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3,【お客さん】の謎

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 「うわーっ、すげぇ!」
「ここが、お金持ちが住むお屋敷・・・・・・」
牙狼と心愛は普通の家庭だったので、今日からここの家に住むということを実感できていないのだ。
それもそのはず、メアリーとブランが所持しょじしている家なのだから。
「ふふっ、気に入ってもらえたかしら?あなたたちは今日からこの家の子よ」
「牙狼くんと心愛ちゃんが来てくれてきっと家も喜んでいるに違いない。いきなりの新しい場所で戸惑とまどうかもしれんが・・・・・慣れればすぐだ」
(牙狼兄さん、信じていいのかな?わたし・・・・・なんだか緊張してきたよ)
(大丈夫だ、心愛。俺らはもう六年生だぜ?母さんも父さんも見守ってくれるはずだ)
心愛が不安げにうつむく。
牙狼は最初は気に食わないものの、逃れられないことはわかっていた。
だったら文句は言えないだろう。
「そういえば、ここにはのよ」
メアリーが突然に言う。
「ああそうだな。きっとふたりを歓迎してくれるはずだ」
ブランも当たり前のように笑いながら言った。
牙狼と心愛は、気になって仕方がない。
質問するだけタダだと思いながら、とりあえず聞いてみることにした。
「なぁ、ここにいるってもしかしてあれか?執事しつじかメイドのことじゃね?」
「お金持ちの家ならたしかにありえそうな回答だな。だがここにはぞ」
「あ、もしかしてペットと飼っているとか!ワンちゃんやネコちゃんがいてもいいかも!」
「そうね、心愛ちゃん。でも残念だけれど、ここにはペットはいないの。
牙狼と心愛の顔色が急に真っ青になり、ストーカー夫妻が言うの意味が少し理解できた。
冗談で言っているようには聞こえない、真面目な顔だ。
「あの、メアリーさん・・・・・」
「なぁ、ブランさん・・・・・」
すると、ふたりは牙狼と心愛に向かって耳元でささやいた。
「私のことはママって呼びなさい。いい?お客さんが現れても?」
「僕のことは父と呼んでくれていい。日本ではなじみがないかもしれん。だが僕たちの国ではだから」
さっきまで優しかった顔が急に真剣になり牙狼と心愛は何も言い返せなかった。
やっぱりここは何かおかしい。
窓際にいた人影も、幻じゃないとしたら・・・・・。
「わたし、今日はもう寝るね。行こう、牙狼兄さん」
「ああ。明日は、はやく学校に行かなきゃいけないんだったな。うん」
ふたりは、ストーカー夫妻の話を信じることはなかった。
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