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「戻ったか。此度は其方の活躍があればこその勝利。本当によくやってくれた」

帝国王のお城に招かれた私は王さまからそのようなお言葉を頂きました。

「有難う御座います。これも帝国の為」

私がそう言うと王さまは笑顔で頷いていました。

「それで其方に新たな頼みごとをしたいのだが…」
「何でしょう?」
「其方のその力を是非借りたい。今王国国王の死刑を行うのだが、連日私の所に王国領の貴族たち和平を持ち込んできてな。私としては帝国の力になれるものには協力してもらいたいと思っている。しかし本心からそう思っているのか分からぬ。そこで其方だ。其方のその力を使って各貴族達の面談をして貰いたい。そこでふるいに掛けようと思っているのだ」
「私が、ですか?」
「其方しかおらぬ。頼めるだろうか」
「……でも、私には学園もありますし」
「学園の事は気にせんでよい。ことが終われば元通りの暮らしが出来るだろう」
「……分かりました。では早速王国領へ参ります」
「おお!助かる。護衛の兵士たちとそこにいる二人に身辺警護をして貰うとしよう。あと欲しいものはあるか?」
「私の屋敷で働ているリンさんという方にも同席してもらいたいです」
「分かった。キンバリー伯爵には私から伝えることとしよう」
「有難う御座います。では行ってまいります」
「頼んだぞ。舞」
「はい」

王さまに一礼して私はその場を後にしました。
何だか大変な任務になってしまいました。
私が面接官として貴族達と面談することになってしまったのです。
私の力は相手の本心を読み解くことができるので適材適所だと思うのですが。

「リンさん。私はこれからどうしたら」
「大丈夫です。お役目が終わればまたいつも通りの暮らしが出来るはずです」
「そうですよね…」
「はい。私も微力ながらお傍に居りますので」
「有難う御座います」
「頑張りましょう。舞様」
「ええ…」

なんだか私はこの世界に慣れてきた気がします。
順応性が高いのかしら…。
ここに飛ばされて早数か月。
そう言えばあれから神様からの連絡は有りません。
私を元の世界に戻すことが出来るようになるとかなんとか…。
今は目の前の役割を果たすことが必要です。
私は馬車の中でそう思いながら王国領を目指しました。

暫くすると馬車が止まり兵士から報告がありました。

「舞様。王国領に到着しました。此方の建物にお入りください」
「有難う」
「はっ」

馬車から出ると大きなお屋敷の前に止まっていました。
どこかで見た気がする建物…。
そう思いながら屋敷に入ることにしました。
人気が全くない屋敷の中はしんとしていました。

「ここで面談を?」
「そうです。舞様」
「どこかで見た気が……」
「そうなのですか?」
「リンさんは此処は知らない?」
「はい。始めてきました」

そうなんだ。
でもどこか懐かしさを感じる建物だと思いました。
明日から順次面談が始まるとの事です。
なつかしさは置いておいて面談に集中することにします。

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