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時は流れ……わたくしは楽しい学校生活を送っておりました。
勿論恋愛というのもしたいと思っているのですがこれまた難解なのです。
王太子が性いでしまった所為でわたくしの印象操作が始まってしまい、わたくしがまるで悪者扱いの酷い令嬢として学校中に広まってしまったのです。
それも全部嘘のでっち上げであることは言うまでもありません。
しかしながら王太子の発言は思ったよりも大きかったのです。
その所為で今でもわたくしを怖ろしくまるで大きな風船に針で突かないような扱いを受けているのです。
「中々上手く行かないものですね……世の中というものは……」
「メリーザが悪いわけはないのですがね……」
「そうですわ……皆様あのお噂に惑わされているだけですのに。それに当の本人は今でもお城に幽閉されているご様子。あの様子ですと国王様もかなりご立腹ですわね」
わたくしの友達であるアンヌとカムランがそう言ってわたくしの事を慰めてくれるのは有難いのですが、お二人がわたくしの傍に居ることで余計その噂がより濃くなってしまっているのも又事実なのです。
二人の事をわたくしの取り巻き扱いする噂さえ出て強い舞っている始末。
全く厄介なことになってしまいました。
「お二人とも……有難う御座います。わたくしなら心配ご無用ですわ。王太子様との婚約も破棄されたわけですし。これからは恋愛という事を自由にやっていきたいと思いますの」
「それは結構な事です。私も応援しますわ」
「そうですわ。自由になったメリーザですもの。きっとかっこいい殿方が黙っていませんわ」
それは……どうなのでしょうか。
今の所普通に何も変わらず過ごしているのですが……。
殿方もわたくしと距離を取っているようにわたくしにはお見受け致しますわ。
噂は恐ろしいと思い知らされました。
その噂を広めた王太子様は今でもお城に幽閉されているらしいと先程アンヌが言ってましたけれどいつまたこの学園に戻って来るか分かりません。
今の所お父様もお母様も何も言わないのです。
国王様には色々陳情してくれたらしいのですが……。
あ、これは直接お二人にお聞きした訳ではなく使用人たちがそう言っていたのを耳にしたのですけれど……。
「それにしても今日も色々疲れましたわ」
カムランがそう言って紅茶の入ったカップを取りながらため息をついています。
わたくし三人は今学校の授業が終わって学内の喫茶でお茶をしているのです。
お二人とも紅茶を選びわたくしはハーブティを飲んでいるのです。
「はぁ……何処かにあの小説のような殿方に出会えませんかね……」
わたくしはそうため息をついて呟きました。
ボヤいたといってもいいかもしれません。
三人でそんな会話を楽しんでいると急にわたくしたちの目の前に現れた三人組の何処かの貴族でしょうか。
とっても素敵なドレスを身に纏った令嬢たちがわたくしのことを睨みつけていたのです。
果て、誰かしら……?
わたくしはそう思いながらカップの取っ手を取り啜っていると真ん中にどっしりと構えた令嬢が口を開いたのです。
「貴女がメリーザ・エリクトン……ですわね?」
人差し指をわたくしの顔めがけて差しわたくしの名前を名指ししたその令嬢こそ……あの王太子様の溺愛していた自称恋人であったアリーシャ様だったのです。
勿論恋愛というのもしたいと思っているのですがこれまた難解なのです。
王太子が性いでしまった所為でわたくしの印象操作が始まってしまい、わたくしがまるで悪者扱いの酷い令嬢として学校中に広まってしまったのです。
それも全部嘘のでっち上げであることは言うまでもありません。
しかしながら王太子の発言は思ったよりも大きかったのです。
その所為で今でもわたくしを怖ろしくまるで大きな風船に針で突かないような扱いを受けているのです。
「中々上手く行かないものですね……世の中というものは……」
「メリーザが悪いわけはないのですがね……」
「そうですわ……皆様あのお噂に惑わされているだけですのに。それに当の本人は今でもお城に幽閉されているご様子。あの様子ですと国王様もかなりご立腹ですわね」
わたくしの友達であるアンヌとカムランがそう言ってわたくしの事を慰めてくれるのは有難いのですが、お二人がわたくしの傍に居ることで余計その噂がより濃くなってしまっているのも又事実なのです。
二人の事をわたくしの取り巻き扱いする噂さえ出て強い舞っている始末。
全く厄介なことになってしまいました。
「お二人とも……有難う御座います。わたくしなら心配ご無用ですわ。王太子様との婚約も破棄されたわけですし。これからは恋愛という事を自由にやっていきたいと思いますの」
「それは結構な事です。私も応援しますわ」
「そうですわ。自由になったメリーザですもの。きっとかっこいい殿方が黙っていませんわ」
それは……どうなのでしょうか。
今の所普通に何も変わらず過ごしているのですが……。
殿方もわたくしと距離を取っているようにわたくしにはお見受け致しますわ。
噂は恐ろしいと思い知らされました。
その噂を広めた王太子様は今でもお城に幽閉されているらしいと先程アンヌが言ってましたけれどいつまたこの学園に戻って来るか分かりません。
今の所お父様もお母様も何も言わないのです。
国王様には色々陳情してくれたらしいのですが……。
あ、これは直接お二人にお聞きした訳ではなく使用人たちがそう言っていたのを耳にしたのですけれど……。
「それにしても今日も色々疲れましたわ」
カムランがそう言って紅茶の入ったカップを取りながらため息をついています。
わたくし三人は今学校の授業が終わって学内の喫茶でお茶をしているのです。
お二人とも紅茶を選びわたくしはハーブティを飲んでいるのです。
「はぁ……何処かにあの小説のような殿方に出会えませんかね……」
わたくしはそうため息をついて呟きました。
ボヤいたといってもいいかもしれません。
三人でそんな会話を楽しんでいると急にわたくしたちの目の前に現れた三人組の何処かの貴族でしょうか。
とっても素敵なドレスを身に纏った令嬢たちがわたくしのことを睨みつけていたのです。
果て、誰かしら……?
わたくしはそう思いながらカップの取っ手を取り啜っていると真ん中にどっしりと構えた令嬢が口を開いたのです。
「貴女がメリーザ・エリクトン……ですわね?」
人差し指をわたくしの顔めがけて差しわたくしの名前を名指ししたその令嬢こそ……あの王太子様の溺愛していた自称恋人であったアリーシャ様だったのです。
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