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第二十五話 みんなでこれからも幸せに
しおりを挟む歓迎舞踏会当日。
もうすぐライト様がエスコートに来る時間だというのに問題が発生した。
ライト殿下の瞳の色に合わせて青いドレスを新調したのだけど、なんとティアラとドレスの色がまるかぶりだった。
「ご、ごめんなさい」とティアラが謝るけれど、決してティアラのせいではない。
というのもこのドレスを勝手に送ってきたのはアーレント様。
しかも「あなたはこのドレスを必ず着なければならない。着なければケビンを平騎士に降格する」という手紙が添えられていたとティアラが言うからたちが悪い。
オルガは春らしい薄い若葉色ドレスを着込み「ドレスの色が被っちゃだめなの?」と興味なしな反応。
舞踏会にドレスの換えを用意しておいてよかった。
「いいわ。私は黒地に差し色で青が入ったドレスにするわね」
時計を見ればライト様との待ち合わせの時間はもうすぐ。
「さあ、行きましょう」
私とオルガとティアラは舞踏会場に向かった。
ランディはライト様の変わりにティアラの護衛で私達の少し後ろを歩く。
開場前に大きな人の塊ができていた。
その塊の中心には2人の男性がいた。
ライト様とアーレント様だった。
私はライト様に、ティアラはアーレント様にエスコートを受ける。
その際アーレント様がランディに言った。
「もうティアラ護衛はいらない。今日はそうだな・・・。オルガのパートナーにでもなってやってくれ」
「え?でも脅迫状が・・・・・・」
ランディが脅迫状の話をしようとしたら「あ!」とアーレント様が言ってクスクス笑う。
「ああ、あれは私が作ったものだから大丈夫だ」
ええっ!?
何か今、物凄い爆弾発言しましたよね、アーレント様。
「ちょっと、王太子殿下、今の話ってどういう事ですか?」
ティアラも驚いてアーレント様に聞き返した。
「アカデミーに行けばたくさんの男達の目にティアラが写ってしまう。それが嫌でティアラがアカデミーに行くことを阻止するために送ったけど、意味なかったね」
にこにこしているがやっていることは犯罪まがい。
そのことにアーレント様は気付いていない。
まあ、おかげでこれから護衛はいらなくなるからいいのだけど、送り主がアーレント様って事が驚きでしかない。
「兄上。何やってくれたんですかっ。おかげでアリシアとすれ違って大変だったんですよ」
ライト様がアーレント様に文句を言う。
「ま、兄上のおかげでアリシアと近づけたからいいんですけどね」とポツリ。
アーレント様からオルガのパートナーにと言われたランディがスッとオルガに近づき手を差し出した。
「ダレス伯爵令嬢。お手をどうぞ」
ランディはオルガの気持ちに何も気づいてない様ね。これはオルガはこれからが大変ね。
ふう、と気を取り直してライト様を見る。
「行こうか」
「はい」
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目があってから一ヶ月。嫌われてなんかいなくて、婚約者様は私の事が大好きだった。
いろんな勘違いや人違いやすれ違いがあったけど、まだまだ人生はこれから。
よし、これからたくさん幸せを作っていくぞ。
「ライト様。これからもよろしくお願いしますね」
私の言葉にライト様は笑顔になる。
繋がれた手から温かい温度を感じながら私達は歓迎舞踏会の会場に入って行った。
END
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ライトーーーー!!
ロング(wrong)に改名しろやーー!!
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アホーー!!
感想ありがとうございます。
アリシアと一緒にいたいのにこのまま行けば確実に誤解されちゃいますよね。
もっとよく考えなくちゃですよね。