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106話
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朝食も食べ終わってリビングに移動し、ソファーで公がゆっくりしていると、夢と舞が腰に抱きついた。
「今日は出掛けないの?」
「あぁ。今日はゆっくりするつもりだ」
「なら、今日は1日お義兄さまとゆっくりしていられますね」
「そうだね」
さらに力強く抱きついてくる2人の頭を公は撫でた。
「2人も今日は用事ないのか?」
「うん」
「えぇ」
頷きながら2人は気持ちよさそうに目を細めた。
「私も今日は暇」
公の足元に座った薫は公の膝に頭を乗せた。
「ねぇ公」
「なんだ?」
「公の今の格好って、女をはべらせているどこかの金持ちみたいよ」
両腕の中には夢と舞。さらには膝に薫が寄りかかっている状態は確かにそういう風に見えるわね。
「では、私はこうしたほうがよさそうですね」
萌衣はソファーの後ろに回り込むと、後ろから公に抱きついた。
いいね!萌衣!いかがわしさが格段にアップしたね!
「いや。余計にいかがわしくしちゃダメでしょ」
呆れながらジトーと公を見る白。
「俺が悪いのか?」
公の疑問はもっともなのだが、白はジト目を止めない。
嫉妬するなら白も抱きつけばいいのに。
「嫉妬なんてしてないわよ!」
えっ?嫉妬してるからジト目で見てるんじゃないの?
「違うわよ!いかがわしいことをしてるからジト目で見てるのよ!」
「だから、俺が悪いわけじゃないだろ?」
ハーレムを築いている時点で公が悪いよね。
「ハーレムを築いてなかったらこんなことをなってないから公が悪いわね」
白も私の意見に同意して公を責めた。
「ハーレム築いてねーし!」
「私だって嫉妬してないからね!」
混乱してきて話が噛み合ってないわよ。
『…………………』
私の指摘に黙りこんでしまう2人。
でも、今の状況だとハーレムと言われても仕方ないでしょ。
公は改めて自分の状況を確認した。
「とりあえずみんな離れてくれるか?」
公は、いかがわしい状況をどうにかするために、4人に離れるように頼んだ。
「いかがわしい状況じゃねーからな!そこは間違えるな!作者!」
はいはい。
「なんだよ!そのなげやりな返事は!」
はいはい。
公に頼まれた4人は素直な公から離れ、夢と舞はそのまま隣に座り、薫は向かいのソファーに座り、萌衣は後ろに控えるように立った。
「しかし、ホントにただのスキンシップだから、いかがわしいとか言われるのは不本意だぞ」
「確かに普通に見たらそういうふうにとらえられる光景だったのでしょうけど、今朝のことがあったあとだとね~」
ジトーとさらに目を細めて公を見る白。
今朝のことを引き合いに出されるといかがわしいと言われても仕方ない公は反論できずに頭を掻くしかなかった。
公がどうやってこの状況を打破しようか考えていると、ピンポーンとチャイムが鳴ったので、これ幸いとばかりに公が立ち上がった。
「私が見てきますから」
「いいよ。俺が行くから」
逃げるようにリビングを出た公。
すると、再度ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はいはい」
公が鍵をあけて扉を開こうとした瞬間、外から扉を引かれたので公はバランスを崩した。
「おっ?」
少しあいた隙間から入ってきた黒服に押されたことで公は後ろに倒され、仰向けに倒れた公の上に黒服がのし掛かってきたが、そこで黒服の動きが止まった。
「ご主人様へのそれ以上の狼藉はやめてもらいましょうか」
いつの間にかやって来た萌衣か黒服の首に包丁を突きつけていた。
さらに言うと、さりげなく公のことをご主人様と呼んでいるのよね。
「いいじゃないですか。こんな時ぐらいは。で、ご主人様の上からどいてくれませんか?」
冷たく言いはなった萌衣の言葉に、黒服は両手を上げ、立ち上がった。
「大丈夫ですか?ご主人様」
「あぁ。ケガはないよ」
立ち上がった公を見て、萌衣はホッとしながら包丁を引くと黒服を見た。
「久しぶりですね、萌香」
「お久しぶりです、萌衣さん」
萌香と呼ばれた黒服は萌衣に頭を下げた。
「噂は本当でしたのですね」
「噂、ですか?」
「えぇ。萌衣さんがご主人様を見つけた。という噂です」
萌衣と話しながら萌香は公のほうを見た。
「えぇ。まだ正式ではありませんが、私のほうからはご主人様になって下さいとお願いしましたね」
嬉しそうに微笑む萌衣。
「正式じゃないんだからご主人様と呼ばないでほしんだけど」
公の言葉に萌衣は少し頬を膨らませて軽く拗ねた。
「作者にも言いましたが、こういう時ぐらいはいいじゃないですか」
「こういう時だからと許したら、そのまま流れでご主人様に認めさせられそうで怖いので許しません」
「わかりました」
しぶしぶ頷いた萌衣。
「あの~」
2人のやりとりを黙って見ていた萌香が声をかけた。
「あぁ。ごめんなさい。それで、萌香はいつの間にメイドから黒服に転職したのかしら?」
「これは目立たないように着ているだけで」
萌香が黒服を掴んで引っ張ると黒服が脱げ、下からはメイド服が現れた。
「この通り、メイド服はしっかりと着ています」
どうやって黒服の下にメイド服を着込んでいたのか。それが不思議でしかたないわね。
「そこら辺のことは気にせずに先に進んでください」
わかったわ。そうしましょう。
「それで、萌香がここに来た理由は何かしら?」
「萌衣さんなら理由がなにかわかっているはずですよ」
「私がわかっていても、公様はわかっていないのですから教えてくれるかしら」
「わかりました」
「それについては私から説明しよう」
その言葉とともに1人の男性が玄関に入ってきた。
「今日は出掛けないの?」
「あぁ。今日はゆっくりするつもりだ」
「なら、今日は1日お義兄さまとゆっくりしていられますね」
「そうだね」
さらに力強く抱きついてくる2人の頭を公は撫でた。
「2人も今日は用事ないのか?」
「うん」
「えぇ」
頷きながら2人は気持ちよさそうに目を細めた。
「私も今日は暇」
公の足元に座った薫は公の膝に頭を乗せた。
「ねぇ公」
「なんだ?」
「公の今の格好って、女をはべらせているどこかの金持ちみたいよ」
両腕の中には夢と舞。さらには膝に薫が寄りかかっている状態は確かにそういう風に見えるわね。
「では、私はこうしたほうがよさそうですね」
萌衣はソファーの後ろに回り込むと、後ろから公に抱きついた。
いいね!萌衣!いかがわしさが格段にアップしたね!
「いや。余計にいかがわしくしちゃダメでしょ」
呆れながらジトーと公を見る白。
「俺が悪いのか?」
公の疑問はもっともなのだが、白はジト目を止めない。
嫉妬するなら白も抱きつけばいいのに。
「嫉妬なんてしてないわよ!」
えっ?嫉妬してるからジト目で見てるんじゃないの?
「違うわよ!いかがわしいことをしてるからジト目で見てるのよ!」
「だから、俺が悪いわけじゃないだろ?」
ハーレムを築いている時点で公が悪いよね。
「ハーレムを築いてなかったらこんなことをなってないから公が悪いわね」
白も私の意見に同意して公を責めた。
「ハーレム築いてねーし!」
「私だって嫉妬してないからね!」
混乱してきて話が噛み合ってないわよ。
『…………………』
私の指摘に黙りこんでしまう2人。
でも、今の状況だとハーレムと言われても仕方ないでしょ。
公は改めて自分の状況を確認した。
「とりあえずみんな離れてくれるか?」
公は、いかがわしい状況をどうにかするために、4人に離れるように頼んだ。
「いかがわしい状況じゃねーからな!そこは間違えるな!作者!」
はいはい。
「なんだよ!そのなげやりな返事は!」
はいはい。
公に頼まれた4人は素直な公から離れ、夢と舞はそのまま隣に座り、薫は向かいのソファーに座り、萌衣は後ろに控えるように立った。
「しかし、ホントにただのスキンシップだから、いかがわしいとか言われるのは不本意だぞ」
「確かに普通に見たらそういうふうにとらえられる光景だったのでしょうけど、今朝のことがあったあとだとね~」
ジトーとさらに目を細めて公を見る白。
今朝のことを引き合いに出されるといかがわしいと言われても仕方ない公は反論できずに頭を掻くしかなかった。
公がどうやってこの状況を打破しようか考えていると、ピンポーンとチャイムが鳴ったので、これ幸いとばかりに公が立ち上がった。
「私が見てきますから」
「いいよ。俺が行くから」
逃げるようにリビングを出た公。
すると、再度ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はいはい」
公が鍵をあけて扉を開こうとした瞬間、外から扉を引かれたので公はバランスを崩した。
「おっ?」
少しあいた隙間から入ってきた黒服に押されたことで公は後ろに倒され、仰向けに倒れた公の上に黒服がのし掛かってきたが、そこで黒服の動きが止まった。
「ご主人様へのそれ以上の狼藉はやめてもらいましょうか」
いつの間にかやって来た萌衣か黒服の首に包丁を突きつけていた。
さらに言うと、さりげなく公のことをご主人様と呼んでいるのよね。
「いいじゃないですか。こんな時ぐらいは。で、ご主人様の上からどいてくれませんか?」
冷たく言いはなった萌衣の言葉に、黒服は両手を上げ、立ち上がった。
「大丈夫ですか?ご主人様」
「あぁ。ケガはないよ」
立ち上がった公を見て、萌衣はホッとしながら包丁を引くと黒服を見た。
「久しぶりですね、萌香」
「お久しぶりです、萌衣さん」
萌香と呼ばれた黒服は萌衣に頭を下げた。
「噂は本当でしたのですね」
「噂、ですか?」
「えぇ。萌衣さんがご主人様を見つけた。という噂です」
萌衣と話しながら萌香は公のほうを見た。
「えぇ。まだ正式ではありませんが、私のほうからはご主人様になって下さいとお願いしましたね」
嬉しそうに微笑む萌衣。
「正式じゃないんだからご主人様と呼ばないでほしんだけど」
公の言葉に萌衣は少し頬を膨らませて軽く拗ねた。
「作者にも言いましたが、こういう時ぐらいはいいじゃないですか」
「こういう時だからと許したら、そのまま流れでご主人様に認めさせられそうで怖いので許しません」
「わかりました」
しぶしぶ頷いた萌衣。
「あの~」
2人のやりとりを黙って見ていた萌香が声をかけた。
「あぁ。ごめんなさい。それで、萌香はいつの間にメイドから黒服に転職したのかしら?」
「これは目立たないように着ているだけで」
萌香が黒服を掴んで引っ張ると黒服が脱げ、下からはメイド服が現れた。
「この通り、メイド服はしっかりと着ています」
どうやって黒服の下にメイド服を着込んでいたのか。それが不思議でしかたないわね。
「そこら辺のことは気にせずに先に進んでください」
わかったわ。そうしましょう。
「それで、萌香がここに来た理由は何かしら?」
「萌衣さんなら理由がなにかわかっているはずですよ」
「私がわかっていても、公様はわかっていないのですから教えてくれるかしら」
「わかりました」
「それについては私から説明しよう」
その言葉とともに1人の男性が玄関に入ってきた。
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