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第2章
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「実は魔界で何やら不穏な動きをしているのを耳にしました。恐らく人間族とのことではないかと…。魔王様が今必死で左翼共を押さえつけておりますが、手こずっているご様子。一応アレーレ嬢のお耳に入れておきたく参上仕りました。」
なぜそのような事を私に伝えるのかしら。
魔王様とか一体何なのそれ。
そう言えばエルフが舞するとかどうとか言ってたような。
何なのこれって。
私の周りでいったい何が起きようとしているの。
私は跪く好青年姿のオロバスを見ながらそう思っていた。
「アレーレ様。アンドレ―様がお帰りに…っ、オロバス様、突然どうなされたのですか!?」
戻って来たマロンが驚いた表情でオロバスを見つめていた。
オロバスは顔を上げニコリと笑顔をマロンに送るとそのまま暗闇の中に消えていった。
残された私とマロン。
マロンはオドオドしながら私の顔を見つめていた。
「マロン。大丈夫よ。何も心配することはないわ。それより先程サロンが『エルフの舞』がどうとか言っていたの。それはどういう舞なのかしら」
「エルフの舞ですか。あれはアレーレ様の大好きな余興でございます。暇つぶしにと…」
「そう。それは美しい舞なのかしら?」
マロンにそう訊ねると顔色を変えて答えた。
「いえ……私共侍女には分かり兼ねる舞でございます」
え……? いったいどんな舞なのよ。
エルフの舞ってのは。
皆が言うエルフの舞と言うのがどうも気になりだした私は自室に戻り机の引き出しを一段ずつ開けて何か舞について書かれている物が無いかと探し始めた。
しかしエルフの舞ついての記録は見つからず私は困惑した。
一層の事その舞を見てみたらわかるのではないか。
『チリチリチリン…』
「はい。アレーレ様。お呼びでしょうか」
「マロン。エルフの舞と言うのを明日の女子会にて執り行いなさい。よろしくて?」
マロンにそう命じるとマロンが急に顔が真っ青になってしまった。
いったいどんな舞なのかしら、エルフの舞ってますます気になってきちゃった……。
「か、畏まりました…アレーレ様」
マロンはいつも以上に深々と頭を下げて部屋を後にした。
マロンの不穏な表情が頭から離れないが一度体験してみないと何も分からない。
私はそう思いながら書斎を後にし寝室へ向かった。
侍女を伴わず寝室の扉をゆっくり開けると少しの明かりが灯り大きな傘のついたベッドに腰かけた。
「今日は色々な事が起こり過ぎて頭が追い付かないわ。それにしても魔族の動きが気になるわね。それにエルフの舞とやらも……一体全体前の私はどれだけの存在だったのかしら。私にこのアレーレと言う存在をうまくやり過ごせるのかしら」
段々と不安が大きくなっていくのが自分でも分かる。
侍女が私の部屋に来て着替えを手伝うと言ってくる前に早々とネグリジェに着替えてベッドの布団の中に入って目を瞑った。
なぜそのような事を私に伝えるのかしら。
魔王様とか一体何なのそれ。
そう言えばエルフが舞するとかどうとか言ってたような。
何なのこれって。
私の周りでいったい何が起きようとしているの。
私は跪く好青年姿のオロバスを見ながらそう思っていた。
「アレーレ様。アンドレ―様がお帰りに…っ、オロバス様、突然どうなされたのですか!?」
戻って来たマロンが驚いた表情でオロバスを見つめていた。
オロバスは顔を上げニコリと笑顔をマロンに送るとそのまま暗闇の中に消えていった。
残された私とマロン。
マロンはオドオドしながら私の顔を見つめていた。
「マロン。大丈夫よ。何も心配することはないわ。それより先程サロンが『エルフの舞』がどうとか言っていたの。それはどういう舞なのかしら」
「エルフの舞ですか。あれはアレーレ様の大好きな余興でございます。暇つぶしにと…」
「そう。それは美しい舞なのかしら?」
マロンにそう訊ねると顔色を変えて答えた。
「いえ……私共侍女には分かり兼ねる舞でございます」
え……? いったいどんな舞なのよ。
エルフの舞ってのは。
皆が言うエルフの舞と言うのがどうも気になりだした私は自室に戻り机の引き出しを一段ずつ開けて何か舞について書かれている物が無いかと探し始めた。
しかしエルフの舞ついての記録は見つからず私は困惑した。
一層の事その舞を見てみたらわかるのではないか。
『チリチリチリン…』
「はい。アレーレ様。お呼びでしょうか」
「マロン。エルフの舞と言うのを明日の女子会にて執り行いなさい。よろしくて?」
マロンにそう命じるとマロンが急に顔が真っ青になってしまった。
いったいどんな舞なのかしら、エルフの舞ってますます気になってきちゃった……。
「か、畏まりました…アレーレ様」
マロンはいつも以上に深々と頭を下げて部屋を後にした。
マロンの不穏な表情が頭から離れないが一度体験してみないと何も分からない。
私はそう思いながら書斎を後にし寝室へ向かった。
侍女を伴わず寝室の扉をゆっくり開けると少しの明かりが灯り大きな傘のついたベッドに腰かけた。
「今日は色々な事が起こり過ぎて頭が追い付かないわ。それにしても魔族の動きが気になるわね。それにエルフの舞とやらも……一体全体前の私はどれだけの存在だったのかしら。私にこのアレーレと言う存在をうまくやり過ごせるのかしら」
段々と不安が大きくなっていくのが自分でも分かる。
侍女が私の部屋に来て着替えを手伝うと言ってくる前に早々とネグリジェに着替えてベッドの布団の中に入って目を瞑った。
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