幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶〜⑮決別〜

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《・・胸の奥の・・ずっと・・ずっと・・深い所から誰かを呼んでいるのか・・・・?・・》

ガタンッ!

椅子の倒れた音で我に返ったミカエル。

「どうしたんだ?なぁ?・・ああ~・・もしかして、お前・・まだ回復してねぇ~んじゃね?
本当に平気なのかよ?」

「・・・・あぁ・・平気だ・・。
それより・・荷物はこれだけか?」

「・・あぁ・・それだけだ・・。」

「んじゃ、そろそろ行ってくる・・。」

野菜の沢山入ったカゴに手を伸ばした。

ゴロン・・・・。

「!?!?・・ウワァ!!?・・?」

思わず叫んだミカエルに、アザゼルが呟いた。

「・・?そんなにビビるか?ただのカボチャが、転げただけだぜ?・・他に・・何に見間違えるんだよ・・?・・。」

「ハアハア・・悪いな・・脅かして・・。」

「・・・・・・・・・・。
はっきり言えよ?ミカエル?・・あの時の事・・全部覚えているってなぁ?・・。」

「!?!?!?・・お前は・・一体誰だよ・・?・・。」

さっきまでの朗らかなアザゼルの顔は、みるみる内に険しくなり、ミカエルを睨んでいる。
すると、みるみる内に小屋の壁や天井が朽ちていく。

「!?!?・・アザゼル・・お前の力か?・・。」

「クックックックックッ・・アハハハハハッ!!
相変わらず勘が鋭いな・・ミカエル。
そうともっ!!これは俺の力の一部だ。」

「アザゼル・・お前・・どうしたんだよ・・?・・
あの時・・確実に二人とも殺られた・・なのに何故だ?・・どうやって・・?」

「・・・・・・俺も・・悟ったんだよ・・。
心から・・《平穏》で有りたいと・・な・・」

気付くと、アザゼルの後ろには天使神六人が立っていた。

「・・貴様ら・・アザゼルに・・何をした・・?・・。」

「・・力を与えた代償に・・魂と肉体を「人界」に留め・・我々に《服従》させた・・。」

「!?・・いったい何の為にっ!」

「・・《器》無き今・・さ迷える「主」を一刻も早く見つけ出し・・我々の新たな・・「道しるべ」になって頂く・・そして・・この・・人界を「浄化」し・・我々神々が・・善が支配する世界へと変える為だ。」

ジリッと足を前に出すアザゼル。

「・・俺自身の意識も・・思いも・・全て「俺自身」だ・・神々に意識を縛られている訳じゃない・・。
全て・・俺の意思なんだよ!?・・
クスッ・・そんな顔すんなって!ミカエル・・。」

シュッ!!

「!?!?・・貴様ッ!?」

薄ら笑いを浮かべたかと思った瞬間、アザゼルはミカエルに剣を向けた。

「今度は、こっちの番だ・・お前は「誰」に救われたんだ?お前は・・何故・・助かった?・・。」







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