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第四話 デートという概念
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そして時は進み夏休み開始となった。終業式の後俺と楓は一緒に下校したときに夏休みは一緒に宿題や遊ぼうと約束していた。
ずっと一緒に過ごしたいと楓の希望だった。俺はその希望を受け入れることにした、というか強制的に頷くしかなかったのだ。あの笑っていないにこやかな笑顔で見つめられると・・・。
夏休み初日、俺は楓と待ち合わせしている図書館の前に立っていた。まだ午前中なのにすでにかなり暑い日差しが肌に突き刺さりながら楓と合流した。
「待たせちゃった?暑かったよね?ごめん、冬ちゃん。暑いの苦手だったのに」
「いいよ。さっきついたところだったから、そんなに待ってないよ。」
「うん。中入ろう」
「うん」
今日は図書館デート、という名の宿題を一緒にするというイベントらしい。楓は何かとデートをつけたがる。恋人が一緒に行動することは全部デートなのだそうだ。
席に着くと俺は黙ったまま黙々と宿題に取り掛かった。隣に座った楓も鞄から宿題を取り出し黙って勉強を始めた。勉強を始めてから一時間たったころ、楓が俺の腕を掴んで寄りかかってきた。それに驚いた俺はペンをノートに置き楓に話しかけた。
「どうした?疲れた?」
「つまんない・・・。冬ちゃんずっと勉強してて構ってくれない」
「だって勉強しに来てるわけだし。それに宿題終わらせないと海いけなくなるよ?」
「確かに・・・。でも私もう全部終わっちゃったし。あ、そうだ!私のノート見せようか?それならすぐ終わって一緒にイチャイチャできるよ?」
一時間ちょっとで全部終わらせるとか・・・。天才の頭脳が羨ましい。しかし楓にノートを見せてもらうのはなんか違うと思い自分の力でやるから、と断った。むっとした表情をする楓に俺はあることを提案してみた。
「俺が宿題している時は楓は俺とくっついていいよ。後触りたいところか、ほかの人にバレなきゃいいよ、触ってても。楓は俺で楽しんで、ね?」
自分自身を売ってしまった・・・。でもこうでもしなきゃ楓は絶対拗ねるし怒るしで手に負えなくなるのは確実だ。ここは俺が我慢して楓に満足に過ごしてもらうほうがいい、そう思った。
「わぁい!やった!じゃ、私は冬ちゃんの身体を堪能することにするね。」
「う、うん・・・。あはは・・・」
言い方。言い方がキモイよ、楓さん。俺の提案でご機嫌になる楓の横で俺は必至に勉強を終わらせるために頑張った。
午前中の勉強はきりがいいところで切り上げてお昼ご飯を食べるために近くの公園の日差しが入らないテーブル付きのベンチに座った。お互いお弁当持参ということは決めていたのだ。俺は楓とおしゃべりしながらお弁当を食べた。
「冬ちゃんのお弁当おいしそうね。唐揚げ頂戴」
「うん、はい、どうぞ」
「あ~ん」
楓は俺の目の前で目を瞑ったまま小さなお口を開けている。俺は自分の箸で唐揚げを摘み楓のお口に入れた。正直めっちゃハズイ・・・、楓はハズくないのだろうか。
「ん!めっちゃおいしい!しかも関節キッス~💛」
「・・・言葉にしないでよ。ハズイじゃん」
「なんで?私既に冬ちゃんとちゅ~💛した仲じゃん」
「そ、それはそうだが・・・。なんかハズイの・・・」
「そ~なんだ。恥ずかしがる冬ちゃん、ちょ~可愛い」
「可愛くないよ・・・」
ハズくなっている俺に楓はほっぺにチュッとして笑顔で笑っていた。キスは嬉しいが誰か見てないかドキドキするからやめてほしいのだが・・・。お弁当を食べ終わり少し休憩してから図書館に戻ることにした楓は暑い外気の中ずっと俺とべったりくっついて離れようとしない。
時たま俺の髪の毛を触りながらクンクンと匂いを嗅ぐ。汗臭くないだろうかと心配する俺。楓は俺の汗のにおいもすごく好きだと以前言っていた。自分では分からないけど、俺も楓の体臭は好き。だから言っていることはわかってしまう。だから拒絶出来ない。楓とイチャイチャしながら公園のベンチで過ごした。
夕方になり館内放送が流れだした。俺と楓は帰り支度をして図書館を後にした。少し暑さが収まった感じがする外気に触れながら俺と楓は恋人繋ぎをして家路へと向かった。
ずっと一緒に過ごしたいと楓の希望だった。俺はその希望を受け入れることにした、というか強制的に頷くしかなかったのだ。あの笑っていないにこやかな笑顔で見つめられると・・・。
夏休み初日、俺は楓と待ち合わせしている図書館の前に立っていた。まだ午前中なのにすでにかなり暑い日差しが肌に突き刺さりながら楓と合流した。
「待たせちゃった?暑かったよね?ごめん、冬ちゃん。暑いの苦手だったのに」
「いいよ。さっきついたところだったから、そんなに待ってないよ。」
「うん。中入ろう」
「うん」
今日は図書館デート、という名の宿題を一緒にするというイベントらしい。楓は何かとデートをつけたがる。恋人が一緒に行動することは全部デートなのだそうだ。
席に着くと俺は黙ったまま黙々と宿題に取り掛かった。隣に座った楓も鞄から宿題を取り出し黙って勉強を始めた。勉強を始めてから一時間たったころ、楓が俺の腕を掴んで寄りかかってきた。それに驚いた俺はペンをノートに置き楓に話しかけた。
「どうした?疲れた?」
「つまんない・・・。冬ちゃんずっと勉強してて構ってくれない」
「だって勉強しに来てるわけだし。それに宿題終わらせないと海いけなくなるよ?」
「確かに・・・。でも私もう全部終わっちゃったし。あ、そうだ!私のノート見せようか?それならすぐ終わって一緒にイチャイチャできるよ?」
一時間ちょっとで全部終わらせるとか・・・。天才の頭脳が羨ましい。しかし楓にノートを見せてもらうのはなんか違うと思い自分の力でやるから、と断った。むっとした表情をする楓に俺はあることを提案してみた。
「俺が宿題している時は楓は俺とくっついていいよ。後触りたいところか、ほかの人にバレなきゃいいよ、触ってても。楓は俺で楽しんで、ね?」
自分自身を売ってしまった・・・。でもこうでもしなきゃ楓は絶対拗ねるし怒るしで手に負えなくなるのは確実だ。ここは俺が我慢して楓に満足に過ごしてもらうほうがいい、そう思った。
「わぁい!やった!じゃ、私は冬ちゃんの身体を堪能することにするね。」
「う、うん・・・。あはは・・・」
言い方。言い方がキモイよ、楓さん。俺の提案でご機嫌になる楓の横で俺は必至に勉強を終わらせるために頑張った。
午前中の勉強はきりがいいところで切り上げてお昼ご飯を食べるために近くの公園の日差しが入らないテーブル付きのベンチに座った。お互いお弁当持参ということは決めていたのだ。俺は楓とおしゃべりしながらお弁当を食べた。
「冬ちゃんのお弁当おいしそうね。唐揚げ頂戴」
「うん、はい、どうぞ」
「あ~ん」
楓は俺の目の前で目を瞑ったまま小さなお口を開けている。俺は自分の箸で唐揚げを摘み楓のお口に入れた。正直めっちゃハズイ・・・、楓はハズくないのだろうか。
「ん!めっちゃおいしい!しかも関節キッス~💛」
「・・・言葉にしないでよ。ハズイじゃん」
「なんで?私既に冬ちゃんとちゅ~💛した仲じゃん」
「そ、それはそうだが・・・。なんかハズイの・・・」
「そ~なんだ。恥ずかしがる冬ちゃん、ちょ~可愛い」
「可愛くないよ・・・」
ハズくなっている俺に楓はほっぺにチュッとして笑顔で笑っていた。キスは嬉しいが誰か見てないかドキドキするからやめてほしいのだが・・・。お弁当を食べ終わり少し休憩してから図書館に戻ることにした楓は暑い外気の中ずっと俺とべったりくっついて離れようとしない。
時たま俺の髪の毛を触りながらクンクンと匂いを嗅ぐ。汗臭くないだろうかと心配する俺。楓は俺の汗のにおいもすごく好きだと以前言っていた。自分では分からないけど、俺も楓の体臭は好き。だから言っていることはわかってしまう。だから拒絶出来ない。楓とイチャイチャしながら公園のベンチで過ごした。
夕方になり館内放送が流れだした。俺と楓は帰り支度をして図書館を後にした。少し暑さが収まった感じがする外気に触れながら俺と楓は恋人繋ぎをして家路へと向かった。
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