君はパクチー

舞浜あみ

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父ちゃん③

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辰子の父ちゃんの隣に座り、貰った可愛くて小さなチョコを食べながら男子最後の試合を見ていた。

「なあ徹也、女子って誰来るかな?ユリカも来るかな?あの辰子のカバンのキラキラしたお守り、あげたのユリカだぜ。ユリカ来るかな?」

どうやら優はユリカに来てほしいようだった。

ユリカは俺の好きなキラキラ女子集団の一人だ。

よし、優がユリカを狙ってるなら俺はそれ以外の誰かでいい。

「ユリカが来るならあのギャル集団と一緒だろうな。ユリカとエリカとユリ。」

俺がキラキラ女子と呼んでた人達は、いわゆるギャルという人種だったらしい。

それにしても、ユリカ・エリカ・ユリなんて見た目だけじゃなくて名前も似てる。

どうして優は似たような三人の中でユリカがいいんだろう。

俺みたいにあの中なら誰でもいいと、どうしてそう思わず一人だけを選べたのだろう。

直球で聞いてみるか。

「優、ユリカ狙ってんの?」

「んがっ!?」

優は変な声を出した。

「いきなりなんだよ。ビビッたわ。」

「んで?狙ってんの?」

「んー、あー、まあな。ユリカ優しいから好きだわ。来ても言うなよ!」

「言わねえよ。じゃあ、俺はエリカかユリにするわ。」

「じゃあってなんだよ、しかもエリカかユリって、一人に絞れよ、失礼MAX極まりないだろ。」

失礼MAX極まりない。
俺は最上級に失礼な奴らしい。
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