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王国の不穏な動きなど全く知らない舞はあの一件以来学園では有名人になってしまっていた。
学園生活も楽しくなってきたし、私もこのままお嫁に行く準備をしなくちゃいけないのよね。
キンバリー家とアルフォンド家の結び役として頑張らないとっ。
「舞様。どうなされたの?」
「え…?だ、大丈夫です。ちょっと考え事を」
「そうでしたの。それより聞きました?王国の話」
「王国?何のことですか?」
「噂なのですが、王国がこの帝国と戦争を始めるという話なのです」
「ええ?そうなのですか?」
「ええ。お父様からお聞きしなのです。今帝国貴族は戦の準備をしているとか。怖いですわ」
「それは……」
マリーヌから聞かされた話を私はお父様には聞いていない。
王国が帝国を攻めてくる?
そんなことが……。
「舞様?お顔色がすぐれませんが…」
「ええ。少し驚いてしまって。初めて聞いた話なので」
「噂ですけれど。私のお父様は準備をしていると言っていましたわ」
「そうなのですね。怖いですね」
「舞様もわたくし達も貴族の一員としてお役に立たなければ、ですわ!」
「そう、ですね…」
マリーヌの話を聞きながら王国の事を考えていました。
濡れ衣を着せられ追放された私ですが、王国にもお父様とお母様がいるのです。
今は何をしているのか分からないですが心配です。
学園から屋敷に戻った私は直ぐにリンさんの所に向かいました。
リンさんなら何か知っているかもしれない。
お父様達はまだお城から戻っていない様子でした。
「リンさん!」
「何でしょう?」
「聞きました?王国と帝国の争いが…!」
「そのことですか。もう舞様のお耳に」
「ええ。先ほどマリーヌ様からお聞きしました。噂だと言っていましたが、本当の事なのですか?」
「私は使用人の立場ですので詳しい事はわかりかねます。ですが私もそのようなお話を耳にしました」
「そうなのですね。お父様達は争いの準備をしているのですか?」
「そこまではわかりかねます。直接主様にお聞きください」
「そう、ですよね…」
「すみません。お役に立てず。私は夕食の準備が御座いますので。舞様もお着換えください」
「すみません。お仕事中に」
「いえ。大丈夫ですよ」
リンさんは笑ってそう言うと食堂の方に歩き出しました。
私は部屋に戻り着替えを済ませ、じっと考えていました。
戦争になればあの国王と皇太子が出てくるはずです。
もしここまで攻め込まれたら…。
私にできることが無いか、そんなことを考えたところで答えは出ませんでした。
私には魔法スキルが全くないし、戦闘スキルもありません。
役に立つどころか足を引っ張りかねません。
私は目を閉じてステータスの確認をしました。
【氏名】キンバリー・舞
【種類】ヒューマン
【性別】女
【階級】キンバリー伯爵令嬢
【魔法】オートヒール
【スキル】神通力レベル95
【幸運】レベル99
【婚約者】アルフォンド・レイヤード
神通力のレベルが1上がっていました。
しかし魔法はオートヒールのみ。
はやり戦闘能力もありません。
私にできることは無いのかもしれません。
でも、王国が攻めてくるのであれば……あの国王と皇太子へ……復讐を…!
学園生活も楽しくなってきたし、私もこのままお嫁に行く準備をしなくちゃいけないのよね。
キンバリー家とアルフォンド家の結び役として頑張らないとっ。
「舞様。どうなされたの?」
「え…?だ、大丈夫です。ちょっと考え事を」
「そうでしたの。それより聞きました?王国の話」
「王国?何のことですか?」
「噂なのですが、王国がこの帝国と戦争を始めるという話なのです」
「ええ?そうなのですか?」
「ええ。お父様からお聞きしなのです。今帝国貴族は戦の準備をしているとか。怖いですわ」
「それは……」
マリーヌから聞かされた話を私はお父様には聞いていない。
王国が帝国を攻めてくる?
そんなことが……。
「舞様?お顔色がすぐれませんが…」
「ええ。少し驚いてしまって。初めて聞いた話なので」
「噂ですけれど。私のお父様は準備をしていると言っていましたわ」
「そうなのですね。怖いですね」
「舞様もわたくし達も貴族の一員としてお役に立たなければ、ですわ!」
「そう、ですね…」
マリーヌの話を聞きながら王国の事を考えていました。
濡れ衣を着せられ追放された私ですが、王国にもお父様とお母様がいるのです。
今は何をしているのか分からないですが心配です。
学園から屋敷に戻った私は直ぐにリンさんの所に向かいました。
リンさんなら何か知っているかもしれない。
お父様達はまだお城から戻っていない様子でした。
「リンさん!」
「何でしょう?」
「聞きました?王国と帝国の争いが…!」
「そのことですか。もう舞様のお耳に」
「ええ。先ほどマリーヌ様からお聞きしました。噂だと言っていましたが、本当の事なのですか?」
「私は使用人の立場ですので詳しい事はわかりかねます。ですが私もそのようなお話を耳にしました」
「そうなのですね。お父様達は争いの準備をしているのですか?」
「そこまではわかりかねます。直接主様にお聞きください」
「そう、ですよね…」
「すみません。お役に立てず。私は夕食の準備が御座いますので。舞様もお着換えください」
「すみません。お仕事中に」
「いえ。大丈夫ですよ」
リンさんは笑ってそう言うと食堂の方に歩き出しました。
私は部屋に戻り着替えを済ませ、じっと考えていました。
戦争になればあの国王と皇太子が出てくるはずです。
もしここまで攻め込まれたら…。
私にできることが無いか、そんなことを考えたところで答えは出ませんでした。
私には魔法スキルが全くないし、戦闘スキルもありません。
役に立つどころか足を引っ張りかねません。
私は目を閉じてステータスの確認をしました。
【氏名】キンバリー・舞
【種類】ヒューマン
【性別】女
【階級】キンバリー伯爵令嬢
【魔法】オートヒール
【スキル】神通力レベル95
【幸運】レベル99
【婚約者】アルフォンド・レイヤード
神通力のレベルが1上がっていました。
しかし魔法はオートヒールのみ。
はやり戦闘能力もありません。
私にできることは無いのかもしれません。
でも、王国が攻めてくるのであれば……あの国王と皇太子へ……復讐を…!
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