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【第20章 運命の選択】
第3節 燃え尽きぬ意志
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「ゔあぁぁぁ!」
ニグレードは我を失ったかのように暴れ狂いながら、辺りに黒い炎をまき散らす。青は黒い炎の間を飛ぶ。
「しっかし、どう相手にすればいいんだ?このデカさのやつを真っ向から相手にするとかないよな?」
「それは流石に無謀ね。だから、一旦様子見よ。」
椿は青に飛び回るよう命令する。ニグレードは腕を振って攻撃を仕掛けてくる。青は体を曲げてギリギリで躱す。3人は振り落とされないようしがみつく。青はニグレードの後ろにまわるが、ニグレードはすぐに振り返る。
「どこにいても、すぐに気づかれるわけね。」
ニグレードは青を掴もうと、両手で襲いかかる。
「ええい、近寄るな!」
青はニグレードを振り払うが、お構いなしに突っ込んでくる。
「近寄るなと言っているだろう!」
青はニグレードに雷を落とす。しかし、ニグレードには全くと言っていいほど効いていない。
「ぜやあぁぁぁ!」
ロビンは青から飛び降りて、ニグレードに向かって刀を斜めに振り下ろす。刀から放たれた斬撃がニグレードの腕を斬り落とす。
「ゔおあぁぁぁぁ?!」
ニグレードは絶叫する。
「こいつの声、さっきから耳障りなんだけど!」
「おそらく、人間が嫌う音波などに近いのかもしれない。人体に影響はないと思うけど。」
青は2人の会話のことに耳を向けない。ロビンが青の顔もとに飛んでくる。
「青、もう少し近づけるか?」
「こいつらが無事で済むかは知らんぞ。」
「俺が援護する。」
ロビンが背中に飛び乗ると、青はニグレードに向かって急加速する。ニグレードは腕を薙ぎ払って黒い炎を滞留させる。ロビンは青い炎で黒い炎を撃ち破る。
「来るぞ、振り落とされるなよ!」
ニグレードが口から特大の光線を吐いてくる。青は勢いよく上昇する。
「あんたは絶叫マシンか何かなの~?!」
美桜は必死にしがみつきながら青に向かって叫ぶ。
「まだまだ行くぞ!」
青はニグレードに向かって急降下を始める。同時に美桜の体が少し浮かぶ。
「しっかりしろ!」
ロビンは美桜の背中を押さえる。
「美桜のことは任せなさい。あんたはニグレードに集中して。」
椿は前方を指差す。前方からは黒い炎が砲弾のように飛ばされてくる。ロビンは青い炎で撃ち落とすが、少し数が多い。
「何個あるんだよ!」
ロビンは青い炎の範囲を広めて一掃する。しかし、まだまだ黒い炎は飛んでくる。
「キリがねぇ……青、まだ行けるか?」
「いいぜ、まだまだ飛ばすぞ!」
ロビンは青に掴まる。その直後、青は飛行速度を急上昇させる。青は黒い炎の間を高速ですり抜けていく。ニグレードは黒い炎の数を増やして応戦する。
「任……せろっ!」
ロビンは不安定な状態だが、体を起こして黒い炎をかき消す。体勢を崩して後ろに倒れそうになるが、椿が支える。
「よし、作戦は決まった。」
椿は2人に作戦を伝える。
「……確かに可能性は高いけど、危険じゃないか?」
「でも、それ以外ないと思う。」
美桜は椿の考えに賛同する。
「我も同感だ。ぐずぐすしていたら奴が何をしでかすか分からん。それなら、多少のリスクくらいは目を瞑ったほうがいいだろう。」
ロビンは少し考えて決心する。
「それしかないなら……わかったよ。」
「決まりね。」
椿は青の角を掴んで先頭に立つ。
「チャンスは一回よ。準備はいい?」
「行けるぜ。」
「はい。」
椿は前を向いて薙刀を手に持つ。ニグレードは雄叫びを上げる。
「青、全速力で飛びなさい!」
「お前は座れぇぇぇ!」
青は飛行しながら落ちそうな椿を支える。ニグレードが前方に黒い炎の壁を作る。ロビンは青い炎で壁にも穴を作る。
「もっとよもっと!もっと速度を上げなさい!」
「これ以上は無理だ!」
「前前前!」
椿は美桜の警告に気づいて青の角を左右に揺らす。
「揺らすなぁぁぁ!」
青は椿の手を振り払うと、黒い炎の間を蛇のように通り抜ける。
「あと少しだ!」
ニグレードはこちらに向かって腕を振り下ろす。衝撃で海面が大きく波打つ。
「行け、美桜!」
美桜はニグレードの腕に飛び降りる。黒い炎が美桜の体を蝕み始める。
「急げ!」
美桜はニグレードの腕を駆け上る。ニグレードは反対の手で掴もうとする。
「させねぇ!」
ロビンはニグレードの手を青い炎で爆破する。
「こっちだ!」
青がニグレードを挑発する。ニグレードは青のほうに敵意を向ける。
(やっぱりね。知性は残ってても、理性がなければ冷静な判断はできない。注意を逸らすことは容易だったわ。)
椿のニグレードの腕に向かって魔力砲を放つ。ニグレードの腕に纏ってある黒い炎を大きくかき消す。
(黒い炎は消せても、本体には効かないか。まぁ、ここまでは想定内かな。)
ニグレードは青に掴みかかる。青は手に巻き付くように飛行する。
「届きそうか?!」
「まだだ、あと少し近づいてくれ!」
2人がニグレードの注意を引いている中、美桜はニグレードの肩まで登る。黒い炎の影響で、体のあちこちに針で刺されたような痛みが走る。
(赤の加護があるとは言っても……流石にきついわね。)
「うわっ?!」
美桜は足を滑らせて転落しそうになるが、なんとか踏み留まる。
(早く……登れ!こんなところで時間を無駄にするわけには……いかないの!)
美桜は腕に力を込めて体を引き上げる。ニグレードの肩にもう一度乗る。
「首を攻撃して隙を作ればいいんでしょ。やってやるわよ!」
美桜は刀を構える。ニグレードはこちらに気づいて黒い炎を吐き出してくる。
「しっかり守ってよ?」
「言われなくともそのつもりだ。」
美桜は赤を信じて黒い炎に突っ込む。痛みはあるが、赤の加護のお陰でさほど影響を受けない。
(やっぱり痛いか………でも、これぐらいなら、問題ない!)
美桜は黒い炎から飛び出してニグレードの首に向かって刀を振る。しかしその刀はニグレードの首には届かなかった。黒い炎の壁を作られ、防がれてしまう。
(やばい……)
ニグレードの手が美桜に迫る。その時、ニグレードの手に向かって青が凄まじい勢いで頭突きをお見舞いする。ニグレードが怯んで手が離れる。
(今なら……)
美桜は刀にありったけの魔力を込める。赤も刀に力を注ぎ込む。
「はあぁぁぁっ!」
刀はニグレードの首を捉え、大きく斬り裂く。
「ぐがぁぁぁぁっ?!」
ニグレードは苦痛の叫びを上げる。ニグレードの体が反れて、胸部が無防備になる。
「行け!」
ロビンは青から飛び降りてニグレードの胸部を目指す。ニグレードは苦痛を堪えながら黒い炎で応戦する。
「邪魔はさせない!」
椿は魔法で黒い炎の威力を弱める。ロビンは落下しながら刀に青い炎を集める。
「トドメだぁぁぁぁっ!」
刀がニグレードの胸部に突き刺さる。それと同時に、ニグレードは耳をつんざくようなおぞましい叫び声を上げる。
「くっ………」
ロビンは吹き飛ばされそうになるが、刀を両手で掴んで体を支える。ニグレードの体から黒い炎が噴き出る。ロビンは黒い炎をもろに受ける。
(まずい……力が抜けて……)
すると、九尾がロビンの手に力を添える。
「俺がついている。」
「ふっ……そうだな。」
ロビンは体勢を整えて刀に青い炎を注ぎ込む。ニグレードの体が少しずつ崩れだした。
「があぁぁぁぁ!」
ニグレードは最後の力を振り絞って狂ったように暴れまわる。振り落とされそうになるロビンを九尾が支える。
「おわ……りだぁぁっ!」
ロビンは自身の全ての魔力を刀に注ぐ。ニグレードは今までにないほどの大きさの雄叫びをあげると、背中から地面に倒れる。倒れた衝撃で、海面が大きく荒れる。
「離れるよ!」
「まだロビンが!」
「わかってるから!」
椿は美桜を引っ張って青に乗ってその場から離れる。ニグレードの体が地面についた瞬間、辺りを強烈な突風が襲う。青はバランスを崩すが、すぐに立て直す。
青は2人を乗せてアーロンドの前に降り立つ。
「あなたたちだけですか。」
「今助けに行くから!」
「奴は、倒したのか?」
天垣がアーロンドの後ろから問いかける。
「えぇ、たぶんね。その証拠に、ほら。」
椿は穴の壁となっている海面を指差す。結界が割れ、隙間から海水が溢れている。
「じゃあ、探しに行ってくる。美桜は………好きにしていいわ。」
椿は青に飛び乗る。続くように美桜も乗る。
「振り落とされるなよ。」
青は勢いよく上空へと飛び立つ。
ニグレードは我を失ったかのように暴れ狂いながら、辺りに黒い炎をまき散らす。青は黒い炎の間を飛ぶ。
「しっかし、どう相手にすればいいんだ?このデカさのやつを真っ向から相手にするとかないよな?」
「それは流石に無謀ね。だから、一旦様子見よ。」
椿は青に飛び回るよう命令する。ニグレードは腕を振って攻撃を仕掛けてくる。青は体を曲げてギリギリで躱す。3人は振り落とされないようしがみつく。青はニグレードの後ろにまわるが、ニグレードはすぐに振り返る。
「どこにいても、すぐに気づかれるわけね。」
ニグレードは青を掴もうと、両手で襲いかかる。
「ええい、近寄るな!」
青はニグレードを振り払うが、お構いなしに突っ込んでくる。
「近寄るなと言っているだろう!」
青はニグレードに雷を落とす。しかし、ニグレードには全くと言っていいほど効いていない。
「ぜやあぁぁぁ!」
ロビンは青から飛び降りて、ニグレードに向かって刀を斜めに振り下ろす。刀から放たれた斬撃がニグレードの腕を斬り落とす。
「ゔおあぁぁぁぁ?!」
ニグレードは絶叫する。
「こいつの声、さっきから耳障りなんだけど!」
「おそらく、人間が嫌う音波などに近いのかもしれない。人体に影響はないと思うけど。」
青は2人の会話のことに耳を向けない。ロビンが青の顔もとに飛んでくる。
「青、もう少し近づけるか?」
「こいつらが無事で済むかは知らんぞ。」
「俺が援護する。」
ロビンが背中に飛び乗ると、青はニグレードに向かって急加速する。ニグレードは腕を薙ぎ払って黒い炎を滞留させる。ロビンは青い炎で黒い炎を撃ち破る。
「来るぞ、振り落とされるなよ!」
ニグレードが口から特大の光線を吐いてくる。青は勢いよく上昇する。
「あんたは絶叫マシンか何かなの~?!」
美桜は必死にしがみつきながら青に向かって叫ぶ。
「まだまだ行くぞ!」
青はニグレードに向かって急降下を始める。同時に美桜の体が少し浮かぶ。
「しっかりしろ!」
ロビンは美桜の背中を押さえる。
「美桜のことは任せなさい。あんたはニグレードに集中して。」
椿は前方を指差す。前方からは黒い炎が砲弾のように飛ばされてくる。ロビンは青い炎で撃ち落とすが、少し数が多い。
「何個あるんだよ!」
ロビンは青い炎の範囲を広めて一掃する。しかし、まだまだ黒い炎は飛んでくる。
「キリがねぇ……青、まだ行けるか?」
「いいぜ、まだまだ飛ばすぞ!」
ロビンは青に掴まる。その直後、青は飛行速度を急上昇させる。青は黒い炎の間を高速ですり抜けていく。ニグレードは黒い炎の数を増やして応戦する。
「任……せろっ!」
ロビンは不安定な状態だが、体を起こして黒い炎をかき消す。体勢を崩して後ろに倒れそうになるが、椿が支える。
「よし、作戦は決まった。」
椿は2人に作戦を伝える。
「……確かに可能性は高いけど、危険じゃないか?」
「でも、それ以外ないと思う。」
美桜は椿の考えに賛同する。
「我も同感だ。ぐずぐすしていたら奴が何をしでかすか分からん。それなら、多少のリスクくらいは目を瞑ったほうがいいだろう。」
ロビンは少し考えて決心する。
「それしかないなら……わかったよ。」
「決まりね。」
椿は青の角を掴んで先頭に立つ。
「チャンスは一回よ。準備はいい?」
「行けるぜ。」
「はい。」
椿は前を向いて薙刀を手に持つ。ニグレードは雄叫びを上げる。
「青、全速力で飛びなさい!」
「お前は座れぇぇぇ!」
青は飛行しながら落ちそうな椿を支える。ニグレードが前方に黒い炎の壁を作る。ロビンは青い炎で壁にも穴を作る。
「もっとよもっと!もっと速度を上げなさい!」
「これ以上は無理だ!」
「前前前!」
椿は美桜の警告に気づいて青の角を左右に揺らす。
「揺らすなぁぁぁ!」
青は椿の手を振り払うと、黒い炎の間を蛇のように通り抜ける。
「あと少しだ!」
ニグレードはこちらに向かって腕を振り下ろす。衝撃で海面が大きく波打つ。
「行け、美桜!」
美桜はニグレードの腕に飛び降りる。黒い炎が美桜の体を蝕み始める。
「急げ!」
美桜はニグレードの腕を駆け上る。ニグレードは反対の手で掴もうとする。
「させねぇ!」
ロビンはニグレードの手を青い炎で爆破する。
「こっちだ!」
青がニグレードを挑発する。ニグレードは青のほうに敵意を向ける。
(やっぱりね。知性は残ってても、理性がなければ冷静な判断はできない。注意を逸らすことは容易だったわ。)
椿のニグレードの腕に向かって魔力砲を放つ。ニグレードの腕に纏ってある黒い炎を大きくかき消す。
(黒い炎は消せても、本体には効かないか。まぁ、ここまでは想定内かな。)
ニグレードは青に掴みかかる。青は手に巻き付くように飛行する。
「届きそうか?!」
「まだだ、あと少し近づいてくれ!」
2人がニグレードの注意を引いている中、美桜はニグレードの肩まで登る。黒い炎の影響で、体のあちこちに針で刺されたような痛みが走る。
(赤の加護があるとは言っても……流石にきついわね。)
「うわっ?!」
美桜は足を滑らせて転落しそうになるが、なんとか踏み留まる。
(早く……登れ!こんなところで時間を無駄にするわけには……いかないの!)
美桜は腕に力を込めて体を引き上げる。ニグレードの肩にもう一度乗る。
「首を攻撃して隙を作ればいいんでしょ。やってやるわよ!」
美桜は刀を構える。ニグレードはこちらに気づいて黒い炎を吐き出してくる。
「しっかり守ってよ?」
「言われなくともそのつもりだ。」
美桜は赤を信じて黒い炎に突っ込む。痛みはあるが、赤の加護のお陰でさほど影響を受けない。
(やっぱり痛いか………でも、これぐらいなら、問題ない!)
美桜は黒い炎から飛び出してニグレードの首に向かって刀を振る。しかしその刀はニグレードの首には届かなかった。黒い炎の壁を作られ、防がれてしまう。
(やばい……)
ニグレードの手が美桜に迫る。その時、ニグレードの手に向かって青が凄まじい勢いで頭突きをお見舞いする。ニグレードが怯んで手が離れる。
(今なら……)
美桜は刀にありったけの魔力を込める。赤も刀に力を注ぎ込む。
「はあぁぁぁっ!」
刀はニグレードの首を捉え、大きく斬り裂く。
「ぐがぁぁぁぁっ?!」
ニグレードは苦痛の叫びを上げる。ニグレードの体が反れて、胸部が無防備になる。
「行け!」
ロビンは青から飛び降りてニグレードの胸部を目指す。ニグレードは苦痛を堪えながら黒い炎で応戦する。
「邪魔はさせない!」
椿は魔法で黒い炎の威力を弱める。ロビンは落下しながら刀に青い炎を集める。
「トドメだぁぁぁぁっ!」
刀がニグレードの胸部に突き刺さる。それと同時に、ニグレードは耳をつんざくようなおぞましい叫び声を上げる。
「くっ………」
ロビンは吹き飛ばされそうになるが、刀を両手で掴んで体を支える。ニグレードの体から黒い炎が噴き出る。ロビンは黒い炎をもろに受ける。
(まずい……力が抜けて……)
すると、九尾がロビンの手に力を添える。
「俺がついている。」
「ふっ……そうだな。」
ロビンは体勢を整えて刀に青い炎を注ぎ込む。ニグレードの体が少しずつ崩れだした。
「があぁぁぁぁ!」
ニグレードは最後の力を振り絞って狂ったように暴れまわる。振り落とされそうになるロビンを九尾が支える。
「おわ……りだぁぁっ!」
ロビンは自身の全ての魔力を刀に注ぐ。ニグレードは今までにないほどの大きさの雄叫びをあげると、背中から地面に倒れる。倒れた衝撃で、海面が大きく荒れる。
「離れるよ!」
「まだロビンが!」
「わかってるから!」
椿は美桜を引っ張って青に乗ってその場から離れる。ニグレードの体が地面についた瞬間、辺りを強烈な突風が襲う。青はバランスを崩すが、すぐに立て直す。
青は2人を乗せてアーロンドの前に降り立つ。
「あなたたちだけですか。」
「今助けに行くから!」
「奴は、倒したのか?」
天垣がアーロンドの後ろから問いかける。
「えぇ、たぶんね。その証拠に、ほら。」
椿は穴の壁となっている海面を指差す。結界が割れ、隙間から海水が溢れている。
「じゃあ、探しに行ってくる。美桜は………好きにしていいわ。」
椿は青に飛び乗る。続くように美桜も乗る。
「振り落とされるなよ。」
青は勢いよく上空へと飛び立つ。
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