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2 前世の記憶が蘇りました。

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そして気が付いた私に何故か前世の記憶が蘇ってしまったのだ。
前世の私はエリート官僚で確か年齢は26歳だった。
何があったかは分からないが死んで今の私に転生したのだろう。
その時の私の唯一の趣味がゲームだった。

それも乙女ゲームという貴族や王族の男性との恋をするという内容。
驚いたことに今の私のこの世界に酷似していることだった。
乙女ゲームのヒロインは悪役令嬢に罵られ、罵倒され周りの令嬢たちから忌み嫌われている。
だが、しかしそんなヒロインは何とかざまぁして悪役令嬢を倒して王族と結婚してエンディングだった……ような気がする。
確かその悪役令嬢の名前って…え……『マリエット・リーデン』……って私じゃんっ!!


「はっ……」

目を開けると天蓋付きベッドの上に仰向けになって寝ていた。
前世の乙女ゲームの悪役令嬢の名前が私というショッキングな出来事で目が覚めた。

「私が悪役令嬢って…そんなはずないわ」
「気が付いたのか?」


私のベッドの傍に王太子が座って私の事を見つめていた。
恥ずかしくなってしまい口元を布団で隠した。
確か前世の乙女ゲームに出てくる王太子の顔って、黒髪の短髪、透き通った白い肌で整った顔立ちのイケメン男子だったような…。


「何か水でも持ってこようか?」
「あ、いえ……それは構わないのですが、私倒れたのですか?」
「ああ、いきなり……な。医師の見解では貧血を起こしたのだろうということだが。大丈夫なのか?」
「そうですか…少し一人にしてくれませんか?」
「分かった。何かあったら呼ぶようにな」

私は返事をして王太子は部屋を後にした。
そして天蓋を見つめながら考えた。

あのゲームに出て着る悪役令嬢と私の名前が一致している事実。
そんな私悪い事なんてしてない。
それにあんな風に人を脅かしたり、罵ったことなんてないのに。
あれは何だったのかしら。もしかしたらこれから起こることなのかしら。


そんなことを考えていると段々眠気が襲って来てそのまま目を瞑って寝てしまった。
また明日考えよう、そう思ったのだった。

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