私のための小説

桜月猫

文字の大きさ
上 下
101 / 125

100話

しおりを挟む
 祝!100話!
 とうとう100話までやって来たよ!

「そうだな。100話だな」

 公のテンションは普通だった。

 あれ~?せっかくのメモリアル回だよ!もっとテンション高くいこうよ!

「確かにメモリアルではあるけど、だからなに?って話でもあるのよね」

 桜や他の登場人物達のテンションも普通だった。

 え~!もっとテンション上げていこうよ!

「私達は登場してないストーリーだし、テンション上げていこうって言われても困るんだよね」

 雪は苦笑していた。

≪ホントですよね。勝手に1人で興奮しちゃって恥ずかしいですよ、マスター≫

 ロマが私を指差して笑っていた。

 いや~。でも、自分でもここまでこの小説を続けられるとは思っていませんでしたよ。

「お~い。誰に向かって話してるんだ?」

 コツコツと書いていった努力の結果が100話到達ですから、やっぱり感慨深いものがありますね。

「作者~。返ってきて~」

 でも、この100話はただの通過点にしかすぎないので、200話、300話と続けていけるように頑張ります。

<インタビューみたいな会話内容だね>
≪とうとういくところまでイカれましたか≫

 さて、ここで問題です。

「なんか始まったぞ」

 蛍の初登場は何話?

「なんでクイズが始まったんだ?」
「知らないわよ」

 公達が首を傾げたり不思議がったりしていた。

「でも、入学式から4ヶ月しか経ってないけど、懐かしく感じるね」

 蛍が公に微笑みかけると、公は頭を掻いた。

「確かに懐かしいっちゃ懐かしいな」
「蛍の初登場って(ピー)だったわね」
「そうだよ」
「俺と庵も(ピー)が初登場だったな」

 問題です。
 15話で夢の夢の国で公か出会った動物は?

「あれは確かハイキング合宿前の日曜の話だったよな?」

 公が夢を見ると夢は頷いた。

「そうですわ、お義兄さま」
「せっかくお義父さんのところから戻ってきたのに、すぐにお兄ちゃんが合宿で2泊3日も居なくなるからデートしてもらったんだよね~」

 嬉しそうに語る舞は夢に抱きついた。

「えぇ。あの時、夢の中で(ピー)がお義兄さまを連れて来てくれたんですよね」

 その時のことを思い出して微笑む夢。
 話を聞いていた庵は公をジトーと睨み付けていた。

「なんだよ、庵」
「羨ましいな!」

 庵の妬みがこもった叫びに公は呆れていた。

 問題です。
 ハイキング合宿2日目の夕食に公が作った料理は何と何と何。

「あの時はホントにご迷惑をおかけしました」

 蘭が公に向かって頭を下げた。

「アッハッハ。気にするな」
「なんでテメーが偉そうにしてるんだよ」

 胸を張って偉そうにしている中二の頭を公が叩いた。

「あの時って確か(ピー)と(ピー)とビーフカレー作ったよね?」
「牡丹様。最後の1つはビーフカレーではなく(ピー)でございます」

 萌衣が牡丹の間違いを訂正した。

「あっ!そうだったね!」
「ど、どれも美味しかったです」
「だよね」

 牡丹と由梛が微笑みながら話している横では、まだ中二がムダに胸を張っているので公がさらに頭を叩いた。

 問題です。
 39話で本屋で睦月とぶつかった公が拾ったものは?

「そんなこともあったね」
「そうですね」

 微笑んでいる睦月の隣では如月と弥生が申し訳なさそうにしていた。

「どうかしました?」
「私と如月ちゃんは襲いかかってしまった回ですから」
「それについてはもう終わったことじゃないですか」

 公が微笑みかけると如月と弥生も微笑んだ。

「そうですね」
「いつまでも引きずっちゃダメだよな」

 問題です。
 44話でゲーセンで格ゲーをしていた中二を倒したのは誰?

『???』

 公達が首を傾げる中、中二は拳を握りしめていた。

「我はあの時からさらに強くなった!今度は負けぬ!」

 誰も状況が理解できていないので中二にツッコむこともできずにただただ首を傾げるだけだった。

 問題です。

≪マスター。いつまで続ける気ですか?≫

 いきなり始まった球技大会で、昼休み後こ後半戦開始時の鬼の数は何人?

<このまま問題だけで100話が終わってしまいそうだね>

 マロの言葉にみんなため息を吐いた。

「付き合わないといけないのか?」
「いけないんだろうね~」

 暁はすでに諦めモードに入っていた。
 そこへロマとマロが現れた。

「あれ?どうしたんだ?」

 突然の2人の登場に公達は驚いていた。

<ロマがマスターを取り押さえようとしたら、2人まとめて追い出されたんだよ>
≪マスター!≫

 説明してくれるマロの後ろでロマが少し荒れていた。

 問題です。
 今何問め?

「いや、まぁクイズ番組とかでよくあるひっかけ問題だけどさ。あれは解答者が問題文を確認出来ないから有効なわけで、問題文を確認できる小説でそのひっかけ問題は無意味よ」
「そうだね~。今までの問題数を遡って確認すればいいだけだからね~」

 問題です。
 82話で出てきた野良犬は誰?

「無意味とか言われたからさっさと問題を変えて来ましたね」
「それよりホントにいつになったら終わるの?」
<多分、無視せずに相手をすれば終わるかな?>

 マロが困ったように言うと、盛大なため息と困ったような苦笑がそこらかしこでまきおこっていた。

「それしかないか」
「この時の野良犬って(ピー)だったわね」
「あれはかなりの屈辱だった」
「お前っていつもあんな感じだけどな」
「なっ!」

 当の本人は驚いていたが、普段の(ピー)の素行を知っている人間は普通に頷いていた。

 問題です。
 卓球大会のベスト16戦で桜が対戦した相手は誰?

「あの試合はホントにおしかったですね」
「あと1歩のところまで(ピー)を追いつめたからね」
「でも、最後の1歩のところで勝てなければどんなに惜しくても意味がないんです」

 悔しげに言う桜。

「そうですよね。私達はその1歩をつめるための、勝ちきるための練習をこれからしていかないといけないですね」

 桜と彩は見つめあい、気合いを入れながら頷きあった。

「ふふっ。いつでも練習相手になってあげるからかかってきなさい」
『はい!』

 最終問題です。

「ようやくか」

 みんながホッとしていた。

 公の初期の身長は何センチ?

 その問題を聞いた瞬間、公は額に手を当てた。

「あ~。そういやこの小説は始まりの時点からおかしかったんだな」
「そうだったわね」

 初期の公を唯一知っているマザーがしみじみと頷いた。

「えっ?初期の公って今と身長違ってたの?」
「あぁ。今よりだいぶちっさかったぞ」
「え、いくつ?」
「(ピー)」
『うわ~』

 公から初期の身長を聞いたみんなはドン引きしていた。

 さ~て、100話記念の振り返りクイズはいかがでしたでしょうか?では、次は101話でお会いしましょう!

『<≪ちょっと待ったー!≫>』

 せっかく締めに入ろうとしたのに全員から待ったがかかった。

 なによ~。

「答えあわせはないのか!?」

 ないわよ。

「問題出しといて答えあわせがないのはありえないでしょ!」

 だって、この振り返りクイズは正解数に応じて景品のプレゼントがあるわけでもないし、優勝を決めるクイズ大会とかじゃないから答えあわせがなくてもいいのよ。

「いやいやいや!それでも答えあわせは必要だろ!」

 いらないの!もし答えが知りたい人はしっかりと1話から読みなおしてね~!それじゃあ101話で会いましょう!

『<≪おい!≫>』
しおりを挟む

処理中です...