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第4章

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「ところでアレーレ嬢。魔族の一部過激派による騒動をご存知か?」

今まさにそのことでお父様たちが会議をしている最中……であることをアンドレ―様もご存知ははずよね。
なぜそのような事をお聞きになるのかしら。
私は不思議に思いながら答えた。


「はい。存じております。お父様たちが今会議を開いていることも」
「そうでしたか。私はその事で深く心を痛めております。私たち貴族は民の心を深く知らな過ぎている。もっと寄り添って彼らの訴えを訊くべきだと思っているのです」


凄い、貴族の息子として生まれながらご自身の領地の住まう民たちの事を考えているなんて。
ただのイケメン大富豪の息子ではないな、と私は心の中で思った。


「彼等にも色々ご苦労が終わりなのでしょう。今はそれをどう収めるかが課題ですわね」
「アレーレ嬢の言う通りです。私もこれを機会にヨーク家に生まれた者として深く心に刻むことにしました。そ、その、それとですね、アレーレ嬢」


アンドレ―様の声が急に裏返った。
婚約の話かしら。
私はアンドレ―様の方を見つめた。
アンドレ―様は恥ずかしそうに頭を掻いてオドオドしていている。


「なんでしょう」


私は話の続きをするようにアンドレ―様に訊ねた。


「婚儀の事です。私もあれから色々考えました。今もアレーレ嬢の言われる『恋愛』と言うのはよく分かりません。が、私はアレーレ嬢と共にこの国の役目を果たしたい、そう考えております。どうでしょうか、もう一度お考えいただくことは出来ませんか?」


「それは……」


私が話し出すと急に遠い所で爆発音とともに地響きが起こった。
屋敷にいた侍女や執事たちが一斉に騒ぎだす。
いったい何が起こっているの? 
私はあたりをきょろきょろする。
アンドレ―様も同じように何が起こっているのか分からずあたりを見回していた。


「おい、どうしたのだ。この騒ぎはっ!」


アンドレ―様の屋敷のオドオドしていた執事にそう訊ねるアンドレ―様。
慌てた様子でアンドレ―様から訊ねられた執事が真っ青な表情でこう答えた。


「アンドレ―様、アレーレ様っ!! 直ぐにお屋敷にお戻りください。魔族による暴動があったとのことです。街の真ん中で暴れているとっ! ここは危のう御座います。直ぐにご避難をっ!」
「なに!? 魔族の暴動だと!?」


直ぐにマロンが私の元へ駆けつけて一緒に屋敷に避難するようにと言った。
私とアンドレ―様は執事の後を歩き屋敷の中へに非難した。
一体全体何が起こっているというの?
魔族の暴動……まさか、あの反乱分子たちが暴れ出したとでもいうの!?
 
私は直ぐに自分の屋敷に戻るとアンドレ―様に話した。

「屋敷に戻るですと!? しかし…ですが、今はまだ危険なのでは?」


心配するアンドレ―様に私は凛とした態度で答えた。
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