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第一章 出会い

いま、なんじですか…?

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本当に幸せそうに食べるな。
飴ひとつでこんな顔するなら、
今度はもっと買ってくるかな。

「はっ!!」

何事だ。
急に声を上げられるとさすがに驚くな。

「どうした?」

口をパクパクとするだけじゃ
何が言いたいか分からないぞ。

「一旦、落ち着け。深呼吸でもしとけ。」

すー、はー、すー、はーと何回か繰り返している。
呼吸が落ち着いたな。

「落ち着いたか?」

コクコクと首を縦に振っている。

「それで、どうしたんだ?」

「あっ、えっと……
この飴、お供え物だったんじゃ…」


そんな事を考えていたのか…
「供え物じゃないし、気にしなくて大丈夫だ。
この飴は俺が前に外に出た時にかったものだ。」

「あっ、良かったー。」

供え物だろうと別に気にしなくて良いと思うがな。

「あれっ?神様、玲雅さんも外に出るんですか?」

「あぁ。俺が外に出たら問題あるか?」

ブンブンと激しく首を振っている。
そんな必死にならなくても大丈夫だぞ。

「たまに出かけることもある。気分転換にな。」

「そうなんですね。」

「あぁ。」



話のネタが尽きたな。
どうするか。

「ふぁーあ。」

沈黙を破ったのは、結愛のあくびだった。

「眠いのか?」

コクリ。

「あぁ、人間は寝る時間だな。」

「そうなんですか?」

「あぁ。時計がないから分かりずらいかもだが、
もう夜中だぞ。人間の感覚でいくなら
深夜0時くらいか。」

「玲雅さんは眠くないんですか?」

「神に睡眠はいらないからな。」

「えっ!!」

眠気も吹っ飛ぶような驚き方だな。

「睡眠だけじゃない。
食事も休息も別になくて問題ない。」

「なら、何も食べないんですか?」

「いや、食べるぞ。
食べなくても問題ないだけで、味は感じるからな。」

「そうなんですね。
なら、生贄はなんのために存在してるんですか?」

「……。」
中々、良い質問をする。

「そのことについては長くなるからまた明日話すな。」

頭を撫でる。
髪、サラサラだな。

「もう寝ろ。明日に響くぞ。」

「玲雅さん、隣にいてくれる?」

「あぁ、それを望むなら。」
さっきの反応からして俺がいるのが
嫌なのかと思っていたが。

「なら、手繋いで。」

そんなことないんだな。

「分かった。ゆっくりおやすみ。
良い夢を。」

「おやすみなさい。」

すーすー。
規則正しい寝息が聞こえてくる。
やはり、疲れていたんだな。

「れーいーがー!」

「由梨!?
静かにしろ。結愛が起きる。」

「あー、ごめんごめん。」

「それで何のようだ?」

「その子について。
色々、面白いことが分かったんだよねー。
聞きたい?聞きたいー?」
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