう。どうしたらいいの。
助けて。誰か助けて。



君のせいでみんな死んだのに、
自分が辛い時は助けを求めるんだ。

それは…。

君さえいなければみんな生きてられたのに。

あなたは誰?

私が誰か?そんなのは君が1番わかっているはずだ。

どういうこと?

さぁな。自分で考えろ。

……。

ジェラルドもソフィアもリザルトもテオも
みんなみんな生きていたはずだ。
君さえいなければ。

つっっ。
私のせい?

そうだよ。
君さえいなければ、君さえいなければ。
村は滅ぶことなんてなかった。
村人全員死ぬことなんてなかったんだ。

そんな。

君だってよくわかってるはずだ。
自分がどういう存在なのかを。



「おい、フェア?」

「?」

「しっかりしろ。」

パチパチ。
目の前にセフィさんがいた。

「うわっ。」

驚いて、距離を取る。
何で、セフィさんが目の前に!?

「大丈夫か?」

何を考えているの?

「顔色悪いぞ。」

大丈夫なわけ。
ギロッ。
怖くない、怖くない。
大丈夫。大丈夫。

「そんな顔しなくても、
俺は別にフェアを壊したりはしない。」

そんなの信じられない。

「信用できないか?」

大きく首を振る。

「そうか。どうしたら信用する?」

どうしたら?
どうしたら私はセフィさんを信用する?
駄目だよ。信用したら。
どうせ逃げるんだから、信用する必要なんてないよ。

「そんなの分かんない。」

「分かんないか。まぁ、そうだよな。」

納得してくれた?

「信用云々は後々考えるとして、
ひとまず続き食べるか。」

「続き?」

「まだ美味しいデザートが残ってるぞ。」

「デザート!」

「ほらっ、食べに行こう。」

差し出された手を取ろうとして、止まる。

「どうかしたか?」

罠じゃないのかな?
そんなこと言って私に何かする気じゃないのかな?

「別に食事でつりはしない。
安心しろ。」

……。
全くもって安心出来ない。

「別に無理には勧めないが。
勿体無いなー、うちの料理人が作ったものは
美味しいのになー。」

美味しい。

「そこらのレストランには余裕で勝つ
美味しさなのになー。」

勝つ。

「季節のフルーツも使ってて、
盛り合わせでとっても美味しいのになー。」

季節のフルーツ。

「食べないなら俺がもらうが。」

「食べる!!」

く、口が勝手に。
私の意思に反抗して。

で、でも食べたい。
罠云々関係なく食べたい。

「では、持ってきますね。
お遊びはほどほどにしてあげてくださいね。
お嬢様が可哀想です。」

「お遊び?」

「あぁ。」

私、遊ばれただけ?
許さない。酷い、酷いよー。
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