11 / 80
第1章
10
しおりを挟む
「アレーレ嬢。僕のオロバスでございます。本日は例の如くアレーレ嬢の魔力を頂きに参上いたしました。契約の掟に従いある主アレーレ嬢への忠誠をここに誓います。さぁ、私に魔力をお与えくださいっ」
「な、何? 貴方は一体何者なの!?」
「おや? 何をおバカなことを仰るのですか。このオロバスをお忘れですか? またいつものご冗談でしょう。さぁ、左手を前に」
訳が分からないけど、転生したアレーレってバレるとなんか厄介だから言う通りにしておいた方が良さそうね。
私は男性の言った通り左手を出した。
すると男性は左手を優しく握り手の甲にチュッと優しく口づけをした。
「な、何なのっ!!」
口づけをされた場所から何かが吸われている感覚に陥った。
これって魔力を吸われているってことなのかしら。
それにしても血を啜られている感覚に似てるかも……そんな経験一度もないけど何となく。
めちゃくちゃ体がだるくなってきたわ。
立っているのもやっとの状態になった私を男性は私の腰に手を回して支えてくれた。
「大丈夫ですか。アレーレ様。いつもと同じくらいの魔力を頂いたつもりでしたが」
「少しふらっとしただけです。それより椅子に座らせて下さらない」
「畏まりました」
男性は私を軽々持ち上げてお姫様抱っこをして私を椅子に座らせてくれた。
するとマロンが紅茶をの用意が出来たと私を呼びに来た。
「あら、オロバス様。お久しぶりです。今日は何時ものアレですか」
「やぁ~、マロンちゃん。そうそう、ご主人様に魔力提供をお願いしにね。今終わったところだよ」
「マロン、マロンっ!!」
私はマロンを呼びつけ目の前にいるイケメン男子の事について訊ねた。
するとこの人は魔族で私と契約して主従関係にあるらしいことが分かった。
一度主従関係の契約を結ぶとオロボスという男は外界からの魔力を吸収出来なくなるそうで、代わりに契約者に魔力提供してもらわなければ生きてはいけないという。
だから主である私の魔力を欲する時だけ人間の姿で現れ魔力補給を行うそうだ。
普段どんな姿しているのか疑問に思ったがそこは深く掘り下げるのをやめておこうと思った。
それ以外の時は私の傍に密かに潜んでいるらしい。
私の入浴姿とかも見られているのかしら。
「それはないですよ。アレーレ嬢」
黙っていたオロバスが声を出した。
心の中が覗けるのかしらもしかしてこの人ったら。
マロンは自分の役目を終えるとさっさと紅茶の用意をし始めた。
「基本私とアレーレ嬢の心は繋がっております。しかし心が読めるわけではなく色でアレーレ嬢の考えていることを予測する程度しか出来ません。因みに先程私が感じたことはピンク色。そして私を蔑んだ視線を見せたことなどから予測して『お風呂を覗かれているのでは』ということを考えているのではないかと思い否定させて頂きました。事実私はそういう趣味はございません」
なるほど、この魔族は案外紳士的ってことなのね。
でも色だけであそこまでドンピシャだとは流石に怖いって思っちゃうわよね。
本当に不思議な世界に来ちゃったものだわ。
全く先が思いやられる……。
「アレーレ様。お茶のご用意が出来ました。どうぞこちらへ。オロバス様ご一緒なさいますか?」
「そうですね、頂こうとしましょうか」
オロバスとマロンは仲良さそうに話しながら、私はその後ろ姿を見ながら紅茶のある場所に向かった。
「な、何? 貴方は一体何者なの!?」
「おや? 何をおバカなことを仰るのですか。このオロバスをお忘れですか? またいつものご冗談でしょう。さぁ、左手を前に」
訳が分からないけど、転生したアレーレってバレるとなんか厄介だから言う通りにしておいた方が良さそうね。
私は男性の言った通り左手を出した。
すると男性は左手を優しく握り手の甲にチュッと優しく口づけをした。
「な、何なのっ!!」
口づけをされた場所から何かが吸われている感覚に陥った。
これって魔力を吸われているってことなのかしら。
それにしても血を啜られている感覚に似てるかも……そんな経験一度もないけど何となく。
めちゃくちゃ体がだるくなってきたわ。
立っているのもやっとの状態になった私を男性は私の腰に手を回して支えてくれた。
「大丈夫ですか。アレーレ様。いつもと同じくらいの魔力を頂いたつもりでしたが」
「少しふらっとしただけです。それより椅子に座らせて下さらない」
「畏まりました」
男性は私を軽々持ち上げてお姫様抱っこをして私を椅子に座らせてくれた。
するとマロンが紅茶をの用意が出来たと私を呼びに来た。
「あら、オロバス様。お久しぶりです。今日は何時ものアレですか」
「やぁ~、マロンちゃん。そうそう、ご主人様に魔力提供をお願いしにね。今終わったところだよ」
「マロン、マロンっ!!」
私はマロンを呼びつけ目の前にいるイケメン男子の事について訊ねた。
するとこの人は魔族で私と契約して主従関係にあるらしいことが分かった。
一度主従関係の契約を結ぶとオロボスという男は外界からの魔力を吸収出来なくなるそうで、代わりに契約者に魔力提供してもらわなければ生きてはいけないという。
だから主である私の魔力を欲する時だけ人間の姿で現れ魔力補給を行うそうだ。
普段どんな姿しているのか疑問に思ったがそこは深く掘り下げるのをやめておこうと思った。
それ以外の時は私の傍に密かに潜んでいるらしい。
私の入浴姿とかも見られているのかしら。
「それはないですよ。アレーレ嬢」
黙っていたオロバスが声を出した。
心の中が覗けるのかしらもしかしてこの人ったら。
マロンは自分の役目を終えるとさっさと紅茶の用意をし始めた。
「基本私とアレーレ嬢の心は繋がっております。しかし心が読めるわけではなく色でアレーレ嬢の考えていることを予測する程度しか出来ません。因みに先程私が感じたことはピンク色。そして私を蔑んだ視線を見せたことなどから予測して『お風呂を覗かれているのでは』ということを考えているのではないかと思い否定させて頂きました。事実私はそういう趣味はございません」
なるほど、この魔族は案外紳士的ってことなのね。
でも色だけであそこまでドンピシャだとは流石に怖いって思っちゃうわよね。
本当に不思議な世界に来ちゃったものだわ。
全く先が思いやられる……。
「アレーレ様。お茶のご用意が出来ました。どうぞこちらへ。オロバス様ご一緒なさいますか?」
「そうですね、頂こうとしましょうか」
オロバスとマロンは仲良さそうに話しながら、私はその後ろ姿を見ながら紅茶のある場所に向かった。
0
お気に入りに追加
857
あなたにおすすめの小説
上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
恋愛に臆病な28歳のOL椎名澪(しいな みお)は、かつて自分をフッた男性が別の女性と結婚するという噂を聞く。ますます自信を失い落ち込んだ日々を送っていた澪は、仕事で大きなミスを犯してしまう。ことの重大さに動揺する澪の窮地を救ってくれたのは、以前から密かに憧れていた課長の成瀬昇吾(なるせ しょうご)だった。
澪より7歳年上の成瀬は、仕事もできてモテるのに何故か未だに独身で謎の多い人物。澪は自分など相手にされないと遠慮しつつ、仕事を通して一緒に過ごすうちに、成瀬に惹かれる想いを抑えられなくなっていく。けれども社内には、成瀬に関する気になる噂があって・・・。
※ R18描写は後半まで出てきません。「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
洞窟ダンジョン体験ツアー案内人役のイケメン冒険者に、ラッキースケベを連発してしまった私が患う恋の病。
待鳥園子
恋愛
人気のダンジョン冒険ツアーに参加してきたけど、案内人のイケメン冒険者にラッキースケベを連発してしまった。けど、もう一度彼に会いたいと冒険者ギルド前で待ち伏せしたら、思いもよらぬことになった話。
きみは運命の人
佐倉 蘭
恋愛
青山 智史は上司で従兄でもある魚住 和哉から奇妙なサイト【あなたの運命の人に逢わせてあげます】を紹介される。
和哉はこのサイトのお陰で、再会できた初恋の相手と結婚に漕ぎ着けたと言う。
あまりにも怪しすぎて、にわかには信じられない。
「和哉さん、幸せすぎて頭沸いてます?」
そう言う智史に、和哉が言った。
「うっせえよ。……智史、おまえもやってみな?」
※「偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎」のExtra Story【番外編】です。また、「あなたの運命の人に逢わせてあげます」「お見合いだけど、恋することからはじめよう」のネタバレも含みます。
※「きみは運命の人」の後は特別編「しあわせな朝【Bonus Track】」へと続きます。
婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
変態王子&モブ令嬢 番外編
咲桜りおな
恋愛
「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」と
「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」の
番外編集です。
本編で描ききれなかったお話を不定期に更新しています。
「小説家になろう」でも公開しています。
義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる