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第一話 婚約者は真実の愛に気づいたらしい
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「アリシア、僕は真実の愛に気付いたよ」
真実の愛。
政略結婚が当たり前の貴族社会では皆が憧れを抱くと共に、それは儚い夢だと誰もが思っている。
もちろん私もその一人。
真実の愛に憧れてはいても自分とは関係のない言葉だと思っている。
私の名前はアリシア・ヒューゴ。
リガルド王国のヒューゴ侯爵家の嫡女です。
今は王城にて婚約者であるリガルド王国の第二王子ライト・リガルド殿下とのお茶会の真っ最中。
お城の応接室にある大きな向かい合うソファーに座り、出された紅茶を私は啜っていた。
カップを口から離しソーサーにゆっくり戻す。
半分ほど残された紅茶の中に、紅茶と同系統の薄茶色の髪と焦げ茶色の瞳の私が、なんとも言えない表情でゆらゆらと写っていた。
本当はブブッと吹き出してしまいそうな程に殿下の言葉に心が乱されてたが、なんとか耐えた自分を褒めてあげたい。
お互いが8歳の時に婚約を結んでから15歳になった今まで、欠かすことなく続いてきた月に一度のお茶会。
今日も今日とて、お茶を飲んで他愛もない話をして終わるんだと思っていたのに、ライト殿下から発せられた言葉は私の度肝をぶち抜くものだった。
「真実の・・・・・・愛ですか?」
初めて会ったお茶会で私が笑顔で挨拶をした時に目が合った後、殿下に無言で下を向かれ嫌われていると理解した。
あれから殿下と視線を合わせることをしてこなかった私だが、驚きのあまり7年ぶりに不敬にも殿下をガン見してしまった。
そこにいたのは黒髪に青い宝石のような瞳をした麗しく逞しい青年だった。
私は思わず部屋中を見渡すが、何度見回してもこの部屋には私と目にいる青年の二人のみだった。
「え?あなた誰?殿下はどこに・・・・・・」
「ここにいる」
「いやいや、殿下はこーんなに小さくていつも下を向いていて私とこんなふうに普通の会話など絶対にしません。髪色と瞳の色が同じ影武者の方ですか?」
「・・・・・・は?何を馬鹿な事を・・・・・・」
そうそう。初めて会った時もそうやって私に対して真っ赤になって・・・・・・って。
「ええっ!ライト殿下!?」
ゴホンと咳払いをした殿下が椅子に座り、無駄に長い足を組み直した。
ちょっと、いきなり成長しすぎでは!?
私の記憶の中の殿下は初めて会った8歳のままなのですが。
「何を驚いている。毎月会っているだろう」
会っていましたけど、私いつも気まずくて下を向いていたので正直今の殿下に慣れてません!
まるで初めて会う人と話しているみたいに緊張します。
初めて会った時の殿下は、女の子みたいに可愛かったのに、逞しく成長し過ぎじゃないですかっ。
「で、真実の愛とやらはどこで見つけられたんですか?」
殿下の麗しく逞しい容姿に耐えられない私は殿下から視線を反らした。
反らした視線の先に大きな窓ガラスがあってそこに殿下が写っている。
しっかし、殿下は良い青年に成長されたものです。
15歳にしては筋肉も程よく付き、背も高い方なのではないでしょうか。
正直言って・・・・・・どストライクです!
しかし殿下はいつの間にやら、どこかで真実の愛に出会ってしまっているので、さしずめ今日は婚約解消の話と言うことでしょう。
「ああ。物凄く近くにあった」
「何ですって!?」
正直、真実の愛に遭遇できるだけで羨ましいと思っていたところなのに、その方が近くにいたなんて殿下はどれだけ運がいいのでしょう。
「それはそれは近くに、だ」
お相手に思いは伝えたのかしら?
めちゃめちゃ気になるんだけど、ちょっと待って!
ということは、私は殿下とお相手との仲を邪魔するお邪魔虫って事よね。
それなら私は早々に消える必要があるんじゃないのかしら。
「びっくりしました。殿下、目が合うのもお話するのも7年ぶりですね」
「ああ。アリシア、だから私と・・・・・・」
「ストッープ!」
私は殿下の言葉を遮りソファーから立ち上がった。
「殿下、言わずとも理解しております。私との婚約解消をお望みですね!」
「・・・・・・は?」
「どなたか存じませんが、愛しているのでしょう?私の事はお気になさらずにどうぞ真実の愛を貫いてくださいませ」
「アリシア、私は・・・・・・」
「御心配はいりません。私は殿下の味方です。でも、もし私の将来を少しでも案じてくださると言うのでしたら、殿下の代わりに新しい婚約者を充てがっていただけると誠にありがたいです」
この国の第二王子と婚約解消をしたとなれば、いくら公爵令嬢でも良家への嫁ぎ先がなくなるかもしれませんからね。
心からの善意でそう言ったのに、殿下の顔がみるみる般若の様な顔に変わっていった。
「君は 何を言ってるんだ」
「え?ですから、殿下の真実の愛を応援しようかと思いまして」
「君との婚約を解消する気はない」
「・・・・・・結婚は私とするけれど、妾を持つことを理解して欲しいという事ですね」
私という形だけの王子妃を隠れ蓑にして、真実の愛を陰で育むおつもりとは・・・・・・、いささかゲスいですわね、殿下。
「君は 何を言ってるんだ」
あ、殿下それ二度目ですね。
「大丈夫です、殿下」
「だから、何が!?」
「私達は紛うことなき政略結婚。愛人位どうって事ありませ・・・・・・」
私は貴族というものを両親からよくよく教わっていますし、こういった場合の貴族らしい回答ももちろん心得ています。
しかし殿下は最後まで私の話を聞かずに私の口をその手で塞いだ。
「それは、いずれ君も愛人を持つと言う事か?」
思ってもいない状況です。
気づけば殿下が私の前にいて、顔がとっても近いです。
「そ、そういうわけでは・・・・・・」
「ならこの話はこれで終わりだ。因みに僕は不倫や浮気などしない」
「いえ、殿下。あなたは既に不倫と同等の事をしています」
「・・・・・・は?」
「いくら真実の愛であろうと、今は私という婚約者がいるのです。これではせっかくの真実の愛が単なる二股になってしまいます!ですから殿下は、一刻も早く私との婚約を解消して真実の愛を成就すべきです」
「あのなぁ、アリシア」
「正直、婚約解消するのは勿体ないくらい殿下が格好良く成長していて戸惑っています。こんな事なら嫌われていても、もうちょっとそのお顔を拝んでおくべきでした」
「お、おい。ちょっと待て。嫌ってるって 誰が 誰を?」
「殿下が私を嫌っているに決まっていますわ」
「・・・・・・はぁ。参ったな」
私が言った言葉の何に殿下は参ったというのでしょうか。
殿下が前髪をクシャッと掴み後ろに撫で付けると、美しい青い瞳が私を捉えました。
「嫌ってなどいないと言ったら?」
「そんなはずはありません。殿下は私と初めて会って目が合ったあの時を最後に、私と視線を合わせようとしなかったではないですか」
「・・・・・・ああ。すまない」
「ほらご覧なさい。やっぱり私が嫌いなのです・・・・・・」
私が声高らかにそう言えば、殿下は大きなため息を一つついたあと、真っ赤な顔で呟いた。
「・・・・・・ったんだ」
「え?」
「君があまりにも可愛くて見つめられると恥ずかしかったんだ」
「な、何を仰るんですか」
思ってもいない言葉に私はうろたえてしまった。
え?私が、か、かわっ・・・・・・!?
「君はとても可愛いくて、僕は恥ずかしくてどうしようもなかったんだ。兄上に相談したらそれはきっと真実の愛だと言われたよ」
「え?」
ちょっと待ってください。
理解が出来ません。
嫌われてるんじゃなかったの?
「じゃあ、真実の愛のお相手は・・・・・・」
「もちろん君だよ、アリシア。ねえ、僕達まずは恋から始めてみないかい?」
そう言ってライト殿下は私の手の甲にキスを落とした。
壮絶な色気がライト殿下から出ていて、私はどうしていいか分からなくてあわあわしてしまった。
この時の私はきっと滑稽な顔をしていたでしょう。
顔から火が吹き出るのではないかと思う程に全身がまるで茹でダコのように熱かったのですから。
、、
真実の愛。
政略結婚が当たり前の貴族社会では皆が憧れを抱くと共に、それは儚い夢だと誰もが思っている。
もちろん私もその一人。
真実の愛に憧れてはいても自分とは関係のない言葉だと思っている。
私の名前はアリシア・ヒューゴ。
リガルド王国のヒューゴ侯爵家の嫡女です。
今は王城にて婚約者であるリガルド王国の第二王子ライト・リガルド殿下とのお茶会の真っ最中。
お城の応接室にある大きな向かい合うソファーに座り、出された紅茶を私は啜っていた。
カップを口から離しソーサーにゆっくり戻す。
半分ほど残された紅茶の中に、紅茶と同系統の薄茶色の髪と焦げ茶色の瞳の私が、なんとも言えない表情でゆらゆらと写っていた。
本当はブブッと吹き出してしまいそうな程に殿下の言葉に心が乱されてたが、なんとか耐えた自分を褒めてあげたい。
お互いが8歳の時に婚約を結んでから15歳になった今まで、欠かすことなく続いてきた月に一度のお茶会。
今日も今日とて、お茶を飲んで他愛もない話をして終わるんだと思っていたのに、ライト殿下から発せられた言葉は私の度肝をぶち抜くものだった。
「真実の・・・・・・愛ですか?」
初めて会ったお茶会で私が笑顔で挨拶をした時に目が合った後、殿下に無言で下を向かれ嫌われていると理解した。
あれから殿下と視線を合わせることをしてこなかった私だが、驚きのあまり7年ぶりに不敬にも殿下をガン見してしまった。
そこにいたのは黒髪に青い宝石のような瞳をした麗しく逞しい青年だった。
私は思わず部屋中を見渡すが、何度見回してもこの部屋には私と目にいる青年の二人のみだった。
「え?あなた誰?殿下はどこに・・・・・・」
「ここにいる」
「いやいや、殿下はこーんなに小さくていつも下を向いていて私とこんなふうに普通の会話など絶対にしません。髪色と瞳の色が同じ影武者の方ですか?」
「・・・・・・は?何を馬鹿な事を・・・・・・」
そうそう。初めて会った時もそうやって私に対して真っ赤になって・・・・・・って。
「ええっ!ライト殿下!?」
ゴホンと咳払いをした殿下が椅子に座り、無駄に長い足を組み直した。
ちょっと、いきなり成長しすぎでは!?
私の記憶の中の殿下は初めて会った8歳のままなのですが。
「何を驚いている。毎月会っているだろう」
会っていましたけど、私いつも気まずくて下を向いていたので正直今の殿下に慣れてません!
まるで初めて会う人と話しているみたいに緊張します。
初めて会った時の殿下は、女の子みたいに可愛かったのに、逞しく成長し過ぎじゃないですかっ。
「で、真実の愛とやらはどこで見つけられたんですか?」
殿下の麗しく逞しい容姿に耐えられない私は殿下から視線を反らした。
反らした視線の先に大きな窓ガラスがあってそこに殿下が写っている。
しっかし、殿下は良い青年に成長されたものです。
15歳にしては筋肉も程よく付き、背も高い方なのではないでしょうか。
正直言って・・・・・・どストライクです!
しかし殿下はいつの間にやら、どこかで真実の愛に出会ってしまっているので、さしずめ今日は婚約解消の話と言うことでしょう。
「ああ。物凄く近くにあった」
「何ですって!?」
正直、真実の愛に遭遇できるだけで羨ましいと思っていたところなのに、その方が近くにいたなんて殿下はどれだけ運がいいのでしょう。
「それはそれは近くに、だ」
お相手に思いは伝えたのかしら?
めちゃめちゃ気になるんだけど、ちょっと待って!
ということは、私は殿下とお相手との仲を邪魔するお邪魔虫って事よね。
それなら私は早々に消える必要があるんじゃないのかしら。
「びっくりしました。殿下、目が合うのもお話するのも7年ぶりですね」
「ああ。アリシア、だから私と・・・・・・」
「ストッープ!」
私は殿下の言葉を遮りソファーから立ち上がった。
「殿下、言わずとも理解しております。私との婚約解消をお望みですね!」
「・・・・・・は?」
「どなたか存じませんが、愛しているのでしょう?私の事はお気になさらずにどうぞ真実の愛を貫いてくださいませ」
「アリシア、私は・・・・・・」
「御心配はいりません。私は殿下の味方です。でも、もし私の将来を少しでも案じてくださると言うのでしたら、殿下の代わりに新しい婚約者を充てがっていただけると誠にありがたいです」
この国の第二王子と婚約解消をしたとなれば、いくら公爵令嬢でも良家への嫁ぎ先がなくなるかもしれませんからね。
心からの善意でそう言ったのに、殿下の顔がみるみる般若の様な顔に変わっていった。
「君は 何を言ってるんだ」
「え?ですから、殿下の真実の愛を応援しようかと思いまして」
「君との婚約を解消する気はない」
「・・・・・・結婚は私とするけれど、妾を持つことを理解して欲しいという事ですね」
私という形だけの王子妃を隠れ蓑にして、真実の愛を陰で育むおつもりとは・・・・・・、いささかゲスいですわね、殿下。
「君は 何を言ってるんだ」
あ、殿下それ二度目ですね。
「大丈夫です、殿下」
「だから、何が!?」
「私達は紛うことなき政略結婚。愛人位どうって事ありませ・・・・・・」
私は貴族というものを両親からよくよく教わっていますし、こういった場合の貴族らしい回答ももちろん心得ています。
しかし殿下は最後まで私の話を聞かずに私の口をその手で塞いだ。
「それは、いずれ君も愛人を持つと言う事か?」
思ってもいない状況です。
気づけば殿下が私の前にいて、顔がとっても近いです。
「そ、そういうわけでは・・・・・・」
「ならこの話はこれで終わりだ。因みに僕は不倫や浮気などしない」
「いえ、殿下。あなたは既に不倫と同等の事をしています」
「・・・・・・は?」
「いくら真実の愛であろうと、今は私という婚約者がいるのです。これではせっかくの真実の愛が単なる二股になってしまいます!ですから殿下は、一刻も早く私との婚約を解消して真実の愛を成就すべきです」
「あのなぁ、アリシア」
「正直、婚約解消するのは勿体ないくらい殿下が格好良く成長していて戸惑っています。こんな事なら嫌われていても、もうちょっとそのお顔を拝んでおくべきでした」
「お、おい。ちょっと待て。嫌ってるって 誰が 誰を?」
「殿下が私を嫌っているに決まっていますわ」
「・・・・・・はぁ。参ったな」
私が言った言葉の何に殿下は参ったというのでしょうか。
殿下が前髪をクシャッと掴み後ろに撫で付けると、美しい青い瞳が私を捉えました。
「嫌ってなどいないと言ったら?」
「そんなはずはありません。殿下は私と初めて会って目が合ったあの時を最後に、私と視線を合わせようとしなかったではないですか」
「・・・・・・ああ。すまない」
「ほらご覧なさい。やっぱり私が嫌いなのです・・・・・・」
私が声高らかにそう言えば、殿下は大きなため息を一つついたあと、真っ赤な顔で呟いた。
「・・・・・・ったんだ」
「え?」
「君があまりにも可愛くて見つめられると恥ずかしかったんだ」
「な、何を仰るんですか」
思ってもいない言葉に私はうろたえてしまった。
え?私が、か、かわっ・・・・・・!?
「君はとても可愛いくて、僕は恥ずかしくてどうしようもなかったんだ。兄上に相談したらそれはきっと真実の愛だと言われたよ」
「え?」
ちょっと待ってください。
理解が出来ません。
嫌われてるんじゃなかったの?
「じゃあ、真実の愛のお相手は・・・・・・」
「もちろん君だよ、アリシア。ねえ、僕達まずは恋から始めてみないかい?」
そう言ってライト殿下は私の手の甲にキスを落とした。
壮絶な色気がライト殿下から出ていて、私はどうしていいか分からなくてあわあわしてしまった。
この時の私はきっと滑稽な顔をしていたでしょう。
顔から火が吹き出るのではないかと思う程に全身がまるで茹でダコのように熱かったのですから。
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