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何というか、可愛い。
天使のよう、この表現が正しいかは分からないが。
人間なら天使に例えるのか。

「悪魔さんは?悪魔さんの名前は?」

俺か、俺は

「トイフェル。」

「トイフェルさん?トイフェル様?」

「トイ、でいい。様はどっちでも。」

「なら、トイさん。」

「あぁ。」

「トイと言えばオモチャ?」

「玩具ではない。」
悪魔だ。

「ごめんなさい。」

「構わん、気にしてない。」
人に名前をつける時に玩具なんて付けないだろ。

「そうですか?」

安心しろ、そう言いながら黒髪を撫でる。
シュバルツハーリックだったか。
サラサラしている。

「ふぁー。」

あくび?人間にとっては寝る時間か。

「気がつかなくて悪かったな。
ひとまず、この部屋を使え。」

「えっ?
この部屋はトイさんのなんじゃ?」

「我は人間とは違う。
人間が眠る時間に起きる夜型の生き物だ。」

「お風呂もある。
ベッドも自由に使え。

後で飲み物と着替えを持って来させる。」

「ありがとうございます。」

「では、失礼する。」

「失礼いたします。」

■□■□■□■□

はぁー、緊張した。
怖かった。

「母様、大丈夫かな?」

父様が血まみれで倒れて。
母様が殺されかけて。
私が支払いを…。

あれっ?まだ私支払ってないよね。
いつ払えばいいんだろう。
どうしたらいいのかな?

お風呂入る?でも着替えもタオルもないし…。
コンコンコン。誰?

「お着替えをお持ちしました。」

この声はディーナーさん?

「開けてもいいですか?」

「あっ、はい。大丈夫です。」

「失礼します。
お着替えをどうぞ。」

「ありがとうございます。」

ディーナーさんが手に持つ物の方を見る?
カップにお皿?

「こちらはティーセットです。
好きなものを好きなだけどうぞ。
お菓子もありますので。」

「他にも必要なものがあればおっしゃってください。」

「タオルが欲しいです。
あと、ペンとメモが…。」

「タオルはバスタオルで構いませんか?
ペンとメモは何に使われますか?」

「はい、バスタオルをお願いします。
ペンとメモは日記を書きたくて…。
無理なら良いんです。」

「問題ありません。お持ちします。」

程なくして、コン コン コン。
と音がする。
ディーナーさんと扉の叩き方が違う?

「しっつれいしまーす!」

金髪に朱色の瞳をした女の人が入ってきた。
綺麗な人。

「可愛いー!」

ビクッ。体が勝手に震える。
ベッドの影に隠れるように距離を取る。

「メーフェ!!」

ディーナーさんの声だ。

「失礼しました。
メーフェ、扉を開けるのは許可を得てからだ。
それにセイン様が驚いている。
いきなり抱き着こうとするな。
セイン様は旦那様が連れて来た大事なお客様なんだ。」
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