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「お見事」
にやりと笑ったミケーレがグラスを差し出していた。
いまの一幕を見ていたのだ。
「どうも」
受け取って、香りを楽しんでからゆっくり口に含む。
消毒薬代わりの白ワインはよく冷えておいしかった。
「うまいね。ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ?」
気に入ったとにこりと笑い、舌先で唇を舐めた。
「そうだよ。さすが料理人」
「さっきのシャンパンもおいしかった」
「ありがとう。で、アランが絡むとわかってたのか?」
「ああ。船上パーティでも下らないことを抜かしてたから」
「下らないこと?」
「庶民がいるのは珍しいとかなんとか」
「ああ、アランはすこし血統にこだわるところがあるからね」
「血統? ていうかさ」
アキトは平然と言ってのけた。
「要するにあいつ、リカルドに惚れてるんだろ? なのにリカルドが俺を構うから気に入らないんだろ?」
「んー。正直言うと、一度寝たけど相手にされなかったんだな」
ミケーレがいたずらっぽい笑みを口元に浮かべて暴露する。
「だろうね。あいつのセックスつまんなさそ」
あっさり言い放ったアキトに、ミケーレは明るい笑い声を上げた。
「いいなあ、アキト。ねえ、一晩つき合ってよ」
首を傾げたアキトにミケーレは体を寄せた。
髪に手を差しいれて額に触れるだけのキスする。
「俺なら退屈なセックスはしないよ? 一緒に遊ぼう?」
無邪気な笑顔でかくれんぼにでも誘うように囁いた。
「君をとろとろに蕩けさせて、うんと可愛がりたい」
「さすがイタリア男は口説き文句が様になるね」
アキトはミケーレの頭から足先までを見下ろした。文句なしの美男でいい体だ。
「俺は本気なんだけど?」
「嘘ばっかり。金髪巻き毛の素敵な人がいるんだろ?」
「それは先週の話。今日は君と過ごしたい」
「いいね、ミケーレといるの楽しそう」
アキトはくすくす笑う。
にやりと笑ったミケーレがグラスを差し出していた。
いまの一幕を見ていたのだ。
「どうも」
受け取って、香りを楽しんでからゆっくり口に含む。
消毒薬代わりの白ワインはよく冷えておいしかった。
「うまいね。ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ?」
気に入ったとにこりと笑い、舌先で唇を舐めた。
「そうだよ。さすが料理人」
「さっきのシャンパンもおいしかった」
「ありがとう。で、アランが絡むとわかってたのか?」
「ああ。船上パーティでも下らないことを抜かしてたから」
「下らないこと?」
「庶民がいるのは珍しいとかなんとか」
「ああ、アランはすこし血統にこだわるところがあるからね」
「血統? ていうかさ」
アキトは平然と言ってのけた。
「要するにあいつ、リカルドに惚れてるんだろ? なのにリカルドが俺を構うから気に入らないんだろ?」
「んー。正直言うと、一度寝たけど相手にされなかったんだな」
ミケーレがいたずらっぽい笑みを口元に浮かべて暴露する。
「だろうね。あいつのセックスつまんなさそ」
あっさり言い放ったアキトに、ミケーレは明るい笑い声を上げた。
「いいなあ、アキト。ねえ、一晩つき合ってよ」
首を傾げたアキトにミケーレは体を寄せた。
髪に手を差しいれて額に触れるだけのキスする。
「俺なら退屈なセックスはしないよ? 一緒に遊ぼう?」
無邪気な笑顔でかくれんぼにでも誘うように囁いた。
「君をとろとろに蕩けさせて、うんと可愛がりたい」
「さすがイタリア男は口説き文句が様になるね」
アキトはミケーレの頭から足先までを見下ろした。文句なしの美男でいい体だ。
「俺は本気なんだけど?」
「嘘ばっかり。金髪巻き毛の素敵な人がいるんだろ?」
「それは先週の話。今日は君と過ごしたい」
「いいね、ミケーレといるの楽しそう」
アキトはくすくす笑う。
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