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第一章

Shopping -お買い物-

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「ふぁあ」

ね、眠い…

「眠いのか?」

「あっ、いえ、大丈夫です。」

「眠いなら無理しなくていいからな。」

「でも…」
また、あくびが…
ね、眠い。

「では、お言葉に甘えて。」

「ああ、そうしとけ。
まだ、屋敷までは時間、かかるからな。」

そうなんだ。お屋敷、遠いんだろうな…

「おやすみ、フェア。」

「おやすみなさいませ。フェア様。」


すー。すー。



んっ、車が止まったみたい。
お屋敷に着いたのかな?

「随分、懐かれたようですね。
最初はあんなに怯えていたのに。」

「あぁ、そうだな。気持ち良さそうだ。」

私、起きるタイミング間違えたかな。
寝たふりでもしようかな。

「それで、どうしますか?」

「ひとまず、逃げられないようにだけしとけ。」

「かしこまりました。」

「まぁ、もしも逃げようとしたら、
多少手荒な真似をしても構わない。」

「かしこまりました。
ですが、その辺りのことは基本的に
旦那様にお任せいたします。」

私、どうなるの⁇

「さてさて、フェア様の服でも買いに行きますか。」

「あぁ、そうだな。
フェアは寝てるか…?」

起きてはいるんですが、
頭を整理したいのでこのまま寝たふりしましょうか。

「では、私達だけで行きましょうか。」

「あぁ、そうだな。」

ガチャ。

そおっと起き上がる。
さっきの話、どういう事なんだろう。
手荒な真似か…

カーテンの隙間からそっと外を見る。
耳がついていたり角が生えていたり、
今までに見たこともない人達が歩いている。

やっぱり、ここは私の元いた世界とは違うんだ。
薄々は気づいていた。
人身売買なんて、私の元いた世界ではあり得ない。
街並みも似ているけど違う。
それに、私の元いた世界に…
首輪を、手錠を足枷を付けられていた子なんて
いなかった。そんな,奴隷みたいな子……

そういえば、何でセフィさんは私を買ったんだろう?
私、奴隷なのかな。

あれっ?そういえば、今なら逃げれるんじゃ?
あっ、でも鍵がかかってるかな?

ガチャ。

開いちゃった…!?
こうなったら、早く逃げよう。
逃げれる機会なんてそう訪れないよね。

クルっと方向転換する。
どっちに逃げたらいいんだろう。
ひとまず、車が通った道の方に…

「フェア?」
「フェア様?」

振り返るとセフィさんとリーアさんがいた。
あっ、見つかった…
どうしよう、どうしたら…

私、どうなるの?
私、殺されるの?
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