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「そろそろ来るかな~?」

夕食も終わりに近づいてい時レイヤード様がそう呟きだしました。
何の事だろうと思っていたのですが周りにいらっしゃる方々がニヤニヤし始めたのです。
するとノックする音がして扉が開きました。

「ご到着なさいました」
「ご苦労さん。入って貰って」

執事がそう言うとレイヤード様が誰かを部屋に招くよう指示されました。
執事が一礼してその奥から数名の女性たちが部屋に入ってきました。
マリーヌたちです。
私は驚きを隠せず彼女たちを見つめていました。

「よく来たね。どうぞ、中に入ってよ」

レイヤード様がそう言うと彼女たちはおどおどしながら私たちの前で止まりました。
何が始まるのだろう。
そう思っているとレイアード様が話し始めました。

「お姉さんたちさ、僕聞いちゃったんだよね。学園での話。それでさ、許せなくって。お父様とお母様、お兄様に話をしたら是非会って言いたいことがあるんだって」

そう言うと、明らかにビクついているマリーヌが話し始めました。

「何のことでしょう?私達は特に何もお話してはいませんけれど…」
「そうですわ」

そば付の女性もマリーヌに同調するように言いました。
それを聞いていたアーバント様が口を開きました。

「そうかな?私は其方たちが舞殿に卑劣な言葉を投げかけていた、ときいたのだが?違うというのか?」
「ええ、そのようなこと…」
「ほう。では私の弟が嘘をついていると?」
「……」
「僕この耳ではっきり聞いちゃったんだよ。お姉さんたちが舞さんに『女狐』って言ってたこと。本当に酷いよね。僕のお嫁さんに向かってさ。ねぇ、お父様」
「なるほど…。そのような事を言っていたのか。それは無礼な言葉だな」
「父上。私は舞殿にそのような汚らしい言葉を発したこの者たちを許すことは出来ません。私達アルフォンド家とキンバリー家は親戚になる間柄。その娘殿に対して無礼です」
「そうだな。私も看過できんな。其方達、何か言いたいことがあるか?」

公爵殿下がマリーヌ達にそういうとグーの音も出ず黙り込んでしまいました。
いいざまです。
私を苛めてしまったが故の罰です。
これも幸運度の所為でしょうか。
とても愉快でした。
私はそう思いながらも顔にはその愉快さは出さず黙って様子を見ていました。
公爵殿下が話を続けます。

「何も言うことはないということだな。其方達中級貴族の身分で舞殿キンバリー家を侮辱した罪。そうとう重い。帝国貴族法によって厳罰に処すことも検討せざるを得ない」
「待ってくださいっ!私達の所為で家が罰せられるということでしょうか?」
「そうだな。そう言うことになる」
「…もう仕訳ありませんでした。私たちが悪かったです。どうかお許しをっ」
「ならん」
「どうか!!」

あまりにも一方的なやり取りを聞いていた私は心が痛くなってきてしまいました。
ここで私が助け舟を出せば彼女達は私に頭が上がらない、ということも同時に思いました。
そこで私はあることを思いついたのです。


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