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特別編
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「どうして? このままだとお父様が大変なことになるのよ!?」
「父君も仰っていたではありませんか。新派するなと。それに何かあれば私達が父君をお守り致します。どうかアレーレ嬢はこのままここにとどまるべきです」
「オロバス……」
オロバスの言う事は尤もな事だと思った。
確かにこのまま戻ったところで何もできない。
それよりも早くサターニャ国王と結婚して正室として迎え入れて貰い円卓会議にて意見する方が良いのかもしれない。
そう思いながらお城にある自室へと戻って行った。
「マロン。マロンはいる?」
私はマロンを呼びつけた。
お城に残っているように言っておいたマロンが私の呼び出しに応じた。
不安げな顔をしながら私の事を見つめている。
私はマロンの頭を撫でながら話をした。
「大丈夫よ、マロン。それより私はお風呂に入りたいわ。お願い出来るかしら」
「はい。アレーレ様。マロンが全力でお綺麗にいたします」
「有難う、マロン」
私は湯浴みをするために風呂場に向かった。
汗をかいてしまったことでそれを洗い流したいという思いと、ゆっくり考え事をしたい、そう思ったのだ。
脱衣所で服を脱ぐと裸になった私をマロンが手を繋いで風呂場の前に連れて来てくれた。
まずは身体を石鹸のようなもので洗ってくれる。
お尻や背中、胸、首筋、お腹、足先まで全て洗うとお湯をゆっくりかけてくれた。
「さぁ、お湯へどうぞ」
「ありがとう、マロン」
「私は此処でお待ちしております。ごゆっくりお寛ぎくださいませアレーレ様」
私は湯の中で肩まで浸かりながら今までの事を考えていた。
どうしたらいいのか。
またこれからどうしたらいいのかを……。
お湯はいい湯加減で気持ちが良かった。
身体を温めた後私はマロンに身体を布で水しぶきをふき取って貰い服に着替えた。
「父君も仰っていたではありませんか。新派するなと。それに何かあれば私達が父君をお守り致します。どうかアレーレ嬢はこのままここにとどまるべきです」
「オロバス……」
オロバスの言う事は尤もな事だと思った。
確かにこのまま戻ったところで何もできない。
それよりも早くサターニャ国王と結婚して正室として迎え入れて貰い円卓会議にて意見する方が良いのかもしれない。
そう思いながらお城にある自室へと戻って行った。
「マロン。マロンはいる?」
私はマロンを呼びつけた。
お城に残っているように言っておいたマロンが私の呼び出しに応じた。
不安げな顔をしながら私の事を見つめている。
私はマロンの頭を撫でながら話をした。
「大丈夫よ、マロン。それより私はお風呂に入りたいわ。お願い出来るかしら」
「はい。アレーレ様。マロンが全力でお綺麗にいたします」
「有難う、マロン」
私は湯浴みをするために風呂場に向かった。
汗をかいてしまったことでそれを洗い流したいという思いと、ゆっくり考え事をしたい、そう思ったのだ。
脱衣所で服を脱ぐと裸になった私をマロンが手を繋いで風呂場の前に連れて来てくれた。
まずは身体を石鹸のようなもので洗ってくれる。
お尻や背中、胸、首筋、お腹、足先まで全て洗うとお湯をゆっくりかけてくれた。
「さぁ、お湯へどうぞ」
「ありがとう、マロン」
「私は此処でお待ちしております。ごゆっくりお寛ぎくださいませアレーレ様」
私は湯の中で肩まで浸かりながら今までの事を考えていた。
どうしたらいいのか。
またこれからどうしたらいいのかを……。
お湯はいい湯加減で気持ちが良かった。
身体を温めた後私はマロンに身体を布で水しぶきをふき取って貰い服に着替えた。
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