2 / 117
【第1章 幼馴染み】
第1節 買い物
しおりを挟む
店頭に着くと本日のおすすめの品が書いてあった。
「卵10個入り200円」「牛乳2リットル150円」
いつもより2割ほど安く内心驚くロビン。これはチャンスだと思い買い溜めしようと思った。
入店すると朝早いにもかかわらず沢山の人が買い物に来ていた。だが、少し多すぎるような気がした。レジから入口付近まで列が続いている。ここまでの列は感謝祭などでしか見たことがない。しかし今のロビンはそんなこと気にも留めなかった。
「買うものは卵と牛乳、あと豚肉と野菜類も欲しいな。」
早足で食材のある場所へと向かった。この人数でなおかつ割引されているので売り切れているのか心配なのである。
「危ねぇー、あと5個ぐらいしか残ってなかった。」
ロビンの手には卵のパックがあった。
「牛乳はどこだ?あと野菜類も。」
そう言ってあたりを見渡す。少し離れたところに見覚えのある後ろ姿が見えた。ロビンは近づいて声をかける。
「アリス。お前も買い物に来てたのか。」
「え?ロビン!あなたがこんな時間にここにいるなんて珍しい。」
彼女はアリス。ロビンの幼馴染みだ。背中まで伸ばした赤い髪と透き通った青い瞳、頭の右側にあるアホ毛が特徴だ。学生の頃からの付き合いでかなり親しい存在だ。
「何か急いでるのか?」
ロビンが尋ねる。
「なんでわかったの?」
アリスは疑問に思う。アリスとは長い付き合いなので服装などから考えていることがわかる。
「お前がそんな軽装をしているときはだいたい急いでるときだからな。」
ロビンは得意げに言う。アリスは上着にスカートという服装をしている。かなりラフな服装だ。
「それで、何を買いに来たんだ?」
「友達との約束があって昨日買いに行こうと思ってたら忘れちゃって…。」
「何が必要なんだ?」
「え?手伝ってくれるの?」
アリスは目を輝かせながらロビンに聞く。
「まあ、帰っても暇だし。困ってるなら手伝うのが友人だろ?」
「ありがとうロビン。買うものはこれに書いてあるよ。」
アリスはメモ帳を取り出し、ロビンに見せる。
必要なもの
果物(できるだけ多く) 小麦粉 砂糖 牛乳 卵
「…前3つはいいとして。」
「卵と牛乳はどうするんだ?牛乳はわからないが卵はもう売り切れてるぞ。」
その言葉に頭を抱えるアリス。
「この人の数だから仕方ない。最悪別の場所に買いに行く。」
「買えるものだけ買おうぜ。こんなところで考えてて他のも買えなかったらさらに面倒だ。」
頭を抱えるアリスに声をかける。
「確かに…急ぎましょう。」
2人は小走りで向かった。
「あー良かった、まだ売り切れてなくて。」
2人の籠には牛乳が入っている。
「まさかここまで疲れるなんて…。」
「それに卵もまだない。」
アリスは意気消沈する寸前だ。問題は卵だ。あのメモ帳を見る限り間違いなくケーキの材料だ。ロビンの籠には卵がある。素直に欲しいと言えばあげれるロビン。しかしアリスは人からものをねだるようなことはない。
「…これいるか?」
「え?」
ロビンの言葉に驚くアリス。ロビンは手に卵を取ってみせた。
「それはあなたが手に入れたものよ。私がもらうことはできないわ。」
「気にすんな。俺は別のとこで買う。」
「あ、ありがとう。」
アリスは申し訳無さそうにお礼を言う。
「買いたいものはこれで全部か?」
「ええ。これで全部よ。」
「そんじゃ、レジ行くぞ。」
2人はレジへと向かう。
レジにつくとそこには長蛇の列があった。入店してからかなりの時間が経過しているはずだ。それなのに人は減るどころかどんどん増えている。
「これ…大丈夫か?あふれるんじゃないか?」
戸惑う2人などお構いなしに人がどんどん入ってくる。
「ちょっと待て、どんだけ入ってくんだ?!」
「この量…流石にまずい気が。」
「あのーすいませ…うお!」
ロビンは声をかけようとするが勢いにおされてしまう。
「……!」
ロビンはあることに気づく。入ってくる人がまるで何かに操られているような行相をしていたのだ。
「きゃっ!!」
アリスが声をあげる。
「どうした?!」
駆け寄るロビン。
「今何かが足下を通ったの!」
さっきの人の行相といい何かがおかしい。
「それはどこに向かった?」
「あっちよ。」
アリスは店内の奥の方を指差す。
「わかった。ちょっと待ってろ。」
「あ、ちょっと待って。」
ロビンはアリスに籠を預けて店内の奥に向かう。
「卵10個入り200円」「牛乳2リットル150円」
いつもより2割ほど安く内心驚くロビン。これはチャンスだと思い買い溜めしようと思った。
入店すると朝早いにもかかわらず沢山の人が買い物に来ていた。だが、少し多すぎるような気がした。レジから入口付近まで列が続いている。ここまでの列は感謝祭などでしか見たことがない。しかし今のロビンはそんなこと気にも留めなかった。
「買うものは卵と牛乳、あと豚肉と野菜類も欲しいな。」
早足で食材のある場所へと向かった。この人数でなおかつ割引されているので売り切れているのか心配なのである。
「危ねぇー、あと5個ぐらいしか残ってなかった。」
ロビンの手には卵のパックがあった。
「牛乳はどこだ?あと野菜類も。」
そう言ってあたりを見渡す。少し離れたところに見覚えのある後ろ姿が見えた。ロビンは近づいて声をかける。
「アリス。お前も買い物に来てたのか。」
「え?ロビン!あなたがこんな時間にここにいるなんて珍しい。」
彼女はアリス。ロビンの幼馴染みだ。背中まで伸ばした赤い髪と透き通った青い瞳、頭の右側にあるアホ毛が特徴だ。学生の頃からの付き合いでかなり親しい存在だ。
「何か急いでるのか?」
ロビンが尋ねる。
「なんでわかったの?」
アリスは疑問に思う。アリスとは長い付き合いなので服装などから考えていることがわかる。
「お前がそんな軽装をしているときはだいたい急いでるときだからな。」
ロビンは得意げに言う。アリスは上着にスカートという服装をしている。かなりラフな服装だ。
「それで、何を買いに来たんだ?」
「友達との約束があって昨日買いに行こうと思ってたら忘れちゃって…。」
「何が必要なんだ?」
「え?手伝ってくれるの?」
アリスは目を輝かせながらロビンに聞く。
「まあ、帰っても暇だし。困ってるなら手伝うのが友人だろ?」
「ありがとうロビン。買うものはこれに書いてあるよ。」
アリスはメモ帳を取り出し、ロビンに見せる。
必要なもの
果物(できるだけ多く) 小麦粉 砂糖 牛乳 卵
「…前3つはいいとして。」
「卵と牛乳はどうするんだ?牛乳はわからないが卵はもう売り切れてるぞ。」
その言葉に頭を抱えるアリス。
「この人の数だから仕方ない。最悪別の場所に買いに行く。」
「買えるものだけ買おうぜ。こんなところで考えてて他のも買えなかったらさらに面倒だ。」
頭を抱えるアリスに声をかける。
「確かに…急ぎましょう。」
2人は小走りで向かった。
「あー良かった、まだ売り切れてなくて。」
2人の籠には牛乳が入っている。
「まさかここまで疲れるなんて…。」
「それに卵もまだない。」
アリスは意気消沈する寸前だ。問題は卵だ。あのメモ帳を見る限り間違いなくケーキの材料だ。ロビンの籠には卵がある。素直に欲しいと言えばあげれるロビン。しかしアリスは人からものをねだるようなことはない。
「…これいるか?」
「え?」
ロビンの言葉に驚くアリス。ロビンは手に卵を取ってみせた。
「それはあなたが手に入れたものよ。私がもらうことはできないわ。」
「気にすんな。俺は別のとこで買う。」
「あ、ありがとう。」
アリスは申し訳無さそうにお礼を言う。
「買いたいものはこれで全部か?」
「ええ。これで全部よ。」
「そんじゃ、レジ行くぞ。」
2人はレジへと向かう。
レジにつくとそこには長蛇の列があった。入店してからかなりの時間が経過しているはずだ。それなのに人は減るどころかどんどん増えている。
「これ…大丈夫か?あふれるんじゃないか?」
戸惑う2人などお構いなしに人がどんどん入ってくる。
「ちょっと待て、どんだけ入ってくんだ?!」
「この量…流石にまずい気が。」
「あのーすいませ…うお!」
ロビンは声をかけようとするが勢いにおされてしまう。
「……!」
ロビンはあることに気づく。入ってくる人がまるで何かに操られているような行相をしていたのだ。
「きゃっ!!」
アリスが声をあげる。
「どうした?!」
駆け寄るロビン。
「今何かが足下を通ったの!」
さっきの人の行相といい何かがおかしい。
「それはどこに向かった?」
「あっちよ。」
アリスは店内の奥の方を指差す。
「わかった。ちょっと待ってろ。」
「あ、ちょっと待って。」
ロビンはアリスに籠を預けて店内の奥に向かう。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる