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第四章
〜駆け引き④〜
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余裕のある言葉とは裏腹に、オオネズミの表情は強張り、額から静かに伝い流れる汗は、確かにダミアンの鋭い目に写った。
「・・・・・・。」
静寂を破らず、ただその場で微動だにしないダミアンに対し、焦る気持ちだけがオオネズミを激しく襲った。
「の、のう・・?ダミアン・・?
主の考えている事を・・聞かせてくれぬかのう・・?」
ダミアンは、鋭い眼差しのまま、オオネズミの後ろで控えているネズミの兵を見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「・・私の考え?
フッ・・それは貴殿次第ですが・・しいて言うのなら、私は本気だと申し上げておきましょう・・。」
「な、何がワシ次第なのだ?・・も、勿体ぶらずに申してみよ?。」
「わかりました。
では、遠慮なく申し上げます・・。
まず、はじめに貴殿らに奪われ・・押さえ付けられている仲間の魔素を、全て残らず解放して頂きたい。
それから・・もうひとつ・・今後・・貴殿を含めネズミの兵は、魂主であるベリアル様の許し無く・・具現化出来ぬようになる。
イタズラに力を振る相手には、私とて責務を行使し・・あの方との誓いを私は果たすまで。
以上が私の本気だと申し上げておきましょう・・。」
ダミアンはそう言い終わると、オオネズミを鋭く睨み付けた。
すると、たちまちネズミの兵達がざわめきだち、ザワザワッ!! ザワザワッ!!と騒ぎ始めた。
「チュッッ!?チュッウ!?こ、こいつ!?ふざけた事をっ!?
ぬ、主様っ!!こいつの言ってる事は無礼極まりないチュウッ!! !!
主様っ!!騙されてはいけないチュウッッ!! !!」
「そうだチュウっ!! !!」
「主様っ!!!!」
騒ぎ始めたネズミの兵の一匹が、威勢良く前に出ると小さな拳を振りかざし高らかに叫んだ。
「チュウッ!!主様が本気を出せば、今すぐお前達全員のネームをかり・・」
「黙らぬかッっっっ!! !! !!」
ビクッッッ!!!!!!!!!!!!
その瞬間、まるで電流が駆け抜けた様に、騒ぎ始めたネズミの兵達は一匹残らず静まり返った。
オオネズミの一言にダミアンは、
「そうです・・。
これからは貴殿の寝込みを狙い、好き勝手に遊び回る兵達を、上手くまとめなければなりませんね・・。
では?先程の話しの返事を聞かせて頂きたい。」
「フワァハッハハ~ッ!!!!
わかったっ!!わかったっ!!よしっ!!その話し、受けるとしようぞっ!!
余程の覚悟とみて間違いないのは理解したっ!!ダミアンッ!!」
まるで空間が震える様な大声で、そう話すとオオネズミはドスンッとあぐらをかいて座り込んだ。
シュバッッッ!!!!
「では?始めてください、オオネズミ殿。」
「・・・・・・。」
静寂を破らず、ただその場で微動だにしないダミアンに対し、焦る気持ちだけがオオネズミを激しく襲った。
「の、のう・・?ダミアン・・?
主の考えている事を・・聞かせてくれぬかのう・・?」
ダミアンは、鋭い眼差しのまま、オオネズミの後ろで控えているネズミの兵を見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「・・私の考え?
フッ・・それは貴殿次第ですが・・しいて言うのなら、私は本気だと申し上げておきましょう・・。」
「な、何がワシ次第なのだ?・・も、勿体ぶらずに申してみよ?。」
「わかりました。
では、遠慮なく申し上げます・・。
まず、はじめに貴殿らに奪われ・・押さえ付けられている仲間の魔素を、全て残らず解放して頂きたい。
それから・・もうひとつ・・今後・・貴殿を含めネズミの兵は、魂主であるベリアル様の許し無く・・具現化出来ぬようになる。
イタズラに力を振る相手には、私とて責務を行使し・・あの方との誓いを私は果たすまで。
以上が私の本気だと申し上げておきましょう・・。」
ダミアンはそう言い終わると、オオネズミを鋭く睨み付けた。
すると、たちまちネズミの兵達がざわめきだち、ザワザワッ!! ザワザワッ!!と騒ぎ始めた。
「チュッッ!?チュッウ!?こ、こいつ!?ふざけた事をっ!?
ぬ、主様っ!!こいつの言ってる事は無礼極まりないチュウッ!! !!
主様っ!!騙されてはいけないチュウッッ!! !!」
「そうだチュウっ!! !!」
「主様っ!!!!」
騒ぎ始めたネズミの兵の一匹が、威勢良く前に出ると小さな拳を振りかざし高らかに叫んだ。
「チュウッ!!主様が本気を出せば、今すぐお前達全員のネームをかり・・」
「黙らぬかッっっっ!! !! !!」
ビクッッッ!!!!!!!!!!!!
その瞬間、まるで電流が駆け抜けた様に、騒ぎ始めたネズミの兵達は一匹残らず静まり返った。
オオネズミの一言にダミアンは、
「そうです・・。
これからは貴殿の寝込みを狙い、好き勝手に遊び回る兵達を、上手くまとめなければなりませんね・・。
では?先程の話しの返事を聞かせて頂きたい。」
「フワァハッハハ~ッ!!!!
わかったっ!!わかったっ!!よしっ!!その話し、受けるとしようぞっ!!
余程の覚悟とみて間違いないのは理解したっ!!ダミアンッ!!」
まるで空間が震える様な大声で、そう話すとオオネズミはドスンッとあぐらをかいて座り込んだ。
シュバッッッ!!!!
「では?始めてください、オオネズミ殿。」
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