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第一章
Reason -理由-
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「何か、あったのか?」
「えっ?」
「外に出てたから、何かあったのかと思ったのだが…」
「えっと…」
逃げようとしてました。なんて言えないよ。
いや、もういっそのこと素直に全て言っちゃう?
それも一つの手だよね。
でも…
さっきのセフィさん達の会話を思い出す。
ぶるっ。
寒気がした。
「もしかして、」
ビクッ。逃げようとしてたのバレた⁉︎
「不安にさせたか?」
不安に何で?
意味が分からず、首を傾げる。
「起きたら、誰も居なかっただろ。」
フルフルと首を振る。
「そんなことないです。大丈夫です。」
「なら、何で?」
あっ。失敗した…
今の質問、素直に答えないで嘘をつけば良かった。
「……。」
「言いづらいならいいんじゃないんですか、旦那様。
無理に聞かなくても。」
「……、そうだな。」
内心ほっとした。良かったー。
「そういえば、その大量の荷物は?」
「あぁ、これか?
フェルの為の洋服一式だろ。アクセサリーだろ。
小物だろ。」
「そんなに沢山…」
「あとは、ほらっ。」
もふもふしてる。可愛い。
「ぬいぐるみだ。」
「わんちゃん?」
「あぁ。そういうの好きなんだろ。年頃の子は。
リーアに聞いた。」
私の為に。嬉しい。
チラッとリーアさんの方を見る。
「えぇ。フェル様は熊のぬいぐるみは
持っているようでしたので。
犬のぬいぐるみはどうかと提案いたしました。
選ばれたのは旦那様です。」
ポロポロ。頬を伝うものを感じる。
涙が止まらない。
「ど、どうした!?」
「フェル様?」
「何か、怖がらせるようなことしたか?」
「違います。」
「なら何で?」
「嬉しくて。」
「別に高いものでも何でもないだろ。
どこにでも売っているようなものだぞ。」
「お金じゃないんです。
お金じゃなくて、私のことを考えてくれたことが
嬉しいんです。」
目を丸くされた。
私、変なこと言ったかな??
「セフィさん、リーアさん、」
「あぁ。」
「えぇ。」
「ありがとうございます!
一生大事にします!!」
「これは、なんていうかその。」
「照れますね。」
「そんなに喜んでもらえるとは…」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
「えへへ。」
「よろしくね。ティア。」
「ティア?」
「この子の名前です!」
「可愛い名前だな。」
「いい名前ですね。」
「そろそろ、車に戻るか。」
「そう、ですね。」
「分かりました。」
「えっ?」
「外に出てたから、何かあったのかと思ったのだが…」
「えっと…」
逃げようとしてました。なんて言えないよ。
いや、もういっそのこと素直に全て言っちゃう?
それも一つの手だよね。
でも…
さっきのセフィさん達の会話を思い出す。
ぶるっ。
寒気がした。
「もしかして、」
ビクッ。逃げようとしてたのバレた⁉︎
「不安にさせたか?」
不安に何で?
意味が分からず、首を傾げる。
「起きたら、誰も居なかっただろ。」
フルフルと首を振る。
「そんなことないです。大丈夫です。」
「なら、何で?」
あっ。失敗した…
今の質問、素直に答えないで嘘をつけば良かった。
「……。」
「言いづらいならいいんじゃないんですか、旦那様。
無理に聞かなくても。」
「……、そうだな。」
内心ほっとした。良かったー。
「そういえば、その大量の荷物は?」
「あぁ、これか?
フェルの為の洋服一式だろ。アクセサリーだろ。
小物だろ。」
「そんなに沢山…」
「あとは、ほらっ。」
もふもふしてる。可愛い。
「ぬいぐるみだ。」
「わんちゃん?」
「あぁ。そういうの好きなんだろ。年頃の子は。
リーアに聞いた。」
私の為に。嬉しい。
チラッとリーアさんの方を見る。
「えぇ。フェル様は熊のぬいぐるみは
持っているようでしたので。
犬のぬいぐるみはどうかと提案いたしました。
選ばれたのは旦那様です。」
ポロポロ。頬を伝うものを感じる。
涙が止まらない。
「ど、どうした!?」
「フェル様?」
「何か、怖がらせるようなことしたか?」
「違います。」
「なら何で?」
「嬉しくて。」
「別に高いものでも何でもないだろ。
どこにでも売っているようなものだぞ。」
「お金じゃないんです。
お金じゃなくて、私のことを考えてくれたことが
嬉しいんです。」
目を丸くされた。
私、変なこと言ったかな??
「セフィさん、リーアさん、」
「あぁ。」
「えぇ。」
「ありがとうございます!
一生大事にします!!」
「これは、なんていうかその。」
「照れますね。」
「そんなに喜んでもらえるとは…」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
「えへへ。」
「よろしくね。ティア。」
「ティア?」
「この子の名前です!」
「可愛い名前だな。」
「いい名前ですね。」
「そろそろ、車に戻るか。」
「そう、ですね。」
「分かりました。」
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