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「よし、舞殿の情報により敵にわなを仕掛けたな?」
「はい、将軍。地雷を各所に仕掛け終わりました」
「これで騎兵隊を潰せるな。敵の陣形が崩れ次第本陣に乗り込むぞ」
「はっ!!」

ぶおおおん

大きな角笛が鳴り響きました。
開戦。

私達は前線より遠くの後衛で待機することになっています。
逐一兵士が将軍に報告が上がっている状況です。
私のやるべきことはもう何もありません。
とにかく帝国兵の方々の無事を祈るばかり…。

「報告します!敵王国軍トラップに掛かり崩れ始めました」
「よし!では各兵長たちに命じる。敵王国軍本陣へ乗り込め!兵士の無駄死には避けよ!本陣を叩けばこの戦いは終わる」
「はっ!」

兵士が戻り各陣営の兵士たちに伝達。
私の情報通りの動きを敵はしてくれたようです。
トラップも見事にはまってくれた様子で一安心しました。
此方の兵士たちの犠牲を少なくするために立てた作戦。

数時間後兵士が報告に戻ってきました。

「報告します。敵本陣を叩き潰すことに成功。我軍の被害は軽傷です。圧勝しました!」
「ご苦労!敵の大将はどうした?」
「はっ。もうじきこちらに到着するとの事」
「わかった。さがって休め」
「はっ!」

呆気なく敵陣が崩壊してくれたようです。
敵の大将は王国の皇太子。
ここに来るということは私とまた会うことになるという事。
どういう顔をするのかが楽しみで仕方ありません。
私を捨てた張本人。
なんて声をかけようか迷ってしまいます。
相手も驚くことでしょう。
王国を追放された私が帝国の貴族になっていることや、此処にいるということに。

「舞殿。お手柄だったな。其方の父君もお喜びになるぞ」
「有難う御座います。敵が思い通りの行動をしてくれてほっとしました」
「其方の力は絶大だな。これで王国の都を占拠できるぞ」
「これで戦いは終わり、なのでしょうか?」
「我帝国が勝利すれば闘いは終わりだろう。王国領が帝国のものになれば他国も我帝国を攻めるなどと戯れたことはせん」
「良かったです。これで平和になるのですね」
「長い年月と失ってしまった兵士たちが報われる」
「本当に」
「帝国に戻った際には陛下より褒美が出されるだろう。この作戦を立案した軍師として、な」
「褒美など…私は自分にできることをしたまで。帝国が平和になれば私にとっても嬉しい事です」
「ああ。そうだな。しかし見事だった」
「有難う御座います」

将軍の誉め言葉に心が晴れていく感覚がありました。
そしてもうすぐ皇太子が此処に来る。
そのことを考えただけでぞくぞくしてきます。
ああ、私の事を追放したことを後悔させてやります。

「将軍閣下!敵大将を連れてきました」
「ご苦労。ここへ」
「はっ!」

さぁ、私の復讐の始まりです!
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