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第5章 力をかしてほしい
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どれも背筋の凍るような話だったと、私はとらえている。
最初は恐ろしい怪物だから倒そうなどと自分勝手に行動しようと必死だった。
しかし、彼女たちの体験談を聞いてからは怪物たちにも悲しき運命がせまっていたとわかった。
私はいつの間にか、両目から涙がこぼれ落ちていた。
「あ……ごめんなさいっ!こわかったよね……小夜さん」
「あまりにもリアリティ過ぎてきっと考えは変わっていないと思いますわ……」
あやねとエミリーがオドオドと慌てるが憂炎と大我は、冷静に私の表情を見て何かを察した。
この涙は普通じゃないと。
「二人とも。彼女は多分感極まっているだけだと思うぞ。それぞれ孤独を主張する部分が多いと思わなかった? こわくて泣くなら今ごろ顔色変えているはずだ」
「まあ、この話を聞いて何も感じないのはおかしいだろうな」
「ええ。……二人の言う通りよ。本当にあなたたちは勇気があって、優しくて、強いのね。怖がりの私とは大違いだわ。もう少しで危ない道を歩むところだったわ」
「小夜さん……!」
彼らに悪気はなく、ただ理解者が欲しかっただけだったと伝えたかったのだろう。
私はこの城に住み着く悲しき怪物たちは、彼女たちを信頼していると理解した。
「話してくれてありがとう。少し楽になったわ。なんだか彼らの姿が見てみたい気がする」
もし、彼女たちに本当に勇気があるのなら。
可能性にかけてみることにした。
私はベッドから降りて四人に向かって手を合わせる。
「お願い、私にも手伝わせて。この古城の謎を解きたいの。あなたたちのような特別な力はないけれど……」
皇兄妹たちは否定することもなく、お互いにうなずきあい彼女の手をにぎる。
「もちろんだよ! 私は皇あやね! なんだか仲間ができたみたいで嬉しいな」
「皇エミリーです。何かありましたらわたくしたちがお守りいたしますわ」
「ごほん、僕は皇憂炎だ。さっさと解決してこの古城から帰りたいぜ。よろしくな」
「俺は皇大我。力になれるかは分からんが足は引っ張るなよ」
「ええ、よろしく。あやねちゃん、エミリーちゃん、憂炎さん、大我さん」
すると、嫌な寒気がしてくる。
私は振り向き、悲鳴をあげた。
「きゃああああっ! 出たぁ……!」
『おっと、大丈夫だ。話を聞かせてもらったぜ。久しぶりだな』
『あの時の娘か。また会えて嬉しいぞ』
『三人が言いたかったのは彼女のことだったのか。安心しろ、襲いはせん』
『お姉さん。元気になってよかった』
思い出したくはなかったけど、忘れかけた記憶がひしひしと伝わってくる。
どうしよう、不安になる。
「ちょっと待って……本当に彼らが怪物なの?」
「そうだよ。怖そうだけどすごく優しいの」
「最初はわたくしも驚いてしまいましたわ……。だからこうなるのもわかります」
「僕たちの何を気に入ったのかは知らんが多分、信じてもいいぞ」
「あの話をしたんだ。今からここでウソをついてどうする?」
彼女たちからは恐怖心を感じることはなく、とても冷静。
けれど一番気になったのは、彼女たちのうなじ。
その時……目を疑った、兄妹たちの背後に誰かいる。
あやねには弁護士のような男性、エミリーには優しそうな好青年、憂炎には白衣を着た科学者の男性。
けど幻覚にしては、はっきりと見えるのがおかしかった。
もう一度目をつぶりまた開いて確認する。
いる、それになんだか透けているしずっとこちらを睨みつけている。
(……幽霊だ、間違いない)
大我だけ何もいなく、私を心配する。
「どうした? 小夜。顔色悪いぞ、もしかして具合悪いのか?」
「いいえ……なんでもないわ」
きょとんとする三人、興味深そうに見つめる怪物たち。
すると彼らがそれぞれ話しかける。
『そうだ。思い出した。君たち、あることが分かったぞ。この城には宝が眠るらしい』
『しかも場所はそれぞれ三つに分かれていてよ。すぐには見つからないらしいぜ』
『ここへ来た人間に探してもらおうと思っていた。手伝ってくれるか?』
『そうだ! 宝探しだよ。難しいけれど見つけたらいいことあるかも』
【宝】という言葉を聞いて兄妹たちはそれぞれどんなものかを想像した。
私だけはまだ霊の存在に集中している。
なぜなら、彼らが驚いた顔をしてすぐ隣の怪物たちを睨みつけたのだ。
もしかして恨みでもあるのだろうか、彼女たちに憑いたのは何か理由があるのだろうか。
「お宝!? もしかしてキレイな宝石とかカワイイぬいぐるみとか。なんだか楽しそう!」
「きっと金銀財宝が本当に眠っているのかもしれませんわ。だとしたら大変なことになりますの!」
「宝だと? ……おい、まさか貴様らの本当の目的は花嫁候補よりトレジャーハンタ―のことだったのか? なんだよ、早く言ってくれよ! 面白そうじゃねえか」
「……ふふっ、ここまで俺様を本気にさせたのは久々だ。上等だ、腕がなるぜ」
兄妹たちが、なぜかやる気になったのを見て怪物たちは彼女たちを抱きしめる。
(あ、霊が消えたみたい……気のせいだったのかしら)
『よかった。ならば、俺はあやねと共に探しに行こうではないか。書斎を探索しよう』
「わかったよ、イヴァン!」
『エミリー、オレたちは遊戯室を探そうぜ。オレが狙っていんのはそこだ』
「また、あそこ!?……わかりましたわ、コールがそこまで言うなら」
『この城にはどうやら、地下室があるようだ。俺はそこで憂炎と探したい』
「へぇ・・・・ジンの望む物がそこに……いいぜ」
『二階に子ども部屋があったはず。ねえ大我、そこに探しにいこう』
「わかった。さっさと見つけてやるぜ」
取り残された私は、霊に夢中だったから何を聞いていたのかわからない。
(なんだか仲良しみたいね……)
けど少し寂しいのはナゼ?
皇(すめらぎ)兄妹たちは我に返り自分の方を向く。
(いや、そんな申し訳なさそうな顔しなくていいから……)
「あっ、ごめんね。小夜さん、そんな訳だけど……誰と行く?」
「気にしないで。私は遠慮しておく。ここで待っているわ。何かあったら教えて」
「大丈夫ですか? 一人で怖くないですか?」
「本当は強がっているんじゃないのか? 小夜、無理しなくていいんだぜ」
そう言ってくれるのは嬉しいけれど、なんだか嫌な予感がして。
だから勇気のある彼女たちに任せようと私は伝えた。
そして皇兄妹と怪物たちはそれぞれ宝探しに向かった。
(でも、さっきの霊はなんだったのかしら)
「まあ、気のせいよね」
さっきまで皇兄妹たちの隣にいた幽霊の男たちが私の前に現れた。
『見えているくせに』
『君となら話が合いそうだ』
『少しお嬢さんと話したい、どうだろうか?』
声も出せず、背筋がいっきにこおった……。
最初は恐ろしい怪物だから倒そうなどと自分勝手に行動しようと必死だった。
しかし、彼女たちの体験談を聞いてからは怪物たちにも悲しき運命がせまっていたとわかった。
私はいつの間にか、両目から涙がこぼれ落ちていた。
「あ……ごめんなさいっ!こわかったよね……小夜さん」
「あまりにもリアリティ過ぎてきっと考えは変わっていないと思いますわ……」
あやねとエミリーがオドオドと慌てるが憂炎と大我は、冷静に私の表情を見て何かを察した。
この涙は普通じゃないと。
「二人とも。彼女は多分感極まっているだけだと思うぞ。それぞれ孤独を主張する部分が多いと思わなかった? こわくて泣くなら今ごろ顔色変えているはずだ」
「まあ、この話を聞いて何も感じないのはおかしいだろうな」
「ええ。……二人の言う通りよ。本当にあなたたちは勇気があって、優しくて、強いのね。怖がりの私とは大違いだわ。もう少しで危ない道を歩むところだったわ」
「小夜さん……!」
彼らに悪気はなく、ただ理解者が欲しかっただけだったと伝えたかったのだろう。
私はこの城に住み着く悲しき怪物たちは、彼女たちを信頼していると理解した。
「話してくれてありがとう。少し楽になったわ。なんだか彼らの姿が見てみたい気がする」
もし、彼女たちに本当に勇気があるのなら。
可能性にかけてみることにした。
私はベッドから降りて四人に向かって手を合わせる。
「お願い、私にも手伝わせて。この古城の謎を解きたいの。あなたたちのような特別な力はないけれど……」
皇兄妹たちは否定することもなく、お互いにうなずきあい彼女の手をにぎる。
「もちろんだよ! 私は皇あやね! なんだか仲間ができたみたいで嬉しいな」
「皇エミリーです。何かありましたらわたくしたちがお守りいたしますわ」
「ごほん、僕は皇憂炎だ。さっさと解決してこの古城から帰りたいぜ。よろしくな」
「俺は皇大我。力になれるかは分からんが足は引っ張るなよ」
「ええ、よろしく。あやねちゃん、エミリーちゃん、憂炎さん、大我さん」
すると、嫌な寒気がしてくる。
私は振り向き、悲鳴をあげた。
「きゃああああっ! 出たぁ……!」
『おっと、大丈夫だ。話を聞かせてもらったぜ。久しぶりだな』
『あの時の娘か。また会えて嬉しいぞ』
『三人が言いたかったのは彼女のことだったのか。安心しろ、襲いはせん』
『お姉さん。元気になってよかった』
思い出したくはなかったけど、忘れかけた記憶がひしひしと伝わってくる。
どうしよう、不安になる。
「ちょっと待って……本当に彼らが怪物なの?」
「そうだよ。怖そうだけどすごく優しいの」
「最初はわたくしも驚いてしまいましたわ……。だからこうなるのもわかります」
「僕たちの何を気に入ったのかは知らんが多分、信じてもいいぞ」
「あの話をしたんだ。今からここでウソをついてどうする?」
彼女たちからは恐怖心を感じることはなく、とても冷静。
けれど一番気になったのは、彼女たちのうなじ。
その時……目を疑った、兄妹たちの背後に誰かいる。
あやねには弁護士のような男性、エミリーには優しそうな好青年、憂炎には白衣を着た科学者の男性。
けど幻覚にしては、はっきりと見えるのがおかしかった。
もう一度目をつぶりまた開いて確認する。
いる、それになんだか透けているしずっとこちらを睨みつけている。
(……幽霊だ、間違いない)
大我だけ何もいなく、私を心配する。
「どうした? 小夜。顔色悪いぞ、もしかして具合悪いのか?」
「いいえ……なんでもないわ」
きょとんとする三人、興味深そうに見つめる怪物たち。
すると彼らがそれぞれ話しかける。
『そうだ。思い出した。君たち、あることが分かったぞ。この城には宝が眠るらしい』
『しかも場所はそれぞれ三つに分かれていてよ。すぐには見つからないらしいぜ』
『ここへ来た人間に探してもらおうと思っていた。手伝ってくれるか?』
『そうだ! 宝探しだよ。難しいけれど見つけたらいいことあるかも』
【宝】という言葉を聞いて兄妹たちはそれぞれどんなものかを想像した。
私だけはまだ霊の存在に集中している。
なぜなら、彼らが驚いた顔をしてすぐ隣の怪物たちを睨みつけたのだ。
もしかして恨みでもあるのだろうか、彼女たちに憑いたのは何か理由があるのだろうか。
「お宝!? もしかしてキレイな宝石とかカワイイぬいぐるみとか。なんだか楽しそう!」
「きっと金銀財宝が本当に眠っているのかもしれませんわ。だとしたら大変なことになりますの!」
「宝だと? ……おい、まさか貴様らの本当の目的は花嫁候補よりトレジャーハンタ―のことだったのか? なんだよ、早く言ってくれよ! 面白そうじゃねえか」
「……ふふっ、ここまで俺様を本気にさせたのは久々だ。上等だ、腕がなるぜ」
兄妹たちが、なぜかやる気になったのを見て怪物たちは彼女たちを抱きしめる。
(あ、霊が消えたみたい……気のせいだったのかしら)
『よかった。ならば、俺はあやねと共に探しに行こうではないか。書斎を探索しよう』
「わかったよ、イヴァン!」
『エミリー、オレたちは遊戯室を探そうぜ。オレが狙っていんのはそこだ』
「また、あそこ!?……わかりましたわ、コールがそこまで言うなら」
『この城にはどうやら、地下室があるようだ。俺はそこで憂炎と探したい』
「へぇ・・・・ジンの望む物がそこに……いいぜ」
『二階に子ども部屋があったはず。ねえ大我、そこに探しにいこう』
「わかった。さっさと見つけてやるぜ」
取り残された私は、霊に夢中だったから何を聞いていたのかわからない。
(なんだか仲良しみたいね……)
けど少し寂しいのはナゼ?
皇(すめらぎ)兄妹たちは我に返り自分の方を向く。
(いや、そんな申し訳なさそうな顔しなくていいから……)
「あっ、ごめんね。小夜さん、そんな訳だけど……誰と行く?」
「気にしないで。私は遠慮しておく。ここで待っているわ。何かあったら教えて」
「大丈夫ですか? 一人で怖くないですか?」
「本当は強がっているんじゃないのか? 小夜、無理しなくていいんだぜ」
そう言ってくれるのは嬉しいけれど、なんだか嫌な予感がして。
だから勇気のある彼女たちに任せようと私は伝えた。
そして皇兄妹と怪物たちはそれぞれ宝探しに向かった。
(でも、さっきの霊はなんだったのかしら)
「まあ、気のせいよね」
さっきまで皇兄妹たちの隣にいた幽霊の男たちが私の前に現れた。
『見えているくせに』
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