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12 婚約発表しました。
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婚約発表が行われ、社交界デビューすることになった。
一番高い位置に王太子の横に座りまるでお人形さん状態の私。
周りでは王族や貴族達が笑顔で王太子の婚約を祝っているように見えた。
しかし、私に注がれる視線は冷たかった。
「はぁ~……」
「どうしたのだ? 気分でも悪いのか? 奥で休んでおっても良いぞ?」
「すみません、そうさせて貰います」
私が席を立ちあがり奥の部屋に向かうのをあの人たちは見逃すはずもなく、私が部屋の扉を開けると後ろから声を掛けられた。
「あら、何方に行かれるのかしら。王妃様」
「……少し疲れたので。それに私はまだ王妃ではありません」
「……っ、私の王太子を奪っておきながら大層な言い分ですわね」
「すみません。本当に気分が悪いんです」
私は一礼して部屋に入ろうとすると、ミレンダ様の取り巻きのミリフィ様が私の腕を掴んで私を無理やり振り向かせようとした。
その反動で私は地べたに尻もちをついた状態になった。
「貴女の所為で……私はどれだけ貴族の方々に言われているか分かっていらっしゃるのかしら」
「そうですわ。全く、何故王太子様もこのようなドブネズミみたいな女を選ぶのかしら」
「貴女もいい身分ですわよね。こんな盛大な婚約発表会をして貰えて」
「本来、あそこに座るべきなのはミレンダ様だというのに」
それは私も知りたいところだ。
何故私が王太子と婚約しなければならないのか。
私を取り囲んで言いたいことを言っているミレンダ様の取り巻き達。
「私だって本意ではないのです。王太子様が……」
「お黙りなさいっ!! このメス豚がっ!」
どかっ!!
誰かの蹴りが私のお腹に直撃した。
痛い…何でお腹……?
あ、そっか、子供が出来ていたら完全にミレンダ様と王太子が結ばれないとでも本気で思っているのかしら。
「ミレンダ様、止めてください。お腹が痛いっ」
「お黙りっ!」
ミレンダ様が大きな声で怒鳴り散らしました。
その声に私の近衛兵が3人やってくるのが見え、ミレンダ様達は姿を消したのだった。
「大丈夫ですか。お怪我は有りませんか?」
「大丈夫です。それより部屋で休みたいのですが」
「此方へ」
近衛兵の人に担がれながら私は部屋に休むことにした。
お腹を蹴られた衝撃で痛みが消えない。
私はこの痛みを覚えて、これからあの人たちの復讐をすることを心に決めました。
やったらやり返す……倍返しですっ!!
一番高い位置に王太子の横に座りまるでお人形さん状態の私。
周りでは王族や貴族達が笑顔で王太子の婚約を祝っているように見えた。
しかし、私に注がれる視線は冷たかった。
「はぁ~……」
「どうしたのだ? 気分でも悪いのか? 奥で休んでおっても良いぞ?」
「すみません、そうさせて貰います」
私が席を立ちあがり奥の部屋に向かうのをあの人たちは見逃すはずもなく、私が部屋の扉を開けると後ろから声を掛けられた。
「あら、何方に行かれるのかしら。王妃様」
「……少し疲れたので。それに私はまだ王妃ではありません」
「……っ、私の王太子を奪っておきながら大層な言い分ですわね」
「すみません。本当に気分が悪いんです」
私は一礼して部屋に入ろうとすると、ミレンダ様の取り巻きのミリフィ様が私の腕を掴んで私を無理やり振り向かせようとした。
その反動で私は地べたに尻もちをついた状態になった。
「貴女の所為で……私はどれだけ貴族の方々に言われているか分かっていらっしゃるのかしら」
「そうですわ。全く、何故王太子様もこのようなドブネズミみたいな女を選ぶのかしら」
「貴女もいい身分ですわよね。こんな盛大な婚約発表会をして貰えて」
「本来、あそこに座るべきなのはミレンダ様だというのに」
それは私も知りたいところだ。
何故私が王太子と婚約しなければならないのか。
私を取り囲んで言いたいことを言っているミレンダ様の取り巻き達。
「私だって本意ではないのです。王太子様が……」
「お黙りなさいっ!! このメス豚がっ!」
どかっ!!
誰かの蹴りが私のお腹に直撃した。
痛い…何でお腹……?
あ、そっか、子供が出来ていたら完全にミレンダ様と王太子が結ばれないとでも本気で思っているのかしら。
「ミレンダ様、止めてください。お腹が痛いっ」
「お黙りっ!」
ミレンダ様が大きな声で怒鳴り散らしました。
その声に私の近衛兵が3人やってくるのが見え、ミレンダ様達は姿を消したのだった。
「大丈夫ですか。お怪我は有りませんか?」
「大丈夫です。それより部屋で休みたいのですが」
「此方へ」
近衛兵の人に担がれながら私は部屋に休むことにした。
お腹を蹴られた衝撃で痛みが消えない。
私はこの痛みを覚えて、これからあの人たちの復讐をすることを心に決めました。
やったらやり返す……倍返しですっ!!
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