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あっという間に城外の一番外の門まで馬車で送り出された私はまるでゴミ捨て袋のようにぽいっと捨てられました。
ドレスの裾はひどく汚れてしまい、引っ張られたせいで裾が少し破けてしまいました。

「これからどうするんだろう、私……そうだ、神様に聞いてみよう」

思い立ったが吉、私は携帯を取り出し電話を掛けた。
てゅるるる、てゅるるる……。
電話の呼び出し音が二回なった後に通話開始の画面に映った。

「もしもし、何じゃ?」
「もしもし!何じゃ、じゃないですよ!どういうことですか、これはっ」
「どうしたんじゃ。なにがあったんじゃ?」
「私、いきなり婚約者が出来たと思ったら、悪人にされて、知らない両親と別れさせられて、この国追い出されちゃいましたよ。どうしてくれるんですか?」
「あらら、そうなったか~。残念じゃ……」
「残念じゃ、じゃ、ありませんっ!神様なんでしょ?私ここがどういうところか分からないし、一人になっちゃうし、上流貴族とか、西洋とか、全く分からないただの女子高生ですよ!もう元の世界に返してください」
「それは無理なんじゃ…色々手続きがあっての……」
「どーいうことですか?それは?」
「異世界に行くときは簡単なんじゃよ。例えば舞が暮らしていた世界のありとあらゆる記憶を消すことは簡単なんじゃ。しかし……」
「しかし、なんですか?」
「しかしの~。元に戻すということは記憶を改ざんせなならん。それには書類を出して、議会に審議してもらい、承認されるか判断され、おっけーが出れば……」

何ちゅーめんどくさい!
お役所仕事ですか?
全く神様の世界って何なんですか??

「めんどくさい手続きがあってのぉ~…済まぬ、直ぐにはどうこう出来んのじゃよ。手続きが終わるまで何とか今の世界で耐えてはくれんか?」
「はぁ~!?何でそんな事しなくちゃいけないんですか?私は今スグ日本に帰りたいんですぅ!早くしてくださいぃ!」
「すまんの……あ、私、これから会議があるので…じゃ、頑張るんじゃよ~」

つーつーつー。
なんじゃそれーーーーーー!!!
あの糞爺……私に押し付けやがった!
あー、これからどうすればいいんだ。
悪役のレッテル張られている状態ではこの国にはいれないし。
そう言えば、この世界にはもう一つの国があったって言ってたよね、あの爺…。

思い出したのです。
転送される前に行っていた神様はこの世界には二つの国があるってことを。
一つは今私が門の外に出された国。
もう一つは目の前にある大きな森を超えたあたりにある国…帝国って言ってた気が…。
取り敢えずそこに行けば凌げるかもしれない。
此処にいても仕方がない。
いくっきゃない。

私は決心して歩きにくいハイヒールを履き捨て裸足になって森へと入っていくことになったのです。

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