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「私がこの屋敷の主、イグリードでございます。この度貴女様のお世話を拝命されました」
イグリード…?
そう言えば、この世界に来た時に確かそんな名前だった気が……。
「宜しくお願い致します」
「畏まり…?」
「どうかしましたか?」
「……舞……なのか?」
「はい。私の名前はキンバリー舞と申します」
「おお~!はやり、舞だったのか。私だ。父だ」
「…え?」
「無事で何よりだった。此処を出てからずいぶん時間がかかってしまった。私に力が無く申し訳ないことを」
「貴方はもしや王国にいた時の私のお父様…?」
「そうだ。あれから色々あってな。其方を探す時間が無くて。すまない」
「いえ…私はあれから帝国へと入ることが出来、今では帝国の貴族の娘です。お父様もお元気そうで」
「ああ。あれから母が病で倒れてしまってな。今はベッドから起き上がれない状態なのだ」
「そうだったのですね」
「それよりなぜ舞が?監督官が来ると聞いていたのだが」
「私がその監督官です。王国の貴族の方々と面談するよう王さまから拝命されて此処にいます」
「そうだったのだな。色々迷惑をかけるが宜しく頼む」
「はい。私はこれで休ませて貰いたのですが、使えるお部屋は有りますか?」
「ああ。其方が使っていた部屋がある筈だ。そこを使ってくれ。警護の方々は別の部屋を用意しております。使用人がご案内を…」
「宜しくお願いします」
偶然の出来事で驚きましたがどうやらここが懐かしいと思っていたのは間違いではなかったようです。
またここに戻って来れたのはなんだか安心しました。
私が使っていたという部屋の前に到着しました。
「ここが……」
私は部屋に入ると大きなベッドが目に入ってきました。
確かここで目が覚めて気づいたらこの世界に飛ばされたのだということを思い出しました。
ベッドの上に座ってみるとふかふかしていました。
何だか落ち着きます。
「舞様。宜しいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
リンさんがやってきました。
明日の打ち合わせと説明をするために来たようです。
明日は朝から貴族が10数名来るとのこと。
多くの貴族が帝国に従うことを認めていること。
領土の民たちの事を新派していること。
多くの事前情報を聞くことが出来ました。
「…ということです。一度に多くの事をお伝えしましたが大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。リンさん、有難う御座います」
「いえ。私は自分の役目を果たしているだけです。明日から大変なのは舞様。今日はゆっくりとお休みください」
「有難う。湯浴みを済ませたら休ませて貰います」
「畏まりました」
では、とリンさんが部屋を後にしました。
私は湯浴みの準備をしてお風呂場へ向かいました。
今日はクタクタです。
明日の事を考えるとぞっとしますが何とか頑張って行こうと思いました。
イグリード…?
そう言えば、この世界に来た時に確かそんな名前だった気が……。
「宜しくお願い致します」
「畏まり…?」
「どうかしましたか?」
「……舞……なのか?」
「はい。私の名前はキンバリー舞と申します」
「おお~!はやり、舞だったのか。私だ。父だ」
「…え?」
「無事で何よりだった。此処を出てからずいぶん時間がかかってしまった。私に力が無く申し訳ないことを」
「貴方はもしや王国にいた時の私のお父様…?」
「そうだ。あれから色々あってな。其方を探す時間が無くて。すまない」
「いえ…私はあれから帝国へと入ることが出来、今では帝国の貴族の娘です。お父様もお元気そうで」
「ああ。あれから母が病で倒れてしまってな。今はベッドから起き上がれない状態なのだ」
「そうだったのですね」
「それよりなぜ舞が?監督官が来ると聞いていたのだが」
「私がその監督官です。王国の貴族の方々と面談するよう王さまから拝命されて此処にいます」
「そうだったのだな。色々迷惑をかけるが宜しく頼む」
「はい。私はこれで休ませて貰いたのですが、使えるお部屋は有りますか?」
「ああ。其方が使っていた部屋がある筈だ。そこを使ってくれ。警護の方々は別の部屋を用意しております。使用人がご案内を…」
「宜しくお願いします」
偶然の出来事で驚きましたがどうやらここが懐かしいと思っていたのは間違いではなかったようです。
またここに戻って来れたのはなんだか安心しました。
私が使っていたという部屋の前に到着しました。
「ここが……」
私は部屋に入ると大きなベッドが目に入ってきました。
確かここで目が覚めて気づいたらこの世界に飛ばされたのだということを思い出しました。
ベッドの上に座ってみるとふかふかしていました。
何だか落ち着きます。
「舞様。宜しいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
リンさんがやってきました。
明日の打ち合わせと説明をするために来たようです。
明日は朝から貴族が10数名来るとのこと。
多くの貴族が帝国に従うことを認めていること。
領土の民たちの事を新派していること。
多くの事前情報を聞くことが出来ました。
「…ということです。一度に多くの事をお伝えしましたが大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。リンさん、有難う御座います」
「いえ。私は自分の役目を果たしているだけです。明日から大変なのは舞様。今日はゆっくりとお休みください」
「有難う。湯浴みを済ませたら休ませて貰います」
「畏まりました」
では、とリンさんが部屋を後にしました。
私は湯浴みの準備をしてお風呂場へ向かいました。
今日はクタクタです。
明日の事を考えるとぞっとしますが何とか頑張って行こうと思いました。
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